神前山に関しては標高330mとして「播磨 山の地名を歩く」に紹介されていたので、東西に長い山頂部の中央ピークを山頂と捉えていた。ところが「市川ぶらり散歩道」では山名自体が千束山として紹介されていたので、少々混乱したものだった。更に南尾根の岩座があるピークを神前山として山頂を千束山としている情報まであった。それもどうやら中央ピークを神前山と呼び、別称で千束山とすることで落ち着いてきたようだった。岩座のあるピークは単に岩座とだけ呼ぶようだった。更に標高も測量されたのか333mと改められていた。気になったのは呼び名で、「かむさきやま」に改められていたが、これは以前からの「かんざきやま」で良いのではと思っている。その神前山が登山道も整備されたようなので、久々に登ろうと向かったのは2023年2月の最終日曜日のことで、それも午後に入ってからだった。前回と同じく二之宮神社の駐車場に車を止めた。駐車場には立派な案内板が立っており、登山口の方向を示す標識も立っていた。おかげで本殿の横から始まる登山道にすんなり入ることが出来た。その登山道だがすぐに尾根筋に出ることは無く少々くねくねとしており、途中からは尾根筋から少し離れた感じで北へと続いていた。道としてははっきりしており、道なりに歩いて行った。その登山道が尾根筋に向かうようになり、南尾根上に出るとそこには大きな送電塔(播磨線101番)が建っていた。そこは岩座のあるピークのそばだった。岩座のピークは山頂とは反対の南の方向に見えており、まずはそのピークに立つことにした。ピークまでは僅か50メートルの距離しか無く、ごく短時間でピークに着いた。そこにあった小ぶりの岩が岩座で、注連縄が張られており御神酒が供えられていた。すぐに送電塔へと引き返して山頂を目指した。尾根はずっと緩やかで至って歩き易かった。但し展望は無くひたすら山頂に向かって歩くと言った感じではあった。青空が見えこそすれ雲の多い空で、ほぼ陽射しの無いまま歩いていたが、山頂が近づく頃より陽射しを受けるようになった。山頂に着いたときも陽射しはあり、明るい山頂を見ることになった。以前の記憶から展望は良くないと思っていたのだが、どうやら木々が伐られたようで展望の良い山頂に変わっていた。それは東から南東にかけての展望で、間近に日光寺山が眺められた。その神前山の山頂部は東西に長くなっており中央部辺りに立っていたのだが、東のピークにも西のピークにも立ってみることにした。先に西ピークへと向かった。小径があり緩やかに下って緩やかに登り返すと、着いた西ピークは少し開けており、北の方向に展望があった。山頂では見えなかった笠形山を見ることが出来た。また入炭山の左手に真っ白な頂が望めた。どうやらフトウガ峰のようだった。その西ピークから引き返して山頂に戻ると、そのまま東ピークへと向かった。そちらは登山コースでもあるのではっきりとした小径があり、すんなりと東ピークに着いた。そこも開けており、西ピークと同様に北に向かって展望があった。東ピークの方が広い範囲で眺められて、北西の七種山がすっきりと望めた。神前山の山頂展望を楽しむと、下山は千束コースを下ることにした。それは東ピークの位置より始まって東麓の千束登山口に至るコースで、初めて歩くコースでもあった。二之宮神社の案内板にも描かれていたコースなのだが、いざ歩いてみるとこれがけっこうマイナーコースだった。斜面に無理やり作ったと言った感じのコースで、細々としている上にジグザグ道になっており、目印テープを追わなければコースを外れそうになった。その上、斜面を横切る形で歩くため、滑り易さもあって足下に注意を必要とした。それでもまずは無難に麓へと下りてきたのだが、車道が間近になったときコースがはっきりしなくなった。更にその辺りはイバラが多くあって、それに引っかかることになった。何とか突っ切って車道に出たが、手入れがされていないだけでなく歩く人もほぼいないのではと思えた。後はJR播但線沿いの車道をひたすら歩いて二之宮神社へと戻った。千束コース登山口から二之宮神社までは20分の距離だった。
(2023/3記) |