2015年の年末に国道250号線を走ってたつの市から相生市に向かっていたとき、柏公園に登山口標識を見た。その位置からして御津山脈の縦走路に出られると直感した。その御津山脈の縦走は遠慮して、仏ヶ台山だけを登ろうと向かったのは2016年1月のことだった。その日の兵庫は寒波襲来で大荒れの天気が予想されていたが、それは播州北部から北にかけてのようで、瀬戸内側はからっと晴れていた。柏公園に着いたのは10時20分過ぎ。公園の西隅に登山口標識は立っていた。国道250号線を横目に登山道に入った。始めに国道を足下に見ながらフェンスに沿って歩いた。そして北西方向に登るようになった。周囲はシダが繁茂しており、そこをむりやり切り開いて登山道を作った感があった。確か1998年にも柏公園から厳しいヤブコギで仏ヶ台山を目指したことがあったが、そこに何とか登山道を作ったようだった。シダは刈られてから日が浅いようで、刈られた葉がまだ枯れずに辺りに沢山残っていた。どうも一年と経たないうちにまた元のヤブに戻ってしまうのではと思えるほど周囲にシダが茂っていた。その切り開き道を進んで行くと、登山道の傾斜が増してきた。後ろを振り返ると、海岸線の風景が眺められた。シダが多いと言っても疎らな所もあって、特に厳しさは無かった。小さなピークに着くと、そこには2基の電波塔がペアとなって建っていた。そこは少し展望があって、相生の海岸線や相生湾の風景が眺められた。また行く手には仏ヶ台山も見えていた。暫くは樹林帯の緩やかな道で、目印テープを追って歩いた。周囲は常緑樹だったが、ウバメガシよりもヒサカキが多いように思えた。また傾斜が増してきて、背後に再び相生湾が眺められるようになった。尾根が緩むと今度は南の方向が広く眺められる所が現れた。そこは展望台のようになっており、休むには良さそうだったが、まずは山頂に立とうと先を急いだ。歩く方向は北となり、少し笹の茂る中を進んで行くと、御津山脈縦走コースに合流した。西へと向かうと尾根の傾斜が増してきた。今度は天下台山や野瀬奥山など御津山脈の主峰が眺められるようになったので、ときおり足を止めながら山頂に近づいた。仏ヶ台山の山頂に着いたのは12時前。ゆっくり登ったことでもあり、登山口から73分かかっていたので、まずは手頃なハイキングと言えそうだった。山頂は以前と変わらず樹林に囲まれており、展望は無し。その展望は山頂の近くで御津山脈を眺められる所があった。昼になっていたので山頂で休んでも良かったが、柏公園コースの途中にあった展望地で昼休憩をとることにした。そこですぐに下山とした。縦走コースを引き返すのだが、雲が少し増えてきたようだった。それでもまずまず晴れているとは言えた。柏公園コースに入り、展望地へと向かっていたところ、空がどんどん暗くなってきた。どうやら一気に北の雪雲が流れてきたようだった。展望地に着いたときは、すっかり暗い空になっていた。おまけに冷たい風も出てきた。温度計を見ると6℃まで下がっていた。山頂では11℃あったので、急激な気温の低下だった。冷たい風の中で休む気にはなれず、昼食は下山後に車の中でとることにした。そこで展望ポイントをすぐに離れた。後は薄暗い空の下をそそくさと下った。ペアの反射板を過ぎると、前方に万葉岬を見るようになった。その万葉岬を少し見上げるようになると、登山口は目の前だった。
(2016/2記)(2020/5改訂) |