2024年2月に須磨アルプスを目指して須磨浦公園駅をスタートした。始めは快晴の空だったが、次第に雲が増えてきて、更に身を切られるような冷たい風を受けた。鉄拐山まで来たとき、北に広がる黒い雲を見て横尾山に向かう気持ちが萎んでしまった。そこで歩くのは鉄拐山までとして、鉄拐山からは須磨の町へと向かい、JR須磨駅でこの日のハイキングを終了した。ただ一度須磨アルプスを歩こうと決めた気持ちはその後も残っており、続きのハイキングをしようと改めて出かけたのは、3ヶ月後の5月に入ってのこと。
この日は終日晴れの予想が出ていた。降り立った駅は山陽須磨駅で、まずは一の谷橋を目指した。北西方向へと適当に住宅地を抜けて行くと、すんなりと一の谷橋に着いて、須磨浦道と名付けられた登山コースに入った。標識が的確に付いているコースを鉄拐山を目指して登った。登山道は新緑に包まれていた。そして登山口から24分で、鉄拐山の山頂に着いた。いつしか空は薄晴れ状になっており、柔らかい陽射しを受けた。いよいよ前回の続きだった。まずは北へと下るのだが、階段を下った先で尾根はウバメガシ林に包まれるようになった。その常緑樹林帯はなかなかの美しさだった。おらが茶屋の先も長い階段の下りだったが、そこに100人ほどと思える女子学生の集団が歩いていた。これは誤算だったが、幸にも高倉台の商店街を歩く中で追い抜くことが出来た。栂尾山への長々と続く階段を休まず登ったことで集団との距離をとると、後は再びマイペース登山だった。栂尾山の山頂で小休止をとると、横尾山へと向かった。その尾根道もウバメガシ林となっており、改めてその美しさを楽しんだ。横尾山では小休止をとらず、すぐに須磨アルプスに向かった。連休中としてはハイカーは意外と少なく、おかげで足を止めることも無くスムーズな岩場歩きが出来た。そして東山に着いて昼休憩とした。東山から先は通常は板宿へと下山するのだが、この日は高尾山を通るコースを下ることにした。始めに板宿コースを歩き、その途中で高尾山コースに入るのだが、その分岐点には妙敷きも目印も無かった。GPSが無ければ見過ごしてしまったのではと思えた。高尾山コースは細いながらもはっきりとした道で、荒れた風の所は無かった。ただマイナーコースのためか、メインコースとは全く違って、ハイカーに出会うことは無かった。そのコースに分岐点が二カ所あり、そこを見誤らず高尾山を目指した。高尾山の手前のピークに着くと送電塔(鷹取支線7番)が建っており、高尾山にも送電塔(鷹取支線8番)を見た。高尾山はごく小さなピークで、山名標識が無ければ高尾山と認識出来ないのではと思えた。高尾山を過ぎると、程なく高尾台の住宅地に下り着いた。登山口に標識は無かった。そこから目指すのは東須磨駅だった。下り着いた近くに高尾台公園があり、そこで現在地をGPSで確かめたところ、今歩いている車道では東須磨駅に出られないことが分かった。それも抜け道のような細い道があって、東須磨駅に通じる車道に出ることが出来た。後はその車道をひたすら下って大通りに出ると、東須磨駅の標識が現れて、すんなりと東須磨駅に到着となった。前回の宿題を片付けた思いになれたが、それとは別にこの日のルートで、須磨の町は改めて坂が多いと思った。
(2024/5記) |