2022年の年末に福崎町の春日山に登ったとき、この鷹取山が目を惹いた。背後の谷山の尾根は大きかったが、鷹取山は端正な姿で存在感があった。その鷹取山は八葉寺からはごく簡単に登れるようだったが、地図を見ると鷹取山の東尾根にずっと破線路が描かれていた。八葉寺コースも歩きたかったが、東麓の矢田部からの東尾根コースも大いに興味があった。そこでまずは八葉寺から鷹取山の山頂に立ち、そこから東尾根コースを下ることにした。麓に着いた後は矢田部コースを引き返すか車道をひたすら歩いて八葉寺に戻るかは、そのときに考えることにした。
向かったのは2023年1月の第三金曜日のこと。終日晴れるとみていたのだが、晴れとは呼べても雲の多い空で、空の半分以上に雲が広がっていた。雲は更に増えようとしていた。八葉寺に着くと暫し寺の佇まいを眺めてから登山コースに入った。コースは本堂の右手から始まっていた。登山道の標識は無かったが、自然歩道の標識が立っていた。すぐに尾根に出ると、後は尾根歩きで北へと向かった。八葉寺と鷹取山との標高差は120mでしかなく、しかも道幅は十分にあり易しいコースだった。但し展望は無かった。20分少々で鷹取山の山頂に到着となった。山頂も周囲をすっかり樹林に囲まれており展望は無し。その山頂には少し離れた位置に祠が置かれていた。その祠には説明板があり、「鷹取山元日登山由来」が書かれていた。祠のそばで暫時の休憩を終えると、東尾根を下ることにした。赤テープが付いていたのでそれを追うと、東尾根を離れて北東方向に下っていることに気が付いた。あわててGPSで現在地を確認すると、東尾根へと軌道修正した。東尾根に乗ると地図通りに尾根道があるのを見た。また尾根に着いた位置からは展望があって、南東方向が眺められた。そちらで目立っていたのは畑山だった。尾根道ははっきりしており、ゆったりと下って行けた。注意することは落ち葉の量が多いことで、滑らないよう注意する必要があった。尾根の途中には小さなピークがあり、その登りはやや急坂だった。そのピークを過ぎると送電塔(溝口線35番)出会った。まずは無難に下れたが、麓が近づくと害獣避けフェンスに阻まれた。はっきりとした扉は無く、じっくりフェンスを見て一部のフェンスが外れる構造になっていることが分かった。フェンスを抜けると二つのお堂建つ境内に出た。お堂に祀られていたのは薬師如来と地蔵菩薩だった。その境内の先は農道だった。山裾には他にも清瀧大神と白瀧白瀧大神が祀られた小さな社も建っていた。そこに着いて帰る方法として再び鷹取山の山頂に立つことにした。始めはヤブっぽい尾根ではと危惧していた東尾根が、けっこう易しく歩けたことが理由だった。落ち葉に注意しながらも休まず登ると、40分ほどで鷹取山の山頂に戻ってきた。東の方向は青空だったが、上空は雲が広がっていた。そのため暗い山頂になっており、何となく通過点の雰囲気に感じられた。後は八葉山まで緩やかな下り坂だった。そして20分も歩けば八葉寺が見えてきた。
(2023/2記) |