TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
倉掛山    くらかけやま 311.7m 姫路市夢前町
 
1/2.5万地図 : 姫路北部
 
【2013年11月】 No.2 2013-95(TAJI)
 
   夢前町町村より  2013 / 11

 姫路市夢前町の南東部では置塩山(城山)が目立っているが、夢前川を挟んで対岸に立つ倉掛山も小ぶりながらも姿の良い山で、東岸側から裾野を引いた優美な姿を眺められる。その倉掛山には1997年に登っており、ヤブ山だったことと展望が少なかったことで、再訪したいほどの魅力は感じなかった。その倉掛山も16年が経ったことで、もう一度登っても良いのではの気持ちが起きてきた。改めてどの程度のヤブだったかを確認したくなった。向かったのは2013年11月最後の日曜日でのこと。前日までの出張で疲れがたまっており、片道1時間ほどの近場の山を登って体をすっきりさせたいと考えたとき、倉掛山が思い浮かんだものである。この日は快晴だった。その雲のほとんど見られない空を見て、これならもっと展望を楽しめる山にすべきだったかと思ったが、初心貫徹で倉掛山に向かった。夢前町清水谷に着いて、まずは駐車ポイントを探した。それは4階建てアパート(雇用・能力開発機構 夢前宿舎)の前に一台分の駐車可能なスペースを見たので、そこに駐車とした。但しアパートは廃墟になっていた。その敷地もフェンスで囲って入れないようになっていた。前回は登山口が見つからず、適当に山裾に取り付いたのだが、一応は山裾を歩いて改めて登山口を探すことにした。車道を行ったり来たりしたものの、やはり登山口は分からなかった。そこで今回も適当に山すそに取り付くことにした。アパート前の車道を斎場のある北西方向に歩いて行く。右手の山裾を注意していると、緩やかになった所が現れたので、そこから取り付くことにした。斜面を登り出すと、軽いヤブコギ程度で登って行けた。進む方向を東に定めて、早く尾根に出ることを目指した。シダが目に付きだしたが、足で払う程度で進めた。そして山裾に取り付いてから10分ほどで尾根に出た。そこには尾根道があり、後は北北西方向へと尾根を辿って行くだけだった。その尾根歩きの様子は下の写真帳を見ていただきたいが、ごくスムーズに歩ける所があるかと思うと、シダのはびこる所もあった。シダの部分もヤブとまでは言えなかったが、一カ所はシダヤブになっており、そこは迂回した。尾根の印象としては、前回よりも歩き易いと思えた。実際に尾根のヤブが減ったと言うよりも、この16年でこちらが山慣れをしてきたことによる感じ方の違いと思えた。尾根の木立は低山だけに常緑樹が多かったが、落葉樹は色付きが進んでいた。あと一週間もすれば見頃になりそうだった。展望に関してはやはり悪く、右手の樹間から夢前川がちらりと見える程度だった。その展望の悪さも山頂が近づくと、南東方向が開けて、氷室山の姿がすっきりと眺められた。また南向かいの書写山も眺められるときがあった。西の方向はずっと樹林が閉ざしていたが、それではと木に登ると、新龍アルプスが遠望出来た。山頂に立ったときは、尾根に出てから50分が経過していた。結局最後まで尾根道は続いていたので、尾根にさえ出れば問題の無い山と言えそうだった。その倉掛山の山頂は低山にしてはけっこう広く平らになっており、また木立も少な目のため、休むには手頃な所だった。但し、展望は無かった。三角点は中央には無く、少し東寄りのササが広がっている所にあり、四等三角点(点名・倉掛山)だった。陽射しが当たる明るい所で休憩とした。その辺りには紅葉の見頃を迎えた木が見られた。下山は辿ってきた尾根道をすんなりと引き返すことにしたが、興味は尾根道がどこから始まっているかだった。NHKの共同アンテナの位置を過ぎ、往路での尾根合流点を過ぎると、そこからはこの日初めて歩く部分だった。尾根道を更に辿ると少し上り坂があり、広場のようなよこな所に出た。そこにはNHKの夢前清水谷無線中継所と書かれた無線塔が建っており、尾根道はそこまでだった。無線塔が建つ限りは別の道があるはずだと辺りを探ると、南西方向に電柱が見えて、麓へとケーブルが下りていた。またそちらの方向に細々と小径が始まっていた。「姫路北部」の地図に描かれたジグザグの破線路はその道のようだった。小径のままに下って行くと、途中からはっきりとした道になり、けっこうすんなり下っていけた。この調子なら見つけられなかった登山口に出られるのではと思っていると、麓が目前となったとき、いきなりと言った感じで笹ヤブになってしまった。そこで右手に抜け出すと、そこは廃墟となったアパートの敷地内だった。そこを抜け出して、小径が続いていたと思われる方向に回ってみると、登山口と思える所は住宅と住宅の間で、そこはフェンスで閉じられていた。そのフェンスが無くとも小径の痕跡は無かった。どうも山裾は住宅の敷地でもあるようなので、倉掛山の尾根に出るには、やはり適当に山裾に取り付くしかないようだった。
(2013/12記)(2021/3改訂)
<登山日> 2013年11月24日 10:10スタート/10:14山裾に取り付く/10:23尾根に出る/10:42NHKアンテナ/11:14〜11:42山頂/12:13NHKアンテナ/12:26〜33清水谷無線中継所/12:42エンド。
(天気) 快晴の空で雲はほとんど見られなかった。風は無く、陽射しが快かった。樹林の中では気温は13℃ほどだったが、陽射しの当たる場所は17℃ほどあった。視界はまずまず良かった。
<< Photo Album 2013/11/24 >>
この廃墟となったアパートの近くに駐車とした 北西にある斎場へ通じる車道を歩き出した 山裾がなだらかになった所より取り付くことにした
緩やかな斜面を軽いヤブコギで登って行く シダが現れたが、足で軽く払えば進んで行けた 山裾に取り付いて10分ほどで尾根に出た
右手の樹間を通して、夢前川が足下間近になが
められた
シダが現れて小径を隠すことがあったが、ここ
も足で払う程度で進めた
このようにごくスムーズに歩ける所の方が多か
った
落葉樹の紅葉が進んでいた 展望の悪い尾根だったが東に氷室山が眺められた NHKの共同アンテナが現れた
尾根道をシダが隠すことが多くなった シダが少ない所はスムーズに歩けた 前方に山頂が望めるようになった
一ヶ所厳しいシダヤブが現れた そこは迂回した 何の問題も無く歩ける所との繰り返しだった 山頂に近づいて尾根の傾斜が増してきた

 南東方向に展望
 の開けるときが
 あった

   氷室山を大きく見
   る
上の写真に写る畑山を大きく見る 紅葉とシダのコントラストを見る 樹林の切れ目が現れると山頂は間近だった
背後を望むと南向かいの書写山が大きかった 書写山をすっきりと眺める 仁寿山の辺りを大きく見る

 山頂が目前となる

   山頂に着いた 一
   帯はけっこう広く
   平坦になっていた
三角点は山頂の東寄り、笹地の中にあった 四等三角点(点名・倉掛山)を見る 山頂の紅葉は見頃だった
下山では展望を得るため、山頂から少し下った所で手頃な木に登って西を見た 左の写真に写る新龍アルプスを大きく見る
上の写真に写る伊勢山を大きく見る 他にも氷室山から書写山までを眺められる所があった
右上の写真に写るヤマサ蒲鉾の工場を大きく見る 尾根道の起点はどこかと興味を持って下った NHKの共同アンテナの位置まで戻ってきた
往路の尾根合流点を過ぎて、更に南へと尾根道
を辿った
少し上り坂になる所があり、その先は開けてお
りNHKの夢前清水谷無線中継所が建っていた
尾根道はそこまでだった 辺りを探ると、南西
方向に電柱が麓まで数本建っているのが見えた
その方向へは小径も始まっていた 下るうちに道ははっきりしてきた その道が麓が間近になってササヤブになってし
まった
右手に広場が見えたので、そちらに抜け出た そこは廃墟となった団地の敷地内だった 尾根端に回ってみると、フェンスで閉じられていた