TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北播磨 
 
イタリ山    いたりやま 273.6m 西脇市・丹波市
 
1/2.5万地図 : 谷川
 
【2005年5月】 2005-28(TAJI&HM)
 
   南麓の船町より  2005 / 5

 イタリ山の位置を地図で見ると、佐治川と篠山川の合流する地点に位置している。そこより二つの川は一つとなって加古川と名を変え、そして次第に川幅を広げて播州平野を流れて大河となり播磨灘へ流れ込んでいる。この川の要衝といえる位置はすでに水量も多く、「播磨 山の地名を歩く」によると、江戸期には水運が盛んで、イタリ山の麓、黒田庄町側にある船町はけっこうな賑わいを見せていたそうである。このイタリ山は地元では漢字で至山と書かれており、その字からして尾根の端にある山の意味だろうし、実際にも石金山を主峰として、そこから東に延びる尾根の端に頭をもたげるピークである。それを「イタリヤマ」と書くと、ちょっとハイカラな感じがして、以前からちょっと気になっていた。ただこの周囲にはもっと標高のある山が幾つもあり、他の山を差しおいてわざわざ登ってみる気にはなれなかった。このイタリ山を2005年の五月連休で訪れた。
 2005年5月7日の朝は、前日の雨が残っているようなどんよりとした空が広がっていた。ただこの日は快晴の予想だったので、空を見ているとその通りに8時頃には姫路の空は青空が広がり出した。その空も雨に洗われてくっきりと澄んだ空だった。本来ならちょっと登り甲斐のある山を目指すべきだが、視界の澄んだ日にこそ標高は無くとも展望の楽しめそうな山に登るのも悪くはないと思い付き、そこでこの播州丹波境にあるイタリ山に登ることにした。このイタリ山山頂には電波塔が幾つかあって、きっと展望は良いと思えたからである。姫路の出発が遅れたため、黒田庄町に入ったのは11時も近くなっていた。それでもその辺りの空の回復は遅く、まだ黒い雲が多く残っていた。丹波市山南町が近づくとイタリ山が見えてきた。富士山型の独立峰に見えて、けっこう端正な姿だった。国道175号線を走って向かっていたところ、イタリ山の東麓まで来ると登山口の標識が現れた。標識に従って佐治川に架かる井原橋の手前で国道を離れると、すぐに駐車場が現れて駐車場の西端から登山道の始まっているのが見えた。広い駐車場で登山口の駐車場というよりも、運転に疲れた車の休憩場所に使われているようにも思われた。11時を回っていたので、すぐに登山道に入った。登山道は適度な幅があり傾斜も緩く楽な登りだった。中腹までは一帯は植林が多く、そして登山道はつづら折れになっていた。一部で倒木があったものの歩度を鈍らせるほどでは無く、山頂が目前になるとTU−KAの無線中継塔が現れて、そのそばに石金山への縦走路を示す標識も見られた。そして歩き始めて14分でもう山頂だった。山頂には中央にどっしりと建っていたのはNHK山南テレビ中継放送所だった。山頂に着いた頃には上空は青空が多くを占め、ほぼ快晴の空に変わっていた。ただ風が強く冷たさがあり肌寒さを覚えた。この風が黒雲を払ったのだろう。電波塔の周囲はまずまず開けており、既に葉を広げたワラビを多く見かけた。また山頂の南寄りに三等三角点(点名・至山)を見た。陽射しを受けてすっかり明るい山頂だったが、そこには期待したほどの展望は無かった。開けているようで木々が所々で視界を遮っており、すっきりとした展望は得られなかった。それでも東の方向は比較的良く、麓には円応教本部や山南町の町並み、そしてそれを取り巻く妙見山を始めとする山並みが眺められた。ただ展望に関しては、放送所の階段を登れば南の加古川流域が眺められた。また少し戻れば石金山や千ヶ峰がまずまず眺められる位置があった。ところで山頂一帯にはけっこうタラノキが多くあり既に葉を広げていたが、そのタラノキに心無い人の仕業と思える、無惨にも途中で切られて枯れてしまったものを多く見た。本来ならこのイタリ山を起点に石金山へと足を延ばすべきところだが、この日は別の山でも展望を楽しみたく、昼食を済ませると往路を戻って下山に向かった。
(2005/5記)(2022/8写真改訂)
<登山日> 2005年5月7日 11:07スタート/11:24〜12:24山頂/12:38エンド。
(天気) 前日は終日、雨。この日も朝からどんより曇っていたが、午前の9時を回ってから急速に晴れてきた。風が強く、鮮やかな天気に変わってきた。
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駐車場より登山口の方向を眺めた 植林の中の登山道を登って行った 山頂に着くとNHKのテレビ中継所が建っていた
山頂の南寄りに三等三角点(点名・至山)を見る 山頂より北の方向を望む
テレビ中継所の階段を登って、南に加古川流域を望む 山頂より東の方向を望む 山頂ではこちらの眺めが一番良かった
   
TU−KA無線塔のそばからは北西方向が広く眺められた 手前の川は佐治川だった

上の写真に写る千
ヶ峰を大きく見る

上の写真の左手、
無線塔の右に見え
るのは石金山だっ