◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <淡路編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
汐鳴山 しおなるやま | 305.3m | 淡路市 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 明石 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2010年10月】 | 2010-88(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大阪湾海上交通センターに通じる車道より 2010 / 10 |
淡路島で登山対象になる山は中部から南部に集まっており、単なる丘の連なりに見える北部は、山名が付いていても関心が向かないようである。それにはほとんどの山で、山頂そばまで車道が通じており、ハイキングとして楽しめないことも原因しているのではと思われた。2010年10月の3連休最終日は体育の日。快晴となった空を見て、登り甲斐のある山に行きたいところだが、2週間前に痛めた足が快復途上とあって、無理は出来なかった。そこでハイキングとしては簡単過ぎると思える淡路北部の山を、この機会に登ることにした。淡路島北部なら明石海峡を望めて、気分転換にも良さそうだった。淡路島北部の地図を開いて、まず目に付いたのが汐鳴山だった。この山も山頂まで車道が通じているが、北東に見える温泉施設「松帆の郷」のそばから汐鳴山へと破線の道の通じているのが目に付いた。その道を歩けば、少しはハイキングとして楽しめるのではと思え、まずは汐鳴山に登ることにした。足の具合が問題無さそうなら、午後にもう一つ低山を登ろうとも考えた。 快晴の下、明石海峡大橋を渡る。淡路SAに立ち寄ると、8時前ながら駐車場は9割方埋まっていた。そのほとんどが他府県ナンバーだった。三連休を利用して遠出をしている人が多いようだった。そのSAから淡路ICに出て、岩屋の町に下りた。そこから県道31号線で北上するが、前方に明石海峡大橋を見ながらで、観光気分で県道を走った。高速道路の下をくぐると、すぐに松帆の郷の標識が現れて、それに従うと、数分で松帆の郷の前に着いた。温泉は11時から営業とあって、駐車場には車は見えなかった。その駐車場から少し離れた山裾に駐車とした。破線の道は近くの小さな沢の左岸にあることになっているので、一度、県道まで戻り、橋を渡って左岸に出ることにした。ところが県道まで戻ってみたものの、左岸にそれらしき道は見えなかった。少し辺りの様子を探ったところ、近くに変電所の設備があり、そのそばより小径が始まっているのを見つけた。その小径に入ると、小橋を渡って小川の左岸を歩くようになった。地図の破線路に入ったようだった。ほぼ平坦な道で、歩き易い小径として続いていた。そのままずっと続くのかと思っていると、ヤブが現れたり、また歩き易くなったりを繰り返した後、ヤブが続くようになった。そのうちに枯れ竹のヤブまで現れて、悪路になってしまった。せっかく足に優しいコースとして選んだのに、これはむしろ厳しいコースを歩いていると言ってよかった。どうも道が悪過ぎるのでコンパスを取り出すと、てっきり南の方向へと歩いていると思っていたのに、西の方向を歩いていた。途中でコースを逸れていたようだった。道理でヤブのはずだった。そのまま歩いても意味が無いので、一度近くの尾根に出ることにした。汐鳴山には左の斜面が良かろうと、そちらの急斜面に取り付いたが、足に力を入れて登るのは痛めた足にはけっこう辛いことだった。一歩登っては休みを繰り返しながら、尾根へと近づいた。掴まる木があって、これは有り難かった。ようようの思いで尾根に出ると、ちょうどそこに送電塔が建っていた。「野島岩屋線4番鉄塔」とあり、そこからは巡視路が尾根上に付いていた。これで一気に楽になった。巡視路は始めはっきりとした分かり易い道だったが、鞍部の位置で尾根から離れてしまった。麓には下りたくないので、そのまま南西方向へと尾根歩きを続けることにした。尾根には道こそ無かったが、樹間は空いており歩き易かった。点々と目印テープも付いていた。緩い上り坂で、どこに行くのやらと思っていると、突然のように車道にでた。そして目の前に立派なビルと塔が建っていた。「大阪湾海上交通センター」だった。この塔は海峡を挟んで明石側からも良く見える塔で、これで現在地がはっきりしたことになる。汐鳴山まではもう車道を歩いて行くだけだった。まずは南へと歩いて行く。周囲はすっかり雑木林で展望は無かったが、南西方向に木立を通して目的の汐鳴山がちらちら見えていた。南へと歩いていた車道が西に折れたとき、汐鳴山が正面となった。山頂の近くには電波塔が見えていた。車道は舗装路で、海上交通センターへ行くと見られる車が、ときおり通過した。程なく三叉路に出て、左手の南に延びる道に入る。程なく右手に水道設備が、そして左手にNHKの電波塔が現れた。その先はダート道となり、ほとんど車の通行が無さそうな道の佇まいとなった。一番高い位置のそばに三角点があるだろうと考えて、峠の位置を目指す。周囲はずっと雑木林が続いた。そして峠の位置で左手の雑木林に入ると、僅かな距離であっさりと三角点を見た。二等三角点がササに隠れ気味に埋まっていた。一休みする前に、三角点周りのササを刈り込んで、良く見えるようにした。それにしてもそこも周囲はすっかり雑木林とあって、何とも展望のかけらも無い山頂だった。この日のハイキングでは明石海峡の風景を眺めることを楽しみとしていたのだが、考えてみると、小川沿いを歩き始めてから、一度も海峡の展望を得たことは無かった。単なるピークハントとして山頂に立った感じで、ちょっと期待外れと言えそうだった。長居はせず、下山に向かうことにした。下山は往路で予定していた地図の破線路を、忠実に辿って戻ることにした。海上交通センターへの車道を戻って行くが、木立の隙間に注意していると、明石海峡が近くに見えていた。樹林の切れ目さえあれば、すばらしい展望があるのにと、少し残念に思えた。車道が北へと折れる位置に戻って来ると、車道から小径が分かれていた。その道が正解の道と考えて、小径に入った。始めは細い道だったが、程なく車が通れる幅になった。そのうちに左手に田圃も見え出して、どうも地図の谷筋のイメージとは違ってきた。改めて地図を見ると、予定していた小径よりも一つ南の道を歩いているようだった。地図では二つの道はつながっていなかったが、実際はつながっており、それを自然なままに歩いたため、南の広い道を歩いてしまったようだった。今さら戻るのも面倒なので、少し遠回りになるが、そのまま東へと下って行くことにした。周囲の尾根が低くなってくると、少し開けた風景となり、道は舗装路に変わった。溜め池のそばを過ぎると前方に高速道路と海が見えるようになり、その高速道路の高架をくぐると、県道31号線に合流した。そこからは県道沿いの歩道を歩いて北へと戻るだけだったが、下り坂の前方には明石海峡と大橋の風景があり、景色としてはなかなかのものだった。その下り坂を下りきった位置に「道の駅あわじ」があった。ちょうど昼どきでもあり、そこの広場で昼食をとることにした。広場は芝生になっており、木陰を見つけてビニールシートを敷いた。見上げる位置に明石海峡大橋があり、間近に海が迫っている。そして対岸の明石、神戸の市街地が鮮やかに見えていた。ハイキング中は展望に恵まれなかったのに、麓に下りてから一級の展望を楽しめるとは、ちょっと皮肉だった。麓の気温は28℃まで上がっていたが、海の風は爽やかで、快いばかりだった。そして目の前には休日を楽しむ大勢のファミリーの姿があった。もう先ほどまでのハイキングは遠い記憶になって、観光客の一人となって、この好天の下で憩うだけだった。道の駅で一時間ほどの休憩を過ごすと、後はまた県道31号線沿いを歩いて、車を止めている松帆の郷へと戻って行った。 (2010/10記)(2021/8改訂) |
<登山日> | 2010年10月11日 | 8:26駐車地点スタート/8:39小川に架かる橋を渡る(少し迷った後)/9:32ヤブ道を離れる/9:43〜48鉄塔/10:00海上交通センター/10:29NHKの電波塔前/10:35〜43山頂/11:01車道を離れる/11:38高速道を高架をくぐる/11:55〜12:54道の駅あわじ/13:12エンド。 | |
(天気) | 快晴。ほとんど雲は見えず、澄んだ青空が広がっていた。気温は20℃ほどで湿度は低く、適度な涼しさだった。山上に出るとほとんど展望が無かったため視界の良さはよく分からなかったが、麓から見る明石海峡の風景は鮮やかさを持って眺められた。昼の麓の気温は28℃まで上がっていたが、海からの風が強く、十分な涼しさだった。 | ||
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