天下台山への主なコースは岩屋谷公園からの岩屋谷コースと東部墓園からの西コースと思われるが、どちらも遊歩道と呼べそうな易しい道なので、山歩きとして楽しむには少々物足りないと言えそうだった。そこで里山歩きとして天下台山を楽しもうと、少しマイナー感のある北尾根コースを歩くことにした。向かったのは2018年の大晦日のこと。天気予報では晴れとなっていたが、当日の空は雲が広がっていた。それでも曇天と言えるほどでもなく、一部に青空も覗いていた。車を止めたのは岩屋公園の駐車場。そこから山裾道を北へと墓地に沿って歩くと、墓地の端で山道が始まっていた。そこが北尾根コースの登山口だった。その登山道は里山道と呼ぶのが適切な小径で、ヤブになることも無く続いていた。最初のポイントは15番鉄塔で、朝の光で明るい相生市街が眺められた。その先で現れたのがとんび岩だった。見る角度によってはトンビの頭にも見てとれる岩で、岩の上に立つと足下に岩屋池をすっきりと見た。他にも北の山並みも眺められたが、遠方は雪雲が広がっているようではっきりしなかった。その先で一度下ったがすぐに上り坂となり253mピークを越すことになった。前方に天下台山を見るようになり下り坂に入った。また樹林帯に入り4番鉄塔のそばを過ぎると、程なく西コースに合流した。その合流点から10分ほど登って天下台山の山頂に到着となった。その山頂に着いてベンチで休憩とした。曇り空とあって寒々としていたが、いっとき雲が割れて陽射しの現れることがあり、そのときはほのかな暖かさに包まれた。その山頂で瀬戸の風景など暫し展望を楽しんで過ごしたが、陽射しが再び現れる気配が見えないため下山に移った。下山は天下台山で一番易しいと言えそうな岩屋谷コースを下ることにした。往路の北尾根コースでは誰とも会わなかったが、こちらは終始遊歩道と呼べる道が続くので登ってくる人とときおりすれ違った。急ぐこともなくゆったりと下ると、山頂から45分で公園駐車場に戻ってきた。
(2019/1記) |