短時間でしっかり登れる山を考えたとき、鷹ノ巣山の百間岩コースを思い付いた。下山で馬ノ背尾根コースを下れば、希望通りに短時間でしっかり歩けそうだった。向かったのは2023年10月中旬の良く晴れた日だった。気温は上がっていたが、空気感はさっぱりしていた。鹿嶋神社の駐車場に着いたのは10時15分のこと。登山者の駐車は遠慮下さいとあったが、平日で数台の車を見るだけだったので、一番離れた位置に駐車とした。まずは鹿嶋神社に向かった。平日の参道は閑散としていた。本殿に着いて一礼すると、その左手から始まる登山道に入った。尾根に出ても休まず百間岩に向かった。百間岩は靴がかりの良い岩で、けっこう気楽に休まず登って行けた。登るほどに背後に展望が広がってくるのは、いつ登っても良いものである。百間岩を越しても休まず歩いて、反射板の位置で漸く小休止とした。そこは好展望地でもあって、少時展望も楽しんだ。小休止を終えると鷹ノ巣山を目指した。その先も露岩や岩場が多くあり、百間岩以上にしっかり登れる所だった。陽射しの下では優に30℃を越していたが、からっとした空気感に助けられて休まず登った。そして鷹ノ巣山の山頂に着いても、そこは素っ気ない山頂なので素通りとした。山頂のすぐ先が馬ノ背尾根コースの分岐点で、予定通り馬ノ背尾根に入って下山に移った。馬ノ背尾根も岩場が多くあるため、足下に絶えず注意を払いながら下ることになった。その馬ノ背コースも展望は良く、右手には常に百間岩が見えていた。地徳山の手前は鹿嶋神社だった。岩場の急坂を下りきると尾根の名の通りの馬ノ背状の緩やかな尾根となり、易しく歩けるようになった。33番鉄塔を過ぎると小型の百間岩と言った風の露岩地が現れ、その先で樹林帯に入った。その辺りは「馬ノ背の森」と呼ばれている所だった。樹林帯は涼しく、森の散策をしている風となった。もう麓は近く、道なりに歩くと害獣避けフェンスが現れて、そのゲートを通過した。もうごく近い位置に駐車場が見えていた。希望通りにしっかり登れて、時間も100分で収まった鷹ノ巣山だった。
(2023/11記) |