TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
畑山    はたやま 311.6m 姫路市
<登頂断念>
1/2.5万地図 : 笠原
 
【2012年6月】 No.3 2012-58(TAJI&HM)
 
    南麓側の神谷地区より  2012 / 6

 2012年の梅雨時のことだが、雨の季節は無理をしたくないものの、易し過ぎると物足りなさを感じることになる。適度な易しさで、少しぐらいのヤブコギも有りでと考えたとき、畑山を思い付いた。神谷ダムの湖岸からなら高低差は少なく、距離も大したことはない。但し、はっきりとした道があるのか分からないので、ちょっとヤブコギが必要かも知れないと思えたのが選んだ理由だった。
 向かったのは6月最後の日。この日は曇りから雨に変わる予想だったが、雨は昼からと思われたので、出かけることにしたものである。ところが思った以上に暗い空だった。今にも雨が降り出しそうだった。その心配を持って神谷ダムへと南から近づくと、ダムへの道が入口で塞がれていた。前回も草刈り作業で塞がれていたので牧野自然公園側に回って登っていたのだが、今回も同じく草刈り作業中だった。そこで別の道でと考えて、ダム湖へ南側から直接近づくと、そこは養鶏場の敷地になっていた。結局、車を止めたのは、神谷ダム湖へ通じる車道に近い大歳神社の駐車場だった。そこから小径が車道の方向に向かっていた。すんなり車道に出られるものと思って歩き出したところ、小径は車道に出るまでに終わってしまった。そこは車道より数メートル低い位置で、車道の下は用水路のトンネルが通っていた。よく見るとトンネル内は歩けるようになっており、トンネルを潜ると竹林に出て、竹林の中のごく狭い道を歩くと、すんなりと車道に合流した。車道には刈られた雑草が積まれていた。それを横目に車道を歩いて行く。上空は本当に暗い空だった。これは午前中には降り出しそうではと思っていると、ダム湖に近づいた頃より、もう雨粒が落ちてきた。霧粒ほどなので気にしていなかったところ、ダム湖が見えた辺りで少し粒が大きくなってきた。それを見て雨具を身に付ける。小雨の降る中、ダム湖に着いた。ダム湖の堤防を歩いて西の方向に向かう。このとき異臭が漂ってきた。神谷ダムの下にある養鶏場からの臭いだった。鼻を押さえながら西岸側に出た。この日は堤防に近い位置から斜面に取り付いて、長く尾根を歩こうかと思っていたのだが、堤防の西端に着くと、そばの山すそは急斜面になっており、取り付き難そうだった。そこで今少し湖岸道路を歩いて畑山へと近づいた。取り付いたのは道路がUの字となって大きく曲がっている地点で、畑山に一番近い谷よりも一つ東の谷だった。その頃には雨は小止みになっていた。その位置から林に入ると、すぐに谷に沿って歩くようになった。沢がはっきりしなくなると、後は適当に登った。軽いヤブコギ程度で尾根に出られると見ていたが、その通りで灌木の空いた所を選びながら歩いて行けた。そのうちに灌木が増えてきたので、右手の斜面を登ることにした。そこからが苦労の始まりだった。次第に灌木ヤブになり、シダヤブの所もあった。更にイバラも混じって、俄然歩き難くなった。尾根に出られたならばと思いながら何とか尾根に出たものの、尾根もヤブ地で、ヤブコギを続けることになった。灌木をかき分けるだけで無く、イバラを切り開きながら登るので、遅々として進まなかった。意外と手強い畑山だった。その上また小雨が降り出した。いつかはヤブも減ってくることを期待して辛抱強く進んで行く。小さなピークに立って樹間から山頂方向を見ると、反射板が見えたものの、まだ距離があった。漸くその辺りで多少は歩き易くなっていたが、今度は雨が強くなってきた。そして視界も消えてきた。そのような中で山頂に向かうのは、どうも気が進まず、戦意喪失と言った感じで前進を諦めることにした。そこからは湖岸方向に適当に下った。最初は軽い灌木ヤブで、途中からヤブの感じは消えてきた。下るうちに沢そばを歩くようになり、最後に湖岸道路に出ると、そこは往路で取り付いた位置よりも一つ西隣りのU字になった位置だった。地図を見ると、畑山に一番近い位置と言えた。尾根歩きをしようと余計なことを考えず、最初からこの沢で登っておれば山頂に立てていたと思えたので、ちょっと残念な気持ちだった。雨はまた小降りに戻っており、その中を少々がっかりした気持ちで戻って行った。次は季節を変えて、晴れた日に登りたいものだと思った。
(2012/10記)(2020/12改訂) 
<登山日> 2012年6月30日 9:07大歳神社スタート/9:15車道に出る/9:07神谷ダムの堤防東端/10:00山肌に取り付く/11:00前進を諦めて下山を始める/11:24湖岸道路に出る/12:09エンド。
(天気) スタート時は雨は降っていなかったが、今にも降り出しそうな暗い空だった。ダム湖が近づいた頃より雨が降り出した。その後は雨は降ったり止んだりだった。気温は24℃ほどで、風はほとんど無し。尾根歩きとなった頃より雨足は強くなってきた。視界は悪く、近くの風景もぼんやりとしていた。
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駐車場から大歳神社の境内へ入って行く 境内を抜けて、車道へ向かう小径を進む 車道に出るために一度車道の下のトンネルを潜った
車道を歩いて神谷ダムへ 神谷ダムが見えてきた はや小雨が降り出した 桑原山が煙って眺められた
ダムの堤防の東端に着いた ダム湖を眺める ダムの堤防上を西へと歩いて行く
堤防から南を見る 足下の養鶏場からの臭いが
きつかった
堤防を渡り終えて、湖岸路を北西へと歩いて行
く 雨は小止みになっていた
静かな湖面を見ながら歩いた
湖岸路がU字になって大きく曲がる所から取り付
いた
最初は沢沿いを歩いた 沢が消えると、尾根を目指した まだ歩き易か
った
次第にヤブ状になってきた 途中から俄然厳しいヤブとなった 前方に見えるのは258mピークのようだった
尾根を歩くようになっても、ずっとヤブコギが
続いた 灌木にササ、イバラが混じる
灌木が疎らになって少し歩き易くなったとき、
樹間から山頂の反射板が眺められた まだ距離
があった
雨が強くなってきた 山頂までまだ1時間はか
かりそうなので、登頂は諦めて下山の途につい
木立の空いた所を適当に下るうちに、沢筋を歩
くようになった
下り着いた位置は、往路の取り付き点の一つ西
のカーブ地点だった
雨の中、とぼとぼと湖岸路を戻って行った