足が痛いながらも高御位山なら登れるだろうと向かったのは、2022年3月の最初の土曜日だった。一番易しい成井コースをピストンすることにした。その登山口駐車場に着いてみると満車状態だった。通常は山裾道に車を止めることになるのだが、この日は消防団の訓練が行われているようで駐車場以外の駐車スペースはその関係の車で占められていた。どうなるかと思ったが、ちょうど駐車場を離れる車があって、入れ替わりで車を止めることが出来た。登山道に入ると訓練が終わったのか、下山してくる大勢の消防団員とすれ違った。おかげで以後は静かな登山となった。足を痛めているためゆっくりとしか登れず、それも十丁を過ぎた頃より痛みが増してきた。十六丁手前の展望地まで何とか来たが、痛みを耐えきれず休憩とした。その一帯は露岩地で、ベンチが置かれていた。暖かい陽射しを十分に受けることになったが、風はまだまだ冷たかった。早春は黄砂の日が多くなるが、この日も黄砂があるのか視界は黄色味を帯びており薄ぼんやりとしていた。一休みを終えて最後の石段を登った。山頂には高御位神社が建っており、そこは十八丁だった。最高点は岩場で、そこに立つと風は一段と強かった。そのため僅かな時間だけ岩場に立っただけで、後は高御位神社のそばで休憩とした。休日とあってハイカーは多く、あちらこちらから賑やかな声が聞こえていた。この日一番苦労したのは下山だった。山頂で休む間に足の痛みは更に増しており、階段の一歩一歩で足が痛んだ。そのため何度も休憩をとることになり、1時間以上かかっての下山になってしまった。通常の三倍は時間がかかったようだった。
(2022/3記) |