TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨 
 
畑山    はたやま 311.6m 姫路市
焼山     やけやま 210m
 
 
1/2.5万地図 : 笠原
 
【2017年5月】 No.5 2017-51(TAJI)
 
    《畑山》 焼野池の近くより  2017 / 5

 畑山への登山道は北から続いているのだが、その記憶が曖昧になってきた。そこで神谷ダム湖から登るものの、下山は登山道をしっかり最後まで歩いてみることにした。向かったのは2017年5月のゴールデンウィーク後半の一日だった。この日は快晴とあって、もっと北の山に向かいたかったのだが、前日に但馬の山を登っており、二日続けて移動に時間を使いたくなく、そこで畑山の登山道を探ることにしたものである。この日もパートナーは仕事に出かけたため、三日続けての単独登山だった。畑山への登りは神谷ダム湖側からと考えており、その神谷ダム湖へは牧野キャンプ場から向かうことにした。その牧野キャンプ場に入ると、連休中とあって大勢のキャンパーで賑わっていた。牧野キャンプ場は全国的に名が知られているのか、北海道ナンバーの車も九州ナンバーの車も見かけた。そのキャンプ場の最奥まで車を進めて駐車とした。そこは登山口のそばだった。登山口の標識を見ると「展望台まで0.7km、光景寺山まで0.6km」と書かれていたが、神谷ダム湖のことは無かった。それでもそばの案内図を見ると神谷ダム湖にも焼山にも道が通じていた。目的は神谷ダム湖だったので、その登山口から遊歩道を登り始めた。始めはスムーズに歩けたので易しくに湖岸に出られるものと思っていたところ、次第に荒れてきた。どうやら歩く人は少ないようだった。このときよからぬ考えが浮かんだ。どうせ荒れ道を歩くのなら適当に尾根を越えて湖岸に出ようとの考えで、手頃な斜面に取り付いた。軽いヤブコギ程度で登って行けたので、すぐに尾根を越せそうと思っていたところ、途中から俄然ヤブになってしまった。しかもイバラ混じりの灌木ヤブでハサミで切り開きながら進むことになった。引き返せば良かったのだが、それも面倒に思えて前進を続けると何とか尾根に出た。そこに見たのは易しい尾根道で、それを歩いて着いた所は焼山の山頂だった。焼山への道は山頂までで、神谷ダム湖に下りる道は無かった。そうなると引き返さなければならなかったのだが、またよからぬ考えが浮かんだ。また適当に下って湖岸道路に出ようとの考えだった。そこで南の方向へと尾根なりに歩いた。始めは少しヤブっぽい程度だったが、途中からまた灌木ヤブにイバラが混じり出した。そこを抜け出すと、足下にダム湖の風景が広がった。眺めは良かったが、急斜面を下ることになった。それも最後は垂直に近い法面だった。その法面の下り易そうな所を下ったのだが、足を滑らしてしまった。とっさに木に掴まって難を逃れたが、大怪我をするところだった。それでもそこを下るしかなく、法面にかけられた金網にしがみついて何とか湖岸道路に下り着いた。後は湖岸道路を歩いて畑山に近づき、見覚えがあるはずの地点から登山道に向かうだけだった。それがまたしてもヤブコギをすることになってしまった。見覚えのある地点から斜面に取り付いたつもりだったが、取り付き点の記憶が曖昧だったため、一つ違う谷筋に入ってしまった。そのためヤブ尾根に入ることになり、これまで以上のヤブコギになってしまった。確かそのヤブ尾根は5年前の登山時にも歩いており、そのときも大いに難儀していたのに、同じ誤りを繰り返すことになった。自分の学習能力の無さに呆れてしまった。それでもそのまま進めば登山道に出会えることは分かっていたので、遅々とながら尾根歩きを進めた。途中で昼を大きく過ぎていることに気付き、270mピークのヤブの中で昼休憩とした。木々の隙間からは畑山の山頂に建つ反射板が見えていた。尾根歩きを再開して260mピークを越えた先で登山道に合流した。歩き始めてから3時間近く、湖岸道路を離れてから80分が経っていた。何ともむだな努力をしたものである。もう後は楽々だった。登山道は適度な歩き易さで畑山へと登って行くと、小さなピークに出た。そこは山頂から東に300mほど離れた地点で、好展望地になっていた。足下には姫路セントラルパークが見えており、その背後には桑原山、更に家島諸島も眺められた。そこにベンチが置かれていることを見ると、人の訪れも多いように思われた。登山道に戻って西へと歩くと反射板が現れて、その先は幅広い切り開き道となった。そこは麓からも見えていた防火帯で、麓にある火薬工場(日本火薬)の敷地を限るものだった。その防火帯の中に二等三角点(点名・太尾)を見た。雰囲気の良さは以前よりも増しており、そこを山頂と呼んでも間違いは無さそうだった。防火帯の周囲に広がる自然林の佇まいはちょっとした絵になる光景で、しかも新緑の盛りとあっていっそうの美しさだった。木陰もたっぷりあり、涼しい風に吹かれながら暫し憩いのときを持った。その山頂こそ展望は無かったが、防火帯を少し西に下ると開けてきて、市川流域の山並みが一望となった。遠くは笠形山も見えていた。さて畑山の山頂に立って、ようやくこの日の本題に入ることになった。山頂から北へと続く登山道をずっと歩くことだった。反射板の横を通り、往路で出会った位置を過ぎてもどんどん北へと尾根なりに歩くと、次第に神谷ダム湖から離れ出した。幾つかの小さなピークを越しながら進んで行くと、歩く方向は北西から西へと変わり、最後は南に向かった。そして下り着いた所は太尾キャンプ場の手前にある中池と奥池の間だった。キャンプ場に通じる道に出て西へと歩くと、ゲートが現れた。そのゲートには「許可なく立ち入ることを禁ず」の標識がかかっており、どうやらこのコースは一般的では無いようだった。。太尾集落が近づくとまたゲートがあり、集落に入ると城山の山裾道を歩いた。そしてずっと山裾を歩く形で牧野キャンプ場へと戻って行った。キャンプ場の駐車地点に戻ってきたのは16時半のこと。結局この日は5時間以上のハイキングになってしまって、予想していたよりずっと疲れて終了となった。
 帰宅後に過去の登山記録を見ると、2005年には登山道を北へと歩いたとき、城山まで歩いていた。この日は城山へのコースが分かれるところで太尾キャンプ場に近づくコースに入ってしまったようだった。次回は紅葉の季節に城山からのコースで山頂を目指して、山頂の広葉樹林の色付きを楽しんでみたいと思った。
(2017/6記)(2020/4改訂)(2023/7写真改訂)
<登山日> 2017年5月5日 11:22牧野キャンプ場の最奥地点よりスタート/12:01焼山/12:29ダム湖の湖岸に出る/12:57湖岸道路を離れる/13:40〜52[270m]ピークで昼食/14:06登山道に出会う/14:17〜20[290m]ピーク/14:28〜54山頂/15:44奥池登山口/16:00城山登山口の前を通る/16:34キャンプ場エンド。
(天気) 快晴。澄んだ空に雲は僅かだった。陽射しは暑かったが、湿度は低いのか木陰は涼しかった。山頂の気温は25℃で、風が快かった。視界は良かった。
<< Photo Album 2017/05/05 >>
牧野キャンプ場の最奥まで車を進めた 最奥の位置から登山道が始まっていた 丸太の階段を登って行く
広い道に出て、西へと歩いた ゲートが現れたので、扉を開けて通過した 標識があって、そこが登山口とされていた
歩く人が少ないのか、ヤブっぽい道だった どうせヤブなら早く神谷ダム湖に出ようと近くの尾根
を越すことにしたが、これは間違いだった
すぐに灌木ヤブに捕まってしまった それでも引き返
さず尾根を目指した
ますますヤブがきつくなってきた 尾根が近づいて、突然展望地が現れた 畑山が少し離れて見えていた

上の写真に写る西
の山並みを少し大
きく見る
畑山の山頂を見る ネスレの工場の背後に見えたのは氷室山のようだった 明神山を大きく見る
何とか尾根に出ると、遊歩道のような易しい道を見た 近くで咲いていたのはモチツツジだった 遊歩道を南東方向へと歩いた

(←)
行き着いた所は
焼山の山頂だっ


 (→)
 焼山からは神谷
 ダム湖の展望が
 あった
畑山の山頂近くに反射板が見えている ダム湖に早く近づこうと尾根なりに南へと歩いた すぐに歩き難くなった
またもやきつい灌木ヤブを進むことになった 突然、前方が開けて、そこに神谷ダム湖を見た
法面を下って湖岸道路に出た 途中で足を滑らせることがあり、大怪我をするところだった 下ってきた法面を見上げると、垂直に近い急斜面だった 湖岸道路を歩いて畑山に近付いた
湖岸道路からダム湖を眺めた 右手に見えたのは牧野キャンプ場からの道と思えた ダム湖の南西側まで回ってきた
黄色い花はエニシダのようだった 南西側からダム湖を眺めた 小さな堰堤が現れて、そこから畑山を目指すことにした
実は取り付き地点を間違って、一つ東の谷筋に取り付いてしまった 畑山の方向を目指したつもりだったが、歩き易い所をなんとなく歩いてしまった ヤブとなってきたことで、登る方向も位置も誤っていることに気付いた
かまわず尾根を目指した そこでもモチツツジの花を見た 尾根に出ると、尾根筋を歩いて畑山に向かった
いっそうのヤブとなった 前方に見えたのは270mピークのようだった シダヤブも現れて、遅々として進まなかった
270mピークに着いて遅い昼休憩とした 木々の空いた所から山頂を見るも、まだ距離があった 昼休憩を終えてヤブコギを再開した
260mピークの先で漸く登山道に合流した 登山道を歩き出すと、ヤマツツジの花を見た 後は道なりに歩いて行くだけなので気楽だった
上り坂となって開けた所を通過した 登山コースから少し離れた300mピークに立ち寄った そこは展望が広がっており、ベンチも置かれていた
桑原山の左手に見えていたのは姫路セントラクパークだった 姫路セントラルパークを大きく見る
上の写真に写る大藤山を大きく見る 桶居山を大きく見る 桑原山を大きく見る

(←)
南東に志方城山
を見る

 (→)
  東に善防山を見
  る
登山コースに戻って山頂を目指す 鞍部を過ぎて登り返すと反射板が現れた 反射板のそばに岩場があり、そこが最高地点だった

反射板から先の尾
根筋は防火帯とし
て幅広く刈り払わ
れていた

防火帯を緩やかに
下って三角点の位
置に着いた

そこを山頂と呼ん
でも良さそうだっ

二等三角点(点名・太尾)を見る 山頂の広葉樹林が作る風景は何とも優しげだった 緑の色も新緑の盛りとあって素晴らしかった
頭上も若葉が広がっていた 防火帯の南側は日本化薬の敷地のようで立入禁止だった 防火帯は北西へと続いており、少し歩いてみた
すぐに前方が開けてきた 雪彦山、七種山の尾根が一望となった

上の写真に写る七
種山の辺りを大き
く見る

立つ位置を変える
と北から北東にか
けてが眺められた
明神山の方向を大きく見る 反射板の位置に戻って来ると、瀬戸の島が眺められた
反射板のフェンス沿いを歩いて下山に向かった 下山は登山道のままに北へと歩いた 前方が開けて北の方向が眺められるときがあった
笠形山を大きく見る 里山道の雰囲気で登山道は続いた 登山道は神谷ダム湖には近づかず北に向かった
北西に向かうようになると太尾キャンプ場の建物が見えた 最後は南に向かうようになった 前方に溜め池が望めた
中池と奥池の間にある土手に出てきた 奥池を眺めた
太尾キャンプ場に通じる車道に出て西へと歩いた ゲートが現れた ゲートを抜けて振り返ると、立入禁止と書かれていた
中池を右手に見た 車道は木陰道になっており、良い雰囲気だった 「入山禁止」の立て札もあった
またゲートが現れた それを抜けて太尾集落に入った 集落の中を抜けて行く 途中で北に向かうと城山の登山口が現れた
山裾道を歩いて北へと向かった 広い道に出てきた 古い道標があり、「ひめじ」の文字が読めた

(←)
県道117号線に
合流して北東へと
向かった

 (→)
  県道からは笠形山
  が望めた
牧野キャンプ場の標識が現れたので、それに従った 山の方向へと近づいた 牧野キャンプ場に入る手前に新池があった

(←)
新池のそばから北
西方向を眺めた

 (→)
  牧野自然公園へと
  入った
牧野自然公園の案内図を見る キャンプ場は賑わいがあった キャンプ場の最奥に止めている車が見えてきた