日本海を望める山を探していたとき、ネット情報で豊岡市竹野町の城山、別称竹野城山が日本海の好展望を楽しめる山だと知った。登山コースもあるようなので、早速向かったのは2023年7月の最終土曜日のことだった。連日猛暑が続いており、この日も朝から30℃を越す暑さになっていた。城山は竹野町の海岸線より少し離れているので、どのルートが早く近づけるかとナビをセットすると、円山川左岸路から城崎温泉を通るルートを走ることになった。城崎温泉内を入っていると、ちょうどチェックアウトの時間帯だったようで、宿泊客が宿先で見送られていた。以前よりもずっと外人客が多いように思われた。その城崎温泉を抜けると、鋳物師戻峠を越して竹野町に入った。竹野川のそばに出ると対岸の山が城山であることがすぐに分かった。その城山の山裾の集落、草飼地区に入って駐車地点を求めたが、無難な所は見つからず、そこで集落を抜けて北へと走った。そして草飼踏切のそばに手頃な駐車スペースを見つけた。そこからは南へと集落を抜ける車道を歩いて行く。既に気温は34℃になっていた。暑い盛りとあって集落はひっそりとしていた。登山口があるであろうと思われる枝道に入ると、民家の先であっさりと登山口標識に出会った。後は登山道を歩いて行くだけだった。すぐに害獣除けゲートが現れて通過する。その先は谷筋を歩くようになり、周囲は竹林となった。その辺りはコースのはっきりしない所があったが、注意深く歩くとまた小径ははっきりして、竹林から離れることになった。支尾根を登るようになり、周囲は自然林だった。木陰の多いのは助かったが、気温はと見ると30℃を越えていた。出来るだけゆっくり歩いてバテないことを心がけた。それでも陽射しを多く受けることもあり、バテ気味に登ることになった。支尾根が主尾根に合流すると、そこには標識があって今坂峠の名を見た。主尾根を南に向かえば城山で、北に向かえば今坂峠に出るようだった。城山を目指して主尾根を南へと向かう。緩やかな上り坂だったが山頂まで700mほど登ることになるので、あくまでもゆっくりと登った。そして息が上がりかけると出来るだけ小休止をとった。その主尾根歩きに移ってから展望の現れることがあって日本海も眺められたが、あくまでも木々の切れ目からの狭い範囲だった。その尾根歩きを続けていると「あと少し」標識が現れた。もう山頂まで僅かな距離だったが、そこでも小休止をとってからおもむろに山頂へと向かった。本当に僅かな距離だったようで、数分と歩かず山頂に到着した。山頂は広く開けており、三等三角点(点名・多田)が埋まっていた。そして期待に違わぬ好展望が北に向かって広がっていた。また木陰の多い山頂でもあったので、展望を楽しむ前にまずは木陰で一休みとした。その山頂の木陰が尾根で休憩をしていた所よりもずっと涼しかった。風が通っている上に気温も30℃を切っており、良い感じで休めることになった。十分に息が整うと、展望を楽しもうと陽射しの中に入った。日本海の風景の中で目立っていたのが猫崎半島で、竹野海岸も一望だった。山頂は南北に長く延びており、南へとまだ小径がほぼ平坦なまま続いていた。それを辿ってみると南端の位置がまた展望地だった。東から南、そして西へと、三角点ピークよりも展望は良いように思われた。その南ピークでも展望を楽しむと、三角点のそばに戻って改めて一休みとした。結局、山頂では1時間半ほど過ごすことになった。下山はすんなりと往路コースを戻るのみ。下り坂の上に山頂で十分に休んでいたので、下山は休憩を必要とせず下って行けた。そのため登山口まで32分で戻ってきた。往路の55分とは大違いだった。麓は相変わらずの炎天下で、その陽射しをまともに受けながら駐車地点へと戻った。
(2023/8記) |