冬場になると陽光を浴びながら瀬戸の風景を楽しみたくなるが、西播磨にはそれに適した山が幾つかあり、御津山脈の雄鷹台山もその一つではと思っている。その考えで2020年2月、一年で一番寒い季節に雄鷹台山に向かった。この日は気温は低いものの快晴の空だった。雄鷹台山だけでなく、久々に野瀬奥山まで歩こうと考えていた。そこで駐車地点は鳩が峰とした。その車を止めたそばから雄鷹台山の登山道が始まっていた。前回の登山は2018年で、8月に登ったためか登山道は少しヤブっぽく感じたものだったが、冬場となって雑草が減ったのかけっこうスムーズに登って行けた。始めに常緑樹林の中を登って、最初に現れた雌雄大岩を過ぎると、期待通りに陽光を浴びながらの登りとなった。軽く汗をかく程度だったので、良い感じの登りだった。そして登山口から25分で展望岩に着いた。そこはたっぷり陽が当たっており休むには良い所だったが、野瀬奥山までのピストンを考えていたので、休むのは下山時として足を止めずに先へと進んだ。すぐに境界尾根に合流すると、そこから10メートルと歩かず雄鷹台山の山頂に着いた。相変わらず展望の全く無い山頂だった。そこからは尾根筋に沿って野瀬奥山へと向かったが、小径の痕跡は無くなっており、灌木ヤブの中を歩くことになった。ただ目印テープは残っており、それを確認しながら進んだ。程なくダイセル化学との境界を示す鉄条網に沿って歩くようになった。鉄条網は境界尾根の上を続いていたので、尾根筋から離れる心配は無かった。ただずっと鉄条網に沿ってとはいかず、ヤブが現れると目印テープに従って尾根筋から少し離れた所を歩いた。鞍部に着いて登り返すと、ヤブの度合いは少し増したようで、シダだけでなくイバラも混じってきたのは少々煩わしかった。登るうちに後方に展望が現れて、すっきりと雄鷹台山が眺められた。登るうちに尾根の傾斜は増してきて、けっこう汗をかいての登りとなった。そして登り着いたピークは野瀬奥山の山頂ではなく、手前の290mピークだった。またヤブコギを続ける形で尾根筋を歩いて行く。少し下ると山頂への上り坂に入った。山頂に着いたときは雄鷹台山を離れてから50分が経っていた。そこも展望の無い山頂だった。もう昼が近い時間になっていたが、昼休憩は山頂でとらず290mピークの南斜面にある展望地でとることにした。暫時の休憩で引き返すと、290mピークを越して南斜面に入った。そして展望地に着くと小さな岩に腰掛けて昼休憩とした。その頃には上空の雲は少し増えていたので、そこから見える雄鷹台山の尾根は陰っていることが多かった。昼食を終えると雄鷹台山へと戻り、そして予定通り山頂に近い展望岩で改めて休憩とした。足下は大浦湾で、午後の光を受けて海は光っていた。その休憩の後は淡々と登山道を下って鳩が峰の登山口へと戻って行った。
(2020/2記) |