神戸市の山は電車利用で登山口に向かえる山がたくさんあるが、標高が低く一番手軽に楽しめるのは須磨浦公園駅の背後の山並み、鉢伏山に始まって旗振山、鉄拐山、栂尾山、そして核心部の横尾山と続く須磨アルプスではと思える。その手軽さが分かっているのだが、どうも神戸の山となると人の多いイメージがあり、なかなか足が向かず、この須磨アルプスも1996年12月に登って以来とんとご無沙汰していた。それを2009年12月の正月が近くなった26日に13年ぶりに再訪した。
この日は休日ながらパートナーは仕事となり、しかも車を取られてしまった。そこで電車沿線で半日程度楽しめる山はないかと考えて、須磨アルプスが思い浮かんだものである。コースとしては前回と同様に須磨浦公園駅から歩き出そうと考えて、JRを明石駅で下りて山陽電鉄に乗り換えた。昼どきのローカル線はがら空きで、ゆったりとした社内で「須磨」の地図を眺めていた。そして須磨浦公園駅辺りの地形を眺めていたとき、一つ手前の塩屋駅から旗振山へ向かう破線路が目に付いた。特に須磨浦公園からのコースに拘っていなかったので、むしろまだ歩いていないコースを歩きたくなり、急きょ予定変更で、塩屋駅で下車した。その山陽電鉄塩屋駅を出たものの、登山口への案内標識は見えず、そこで適当に東へと歩いて行った。旗振山の山裾はすっかり住宅地になっており、細い道が入り組んでいた。どうも2万5千分の1の地図では役に立たなかった。そこで道を歩く人に尋ねると、親切な人で、近くに見える「しおや保育園」を目指せば登山道に入ることを教えていただいた。その「しおや保育園」を目指すと、その前の道は東へと向かっていた。「旗振山登山道」の標識が現れると山王神社の前を通り、自然と登山道に変わった。これでもう安心。後は登山道のままに歩いて行くだけだった。この道が旗振山への塩屋コースと思っていると、少し登ったとき右手から別の道が合流した。そしてその道は塩屋駅から来ている標識が付いていた。どうやらそちらの道が塩屋駅からの最短コースだったようである。旗振山の塩屋コースには二つの登山口のあることを知った。この先の行動は写真日記として下記にまとめたので、山中の行動は省略するが、最後は東山から登山口のある横尾の住宅地へと下山とした。旗振山からはずっと六甲全山縦走路を歩いていたことになる。下山後は車道を15分ほど歩けば地下鉄妙法寺駅に着いてハイキング終了となった。この日は視界の悪かったことが少し残念だったが、意外と静かな山歩きを楽しめて、終始マイペースで歩けたのは良かった。
(2010/1記)(2019/2写真改訂) |