丹波市市島町と福知山市の境、いわゆる兵庫丹波と京都丹波の境となる尾根に室山がある。その室山から荒木山までの県境尾根を縦走しようと向かったのは、2023年5月中旬のことだった。上空に雲を見ない快晴の日だったが、誤算は気温が異常に高かったことで、室山の麓に着いたときは既に30℃になろうとしていた。「福知山東部」の地図を見ると室山の南麓に小さな溜め池があり、そのそばから破線路が山頂まで描かれていた。その道を歩こうと溜め池に近づくと、その手前で木陰になっている駐車スペースを見たのでそこに駐車とした。駐車地点から溜め池までは数分の距離だった。溜め池に着くと、そのそばから地図通りに小径が始まっており、最初の部分は鉄梯子になっていた。送電塔があることを示す標識を見たので、登山道はどうやら巡視路でもあるようだった。鉄梯子は最初だけで、後はやや急坂の山道が続いていた。周囲は雑木林になっており、木陰の中を登るためか多少暑いと思える程度で登って行けた。それも尾根が緩んで陽射しの当たる所が現れると、さすがに暑く30℃は越しているのではと思えた。標高250mまで登ると近くに送電塔(北摂長田野線139番)を見たので立ち寄ってみた。そこは展望があって、西に五台山を見た。振り返って東を見ると次の送電塔が見えており、その送電塔まで伐採地になっていた。どうも植林のための伐採ではなく、送電経路の確保のための伐採のようだった。登山コースは伐採地ではなく、そのそばの雑木林の中で続いていた。登山コースに戻って山頂を目指すと、次の送電塔(北摂長田野線140番)の手前で伐採地に出た。伐採地を改めて眺めると、地表はワラビで青々としていた。陽当たりが良いためにワラビ畑の様相になっていた。また伐採地とあって展望は良く、南の方向が広く眺められた。伐採地の登りはさすがに暑く、けっこう汗をかくことになったが、送電塔のそばを通ると再び樹林帯へと入った。程なく県境尾根に着くと、そこは室山の山頂から見て東に数十メートルほど離れた位置だった。そのためすぐに山頂到着となった。二等三角点(点名・下竹田)が置かれた山頂は樹林に囲まれており展望は無かった。その樹林帯の中でも気温は28℃まで上がっており、これから更に気温が上がることを考えると、縦走をするのは厳しいと思えてきた。無理はしたくなく、そうなると往路を引き返して下山するのみだった。但し山頂からは140番鉄塔まで南斜面を直線的に下った。そして伐採地に出ると、少しばかりワラビ採りを楽しんだ。後は忠実に往路を辿って下山とした。麓に着くと30℃を優に越える暑さになっていた。
(2023/6記) |