TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
畑山    はたやま 311.6m 姫路市
 
1/2.5万地図 : 笠原
 
【2012年9月】 No.4 2012-90(TAJI&HM)
 
    神谷川に架かる砂川橋の近くより  2012 / 9

 神谷ダム湖畔から畑山を目指すのも悪くないのではと考えて向かったのは、2012年6月の末日だった。昼から雨の予想を信頼したのだが、ダム湖に着く前に、もう小雨が降り出した。畑山へは尾根歩きで近づこうと、少し離れた位置から山すそに取り付いたのだが、この考えは間違っていたようで、尾根は全くのヤブだった。想像以上の厳しいヤブコギとなった上に雨足が強くなったため、次第に登高意欲がしぼんでしまった。結局、山頂への登山道に出会う前に断念してしまった。そのリベンジ登山は冬の季節にでもと考えていたのだが、実行したのは3ヶ月後の9月下旬のこと。少し遠出でもと考えていたのに、その日の空は薄晴れとも薄曇りとも言えるもので、視界はモヤが強かった。その空を見て、遠くに出かけるよりも近くの山に登ろうと考えた。多少のヤブコギ程度でもと思ったときに、畑山が思い浮かんだもののである。
 ダム湖までは飾東町小原新側から車道が通じているが、前回は草刈り作業が行われていたためか、入口が進入禁止になっていた。今回は大丈夫だろうと車道の入口に着いてみると、やはり進入禁止で、入口にクサリが張られていた。どうも常時進入禁止になっているようだった。そこで前回と同様に近くの大歳神社に車を回して、そこの駐車場に駐車とした。神社の前から始まる道を歩いて車道に出ると、そこからダムの堤防までは20分程の距離だった。堤防を西へと歩いて、ダム湖に沿った湖岸道路を歩いて行く。車でダム湖まで来られるようであれば散歩を楽しむ人も居りそうだったが、車道に入れないとなれば、誰とも会わず静かなものだった。前回は早めに尾根歩きを始めようとして厳しいヤブに突っ込んでしまったので、その前回の取り付き点よりも先のカーブの位置で取り付いた。前回に下り着いた地点だった。尾根に出るまでは軽いヤブコギ程度だったが、尾根に着いてきついヤブコギとなった。どうも今少し西寄りに向かうべきだったようだが、後の祭りだった。また要らぬヤブコギをすることになった。灌木をかき分けるだけで無く、イバラに引っかかったりシダヤブに突っ込んだりと、前回と同じ苦労となったが、この日は雨が降っていなかっただけ幸いだった。そのきついヤブも、暫くすると抜け出して、雑木の間を無理なく歩けるようになった。その辺りで前回は断念したのであり、この日はそこより尾根歩きを始めるのが、本来の予定だった。雑木の間を縫うように歩いて行くと、突然のように登山道に合流した。登山道として十分に道幅があり、目印の赤テープも点々と付いていた。これで一気に楽になった。合流点の先で急坂が始まったが、その登山道でやっかいなことが起きた。それは蜘蛛の巣で、数メートル歩くごとに目の前に現れた。それも払えば済むことなので、ヤブコギよりはずっと楽と言えた。小さなピークを越すと、尾根はごく緩やかになった。南西方向には山頂が見えている。また東の方向が開けることがあり、王神峯が望めた。尾根が緩くなっても、相変わらず蜘蛛の巣を払いながらの登山道歩きが続いた。山頂が近づくと少し傾斜が増してきたが、大したことは無かった。周囲はごく普通の雑木林で、視界を塞いでいた。もうそろそろ山頂ではと思えたとき、反射板が現れた。その敷地を囲うフェンスに沿って登ると、旗振り台だったと思える岩が現れた。その先は平坦地になっていた。山頂の一角に着いたようだった。笹地の広がる中を登山道が一本の線のように伸びていた。その山頂で一番高いと思われる所に二等三角点(点名・太尾)が置かれていた。山頂は陽射しが良く当たっていたが、適度な木陰もあり、そこで休憩とした。涼しくなったとは言え、まだ気温は25℃程あり、けっこう汗をかいていた。その汗を山頂を渡る風が鎮めてくれた。昼食を済ませて一息つけたところで、展望を探ってみることにした。登山道は北東へと続いており、そちらに少し歩いてみると、西の方向が開けたものの、ひどいモヤの視界で、遠くは全く判然としなかった。かろうじて七種山の輪郭が分かる程度だった。引き返して反射板へと向かった。反射板を囲むフェンスは一部が壊れており、そこより中へ入ることが出来た。その中に立つと、姫路セントラルパークの敷地内が、けっこう広く眺められた。また南に広がる山並みも一望だった。山頂では昼寝も少し楽しんで、12時半過ぎに下山開始とした。下山は登ってきた登山道を引き返して、登山道のままに下ることにした。どこかでダム湖の湖岸路に通じているのではと考えてだった。登って来るときに蜘蛛の巣は払っていたので、下山は楽だった。それでも何度か蜘蛛の巣に引っかかった。もう修復を始めていたようだった。往路での合流点を過ぎると、北東方向にダム湖を望めることもあった。いずれはダム湖への道が現れるのではと思っていると、どうもそれらしき小径は現れなかった。次第にダム湖から離れ出して、はっきりと西に向かい出した。もうダム湖への道は無いと諦めて、往路で登山道に合流した地点まで戻ることにした。そして合流点に戻ると、ダム湖の方向へと下って行った。始めは少しヤブコギをしたものの、途中からは空いた所が現れて、そこを辿って行った。途中で目印にも出会ったが、その目印とは関係なく下ると、小さな沢に沿うようになった。そこは前回の下山でも歩いた所だった。沢沿いを歩くと、程なく湖岸路に合流した。後は湖岸路を歩いてダムの堤防側へ、そして駐車地点へと戻って行った。
(2012/10記)(2020/12改訂)
<登山日> 2012年9月29日 9:44大歳神社スタート/9:51車道に出る/10:09ダム堤防の東端/10:37山すそに取り付く/10:51尾根に出る/11:16登山道に合流//11:48~12:33山頂/13:07登山道を進むのを諦めて引き返す/13:23登山道を離れてヤブ尾根へ/ダム湖を目指して適当に下る/13:36湖岸道路に出る/14:02ダム堰堤の東端/14:21エンド。
(天気) スタート時は薄曇りから薄晴れの空だった。登るうちに陽射しの広がることもあった。山頂ではほぼ薄晴れとなる。その後は雲が厚くなって、曇り空に変わってきた。ダム湖に下り着いたときは、一時雨がぱらつきも、また曇り空となる。気温は25℃ほどで、蒸し暑さがあった。尾根ではほとんど風は無かったが、山頂では僅かに受ける。モヤの強い視界で、近くでも薄ぼんやりとしていた。
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スタートは前回と同様に大歳神社からとした 大歳神社のそばの溜め池を見る 神社から車道の方向に向かう小径を歩き出す
小径の先は車道に繫がらず、車道の下を潜った 竹林に出て、その中の踏み跡を辿った 無事に車道に出た
一般車は進入禁止とあって静かな車道だった 道そばにアケビの実を見る 左手から別の道が合流するとダムまで500m
だった

 神谷ダムが見え
 てきた

 ダムの堤防の東
 端に着いた
ダムの堤防を西側へと歩いて行く 神谷ダムのダム湖を眺める

 堤防から南側を見
 ると、足下に養鶏
 場が見えていた

   桑原山の手前には
   姫路セントラルパ
   ークが見えていた
堤防を渡りきると、ダム管理の建物があった ダム湖の湖岸路を北西へと歩いて行く 右手にダム湖を見ながら歩いた
前回の取り付き点を通り過ぎる 前回の下り着いた位置から山すそに取り付いた 疎らな灌木林の中を登って行く
途中から傾斜がきつくなってきた 尾根に着いたとき、ダム湖を見下ろした 畑山へと尾根歩きを始めたが、きついヤブだった
シダヤブも現れた  暫く歩くと、疎らな雑木林に変わってきた 登山道に合流する
260mピークへとやや急坂を登る 登山道を
歩くようになって、蜘蛛の巣が煩わしかった
ピークを越すと緩やかな道となった 道は優し
かったが、常に蜘蛛の巣を祓いながら歩いた
尾根は展望が悪かったが、一度、東側が開けた
南西には山頂そばにある反射板が見えていた また周囲は樹林が囲むようになった 山頂が近づいてもあまり傾斜はきつくならなかった
反射板を囲むフェンス沿いを登る 反射板の先で旗振り台だったと思える岩を見る ササ地の中を山頂に近づいた
山頂に着いて三角点を見る 三角点は二等三角点(点名・太尾)だった 山頂の樹林を見る この木陰で昼休憩とした

 登山道は山頂を越
 して北西へと続い
 ていた

 北西方向へ登山道
 を少し歩くと展望
 が現れたが、ひど
 いモヤの視界だっ
 た
 
引き返して、反射板に向かった 反射板は近畿地方建設局のものだった 反射板を囲むフェンスの一部が壊れていた
反射板の敷地に入ると、東から南、南西まで広々と眺められた

 善防山の方向を見
 ると、小さなピー
 クが幾つも見られ
 た

   志方城山の方向を
   大きく見る
高山の背後に高御位山が僅かに覗いていた 姫路セントラルパークの遊具施設が眺められた 増位山の方向を見る

 下山は登って来た
 登山道を引き返し
 た

   下っていると北に
   展望の広がること
   があった
坂戸山と神前山の並ぶ姿を見る 260mピークを過ぎて、急坂を慎重に下る 往路での合流点を過ぎて、登山道なりに歩いた
前方に暮坂峠の北に延びる尾根が眺められた ダム湖に向かう道を見ないままにダムから離れ
出した
登山道を引き返して、往路の合流点まで戻って
きた
登山道を離れて、ダム湖を目指す 始めはヤブ
だった
次第にヤブは減って歩き易くなった 目印テープを見たが、気にせずダム湖を目指し
下るうちに枯れ沢に沿って歩くようになった 湖岸路が見えてきた 湖岸路に出る 往路の取り付き点に近い位置だった
空はすっかり暗く、僅かだが雨粒が落ちてきた 後は湖岸路を歩いて、駐車地点へと戻った 大歳神社に戻ってきたとき、ヒガンバナを見る