志方城山は2017年2月にちょっと変則的な登り方をして西尾根に上がったが、そこにはっきりとした尾根道があって楽々と山頂に立てた。その尾根道がどこに通じているのかに興味が湧いてきて、山頂から西尾根をずっと辿ってみたくなった。そこで二ヶ月後の4月に改めて志方城山に向かった。4月の第二土曜日のことで、この週は一気に気温が上がって桜はいっせいに開花期を迎えた。それがあってこの日パートナーは女性グループで花見に出かけてしまったので、単独で向かうことになった。午後から雨の予想だったが上空は薄曇り程度で、雨の降りそうな気配は無かった。登山口駐車場に着くと、山頂そばで行われている工事のためか、中型トラック3台が駐車場を塞いでいた。それでも何とか余ったスペースに車を止めた。この日は往路コースとして前回とは逆回りの形で登ることにした。林道を歩き出すと、桜が満開だった。桜だけでなくコバノミツバツツジも満開のものがあり、足下では転々とスミレの花を見かけた。毘沙門岩が現れると、そのそばから旧道コースが始まっていたが、その先にも小径がありクサリ場コースの文字を見たので、そちらを登ってみることにした。ロープも張られた急斜面だったが、何のことはないすぐに旧道コースに合流した。そして程なくクサリ場コースが分かれて、そちらに入った。すぐに小毘沙門岩が現れ、その先からクサリ場が現れた。ロープも張られており、それを掴みながら登った。途中の岩場は展望地で、そこに立ってみたものの南に広がる風景は強いモヤの視界のため、近くの飯盛山でもごくうっすらとしか見えなかった。急坂を登りきって旧道コースに合流すると、さほど歩かずメインコースに合流した。メインコースに平行するように山頂そばの工事現場まで荷揚げ用のモノレールが敷設されており、ちょうど運搬車が走っていた。時速1km程度で、歩くよりもずっと遅いスピードだった。山頂の城山公園に出たときは薄晴れの空になっており、気温は26℃まで上がっていた。柔らかい陽射しを受けることになったが、けっこう暑さを感じた。公園でも桜が満開になっており、その桜を眺めながらベンチに座って昼休憩とした。モヤの強い視界で展望は楽しめないとあって、昼食を済ませるとすぐに尾根歩きに移った。モノレールを跨いで西へと歩き、四国八十八カ所巡りの中を通って「七ツ池」と書かれた尾根コースに入った。ごく易しい尾根道を歩いて行く。始めは城跡の領域で、井戸跡のそばを通り、搦手門跡や堀切跡を通った。周囲は樹林が囲むとあって展望の無いまま西へと緩く下って行くと、途中から上り坂になった。前回はその辺りで尾根道に合流したはずだった。上り坂を登りきるとそこは220mピークで、下り坂に入ったとき左手に小径が分かれた。そちらに展望地があるようだったので寄り道してみると、すぐに岩場が現れて南に向かって好展望が得られた。あいにくモヤの強い視界のためにうっすらとした風景だったが、視界が良ければ十分に楽しめそうだった。尾根道に戻って少し下ると、北の方向となる右手に小径が分かれた。そちらに向かえば上ノ池に出られるようだった。尾根道を更に進むと、周囲にシダが増えてマイナーな雰囲気となってきた。それでも道ははっきりしていたので、歩くことに問題は無かった。また右手に小径が分かれて、そちらの道は七ツ池コースと書かれていた。そして真っ直ぐ北西に向かう道は城山台コースと書かれていた。あくまでも北西へと歩いて行くと小さな広場が現れて、共同アンテナが建っていた。その先で現れたのが配水池で、そこで道は二手に分かれた。どちらも北西に向かっていたが、北寄りの方を選んで下ると程なく前方が見通せるようになり、北向かいの尾根やその右手に七ツ池も見えていた。その辺りから急坂になり、慎重に下ると県道118号線に下り着いた。そこに立っていた標識を見ると、どうも下ってきたコースはアンテナのケーブルが敷設されているようで、立入禁止になっていた。どうやら配水池で分かれたもう一方の道が正しかったようである。車道沿いの歩道を南へと歩いて細工所橋のそばに出ると、橋を渡って駐車場の方向に向かった。そこまで来ると城山登山口の標識が現れたので、それに従って歩いた。標識は点々とあり、地図を見なくても正しく歩いて行けた。途中には安楽寺や五輪塔があったので、少し足を止めたりしながら登山口駐車場へと戻って行った。
(2017/4記)(2020/4改訂) |