加西市大内町に天雲山と呼ばれる山があることを知って興味を持ったが、「北条」の地図を開いてもどこを指しているのかはっきり分からなかった。それでも大内町を眺めて、大内町から301mピークに至る尾根の小ピークとにらんだ。その尾根をよく見ると、尾根の途中に270mの等高線まで描かれた小さなピークが確認出来た。それが天雲山と想定すると、実際に確かめたくなった。
向かったのは2016年11月3日の文化の日のこと。この日は澄んだ秋晴れで、天雲山だけではもったいないと、足慣らしとばかりに近くの寺山で散歩のようなミニハイキングを楽しんだ。そして天雲山へと移動したので、大内町に着いたときは11時20分になっていた。登山コースに関する知識は全く無かったので、まずは駐車出来そうな所を探すことにした。そして駐車地点としたのは天雲山の東麓側にあった墓地の一角だった。始めはそこから大内町の集落に向かうつもりだったが、その墓地の位置からは尾根が間近に見えていたので、ヤブであっても適当に斜面を登って尾根を目指すことにした。但し山裾は害獣避けとして鉄条網の柵が巡っていたので、まずはそれを越さなければならなかった。そこで柵沿いを南へと歩いたところ、すぐにゲートが現れてあっさり中に入ることが出来た。その辺りは竹林になっており、竹林を適当に抜けるとすぐに支尾根に取り付けた。雑木帯の支尾根で樹間は空いており、無理なく登って行けた。支尾根を辿るうちに登る方向は西になり、その途中で突然のように祠に出会った。どうやら以前はよく歩かれていた尾根のようだった。祠を過ぎると尾根道を歩くようになり、傾斜が増してきたのでそこはしっかりと登って行くと、前方が開けてきた。そして小ピークに着いた。そこは裸地として開けており、東に向かって好展望が広がっていた。またベンチが二つ置かれていた。標識を見なかったものの、どうやらそこが天雲山のピークと思われた。予想通り地図では等高線で270mの位置だった。12時前になっていたことでもあり、ベンチに腰掛けて展望を楽しみながら昼休憩とした。天雲山からは北西から北に向かっての展望もあって、深山や笠形山が望めた。昼食を済ませると、尾根道のままに南へと歩いた。その南の方向に尾根の最高点となる301mピークがあるので、そこに立つつもりだった。緩やかな尾根道で気楽に歩けたが、終始雑木に囲まれて展望は良いとは言えなかった。301mピークまで天雲山から15分ほどだった。そこに三等三角点(点名・大内)を見るものの展望は無かった。尾根を南へと歩くのはそこまでとして、すぐに引き返した。次の興味は登山口がどこかと言うことだった。天雲山のピークを過ぎると道幅は広くなり無線塔が現れた。そこからは下る方向が北東となり、更に道幅が広がった。道が広くなったのは良かったが、地肌がむき出しでけっこう滑り易かった。そのため足下にずっと注意しながらの下りだった。麓が近づくとゲートが現れ、それを越した先で四等三角点(点名・五社神社)を見た。ほぼ麓まで下りてきたとき、右手に神社が見えた。その神社への道には入らず直進すると、道は二手に分かれた。そこを右手の道に入ると祠が現れて、その先で広い道に合流した。そこに標柱が立っており、「天雲山遊歩道」と書かれていた。どうやら天雲山の登山口はそこのようだった。今下って道は遊歩道と整備されたようだったが、どうも遊歩道と呼ぶには無理があるのではと思えた。その後は五社神社に立ち寄り、そして大内の集落を抜けて駐車地点となる墓地に戻って行った。
(2016/11記)(2020/5改訂) |