TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
水晶山   (高台) 307.9m 赤穂市
 すいしょうやま
1/2.5万地図 : 相生
 
【2006年7月】 2006-51(TAJI&HM)
 
   千種川を挟んで対岸の富原地区より  2006 / 7

 赤穂市と言えば赤穂城を中心としてJR播州赤穂駅の南に開けた平野部を思い浮かべるが、地図を見るとその平野部よりもその北に広がる丘陵部の方がずっと広く、赤穂市が沿岸部だけの町で無いことが良く分かる。その丘陵部を眺めると、南の方にはハイキングコースを持つ高山や雄鷹台山があってなじみ深いが、その北は地図には名称の記されていないなだらかな地形がずっと続いている。その中に地元で水晶山と呼ばれているこのピークは、低山群の中にあって300mを越しており、少し目を惹く存在だった。東に長く延びる尾根の端から登るのも悪くないように思えた。
 2006年7月に入っての最初の週末は、日曜日の午後となって漸く出かける時間がとれた。そのため遠くには行けなかったが、近場で新鮮な気持ちで登れる山は無いかと考えてこの水晶山を思い付いた。ごく簡単に登れそうにも見えるもヤブコギで厳しくなるようにも思えて少し躊躇する気持ちも起きたが、初めての山に対する期待感の方が大きくなり、少しぐらいのヤブコギなら我慢してでもと、水晶山を目指すことにした。国道2号線を西へと走って千種川を越したところで、南に分かれる県道赤穂佐伯線に入った。県道は千種川に沿って南下しており、目的とする水晶山が程なく見えて来た。始めに考えていた東尾根の端から登るコースは、その尾根端が濃いヤブに見えて断念した。そこでまず北側の谷筋からと考えて、そちらに向かう林道に近づいてみると、入口はゲートで塞がれていた。ゲートは問題ないのだが、そのそばには会社があり、適当な駐車場所が見当たらなかった。そこで南側の林集落に回って南麓の谷の様子を探ることにした。すると集落の入口に「釣瓶落しの滝」の案内標識が立っていた。どうやら谷には滝があって、そこまで遊歩道が続いているようだった。そこでその遊歩道から歩き始めてアプローチすることに決めた。遊歩道の入口に近づくと、近くに小さなお社が見え、そのそばは適度な駐車スペースとなっていたので、そこに駐車とした。お社の横からも小径が始まっており、その道はいずれ滝への遊歩道に合流するだろうと考えて、その小径から歩き始めることにした。小径は始めこそ気楽な感じで歩けたが、すぐに荒れてきた。おまけに前日の雨で冠水している所も現れた。それを避けようとするとヤブに突っ込むことになり、要らぬ苦労をさせられた。それでも予想通りに滝への遊歩道に合流して一安心だった。すぐに堰堤のそばに出ると、そこは少し展望があって、東に千種川を挟んで対岸の尾根が眺められた。その中に山頂が山火事で丸裸になっているのは川向山のようである。沢沿いの遊歩道はごく緩やかな坂で続き、何度か滝までの距離の書かれた標識が立っていた。滝までの距離が200mほどになった位置で滝への近道が現れので、その小径で滝に向かうことにした。小径は荒れてはいたが、緩やかな下り坂で続いていた。そしてもう滝に近いと思われた頃に古びた遊具施設が現れた。ブランコや鉄棒だったが、どれも壊れているのと同然だった。その先にこれも古びて朽ちかけた休憩舎があり、そこを過ぎると小ぶりな滝が現れた。それが釣瓶落しの滝のようだった。落差は10mほどしかなかったが、雨上がりとあって水量は十分にあって、滝としての形もまとまっていた。以前は地元のちょっとした名所として訪れる人も多かったのだろうが、優雅に滝見物をする人が減って寂れてしまったようである。その釣瓶落しの滝のそばから真っ直ぐ上へ向かう小径が見えたので、滝見物を終えるとその道で遊歩道に戻った。遊歩道に立つと、そばに小さな祠が滝を見守るように建っていた。遊歩道は山頂直下を通り過ぎ、沢沿いに更に西へと続いていた。遊歩道は荒れ気味になりながらも峠に向かっており、沢との距離は離れて深い谷になって来た。その谷に釣瓶落しの滝とは別の小さな滝が幾つかあるのが望まれた。道は地図の破線路のままに湯ノ内谷との峠まで続いていた。その峠一帯は広く裸地になっており、幅広の道が通じていた。但しその道は深く抉れており、今は車の通行は難しそうだった。その峠に標柱が立っており、「坊主屋敷跡」と記されていた。この奥深い山中に、以前に建屋があったようである。その峠は山頂に対してかなり西に位置しており、山頂へは戻る形で尾根を進むことになる。その辺りは地形が複雑になっていたが、荒れた車道はそちらへも延びていたので、暫くはその車道を歩くことにした。車道が尾根方向から離れ出すと、車道を離れてシダで覆われた山肌を、尾根に向かって登ることにした。シダははびこってはいたが、腰丈を越えることが無かったのはいくぶん楽だった。シダの中の踏み分け道を登って行くと、尾根に出たところで小径に出会った。その小径は尾根に沿って続いており、遠回りに山頂へ向かうと見たので、その道なりに歩いて行くことにした。ほとんど平坦なまま小径は続いて、程なく東の方向に山頂とその西隣の295mピークが見えて来た。小径はやがて緩やかな坂となって山頂へと向かい出すと、少し不確かになった。ただ方向がはっきりしていたので、迷わず進んで行けた。そして峠に出てから1時間近くかかって山頂到着となった。そこは足元にシダが広がり、雑木が一帯を占める展望の無いピークだった。そこに三角点を捜したが見つからない。そこで地図を確認すると、山頂には無く少し東寄り10メートルほど低い所に記号が載っていた。山頂までの小径は山頂を越して更に東へと続いていたので、その小径で少し下ると、北東に展望のある裸地に出た。その付近を探ってみると、シダに隠されるようにして四等三角点(点名・高台)が置かれていた。一帯はシダが広がるのみだったが、人の訪れの少ない山らしく物寂しさが漂っており、その雰囲気の中で暫しの休憩とした。展望は無かったが、渡る風の涼しさに身をゆだねていると30分ほどの時間はすぐ経っていた。そこで下山に向かうことにした。コースの分かっている往路を辿っては時間がかかり過ぎるので、山頂より南南東方向に延びるやや急な尾根で、一気に南麓にある遊歩道に出ることにした。そこで尾根方向へとシダヤブをかき分けて行くと、程なく広い裸地に出た。そこは木々も少なく、南に向かって展望が開けていた。昼どきはモヤの強い空だったが、夕方となって空気が落ち着いたのか澄んだ視界に変わっており、その中を南東には千種川の流れが眺められ、南西には黒鉄山まで続く山並みが眺められた。南の海上には小豆島がくっきりと大きかった。その裸地の位置からの尾根方向はシダヤブが厳しくなるようなので、もう無理に尾根を辿ることはせず、南に向かって遊歩道まで適当に下ることにした。そちらはかなりの急斜面で、しかも岩場に遭遇する恐れもあったが、地図の等高線の間隔を見て、慎重に下れば下りられるとみたものである。足元は終始シダヤブだったが適度に掴まる木があったので、それを頼りに下って行った。ときにずり落ちそうになったが、慎重にさえ下れば危険な感じは無かった。急斜面だけに展望は良く、常に南向かいの尾根が眺められた。但しのんびり眺める余裕は無く、ひたすら足元に神経を集中した。この急斜面はとうとう遊歩道に下り着くまで続いた。下り着いた所は釣瓶落しの滝の真上の位置だった。一気に下ったため40分ほどで下り着いたが、この経路を逆に登ることは、もう考えられないことだった。後は遊歩道を辿って、駐車地点へと戻って行った。低山にしてはけっこう厳しい登山になってしまったが、何となく充実した気持ちが持てて、この日の登山を終えた。
(2006/7記)(2021/12改訂)
<登山日> 2006年7月2日 14:15スタート/14:30堰堤/14:42釣瓶落しの滝/15:06坊主屋敷跡/16:00〜35山頂/17:18遊歩道合流/17:34エンド。
(天気) 雨は朝には上がって、曇りから晴れへと回復していた。麓は少し蒸し暑さがあったが、山上の気温は27℃ほどで、さほど蒸し暑さは感じなかった。ときおり吹いて来る風は涼しさ有り。スタート時はモヤの強い視界だったが、下山する頃にはくっきりとした視界に変わっていた。
<< Photo Album 2006/07/02 >>
南麓の谷への入口には小さな社が佇んでいた 遊歩道に出るとすぐに堰堤に出会った 堰堤から山頂方向を見上げる 堰堤から東の方向を見ると、千種川の対岸に川向山が望まれた
釣瓶落しの滝は、小さな滝ながら水量は十分だった 滝を離れて遊歩道に出ると、滝を守るように石仏が置かれていた 沢沿いの道を最後まで辿ると峠に出た そこには車道が来ていた
尾根に出たものの山頂に対して西に離れていたので、山頂が遠くに見えていた 尾根の小径を歩いて遠回りで徐々に山頂に近づいて行った 山頂に着いたがそこに三角点は無く、東に少し下った位置でシダに囲まれていた
山頂から南東へと下ると、裸地が現れた そこからの展望は素晴らしかった 左の写真と同じ位置より山頂方向を振り返る

上の写真の小豆島
を大きく見る

最高点は星ヶ城山
と思えた

同じく右隅の黒鉄
山を大きく見る
山頂そばの裸地からは東の展望も良かった 左の写真の天下台山の尾根を大きく見る
急斜面の下山時に南向かいの尾根を眺める 左の写真の右手、準平原の山並みを眺める シダに覆われた急斜面で思わずササユリに出会った