TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
高ズッコ    たかずっこ 337.0m 姫路市
 
1/2.5万地図 : 前之庄
 
【2008年6月】 2008-54(TAJI&HM)
 
   東麓の小坪集落より  2008 / 6

 ごく低山でも形良くまとまっておればちょっと目を惹くもので、この高ズッコがそうだった。姫路市の北西、旧夢前町にある「ゆめさきの森公園」を久々に訪れたのは2008年5月の下旬だった。空模様が思わしくなく、どんよりとした空を見て遠くに出かけるのは諦めて近場で体を動かそうと訪れたものだが、その尾根から見える景色は薄ぼんやりとしており、風景として楽しめるものでは無かった。そのあいにくの天気の中で目を惹いたのが高ズッコだった。西の空に小粒ながら鋭い姿は端正で、ごく近い位置に見えていたこともあってちょっと瞠目させられた。地図を見ると三角点もあり、一度は登ってみようとの気持ちを抱かされた。その高ズッコを目指したのは二週間後の6月最初の土曜日だった。
 この日は晴れの予想だったが、それは薄晴れ程度で、北の空は薄曇りから曇りと言っても良さそうだった。視界もモヤのきついもので、二週間前の「ゆめさきの森公園」を訪れたときと似たような天気だった。そこで思いついたのが高ズッコだった。展望を期待するよりもどのような山なのかとの楽しみがあり、すんなりと訪れることにした。ただ小さな山なので、時間が許せば「ゆめさきの森公園」の前回に歩き残した所を続きで歩こうとも考えた。そこで駐車地点は「ゆめさきの森公園」駐車場とした。車道を引き返す形で歩き出す。坪川沿いの車道まで戻って北へと歩いて行く。地図を見てアプローチは南東麓の神社そばからと考えていたが、その神社への道を勘違いして行き過ぎてしまった。その引き返すときに農作業中の人を見かけたので、山のことを聞いてみた。このとき初めて「高ズッコ」の名を聞いたのだが、ヤブ山で登山道は無いはずだと聞かされた。ただごく低山なので道の有無は気にせず、予定通り神社からアプローチすることにした。その神社は若王子(じゃくおうじ)神社で、大きな夫婦杉と立派なモミジの木が目に付いた。また周囲に立つ杉の木のほとんどの樹皮が剥がされていたのも珍しかった。高ズッコの主稜は南北に走っているが、その尾根へ東から近づく支尾根に取り付こうと、神社の裏手より適当に登り始めた。裾野は手入れの悪い植林地だったが、ヤブと言うことも無く軽く枝を払う程度で登って行けた。支尾根に出ても尾根は緩やかとあって気楽だった。周囲の木々は雑木林となり、落ち葉が尾根を隠していた。常緑樹が多いためか薄暗さのある尾根だったが、程なく主稜に合流すると明るくなった。そして荒れ気味ながらもそこには尾根道が付いていた。主稜歩きになっても尾根は相変わらず緩やかだった。途中にシダの茂る所が現れるも長くは続かず、再び歩き易い道になった。山頂が近づくと傾斜が増すと共にちょっとヤブっぽくなった。それもヤブコギと言うほどでも無く、無理のない感じで山頂に着いた。山頂は一部の木が切られて明るくなっており、その切られた位置からは書写山が覗いていた。但しモヤのために薄ぼんやりと見えていた。どうもその展望を得るために木が切られたようで、この山頂を気にかけている人がいるようだった。ただ切られた木が一帯に放置されており、山頂はちょっと雑然とした雰囲気になっていた。何となくB級の山頂と言った感じだった。まずは初めての山を無難に登って来られたことに一安心だった。昼が近いとあって軽く昼食とした。ただ長居をしたくなるほどの山頂でも無いので、昼食を済ますとすぐに山頂を離れることにした。始めの予定では引き返して「ゆめさきの森公園」に向かうことにしていたが、尾根の続きに興味がわいて、そのまま北へと尾根を辿ることにした。地図を見てその先の鞍部から東の大坪集落にある溜め池の辺りに出ることにした。その北へと緩やかに下り出すと、こちらは登って来た南尾根よりもずっと歩き易かった。尾根の小径は道幅も十分で、木々も空いていた。こちらが高ズッコの主ルートではと思えるほどだった。そして15分ほど歩くと展望の岩場に着いた。そこはすっきりと西から北へと展望が開けており、暫しの休憩とした。やはり高ズッコの山頂に立つのは、この北尾根の方が面白そうだった。その展望地を過ぎると鞍部への下りが始まった。鞍部に着いて東の斜面へ入ると、そこには細々とながら小径が続いていた。その小径のままに下って行くと、裾野が近づいて植林地に入った。その植林地では小径が分かり難くなったが、適当に下るうちにまた小径を歩くようになり、程なく作業道の終点に合流した。作業道を歩いて行くと溜め池のそばに出て、そしてお食事処「こころね」のそばを通って坪川沿いの車道に出た。そこからは車道を南へと歩いて「ゆめさきの森公園」に戻るだけだったが、ここで東の尾根越えで駐車地点に戻るアイデアを思いついた。高ズッコだけでは運動量として物足りないと思っており、さりとてここで「ゆめさきの森公園」ハイキングを始めるのも時間的に少ないと思っていたので、これでちょうど良い運動量になりそうだった。さっそく実行することにした。地図を見ると東の尾根の西麓に神社があり、そこから尾根を越すとうまく通宝寺池に出られそうだった。少し歩くとその神社の鳥居が見えた。鳥居を潜り石段を上がって神社の前に出た。神社の名は若宮八幡宮で、そのそばより尾根に向かって踏み跡程度の小径が見えていた。高ズッコより200mほど下って来て再び200mほど登り返すのはやはり足には負担のようだった。やや急斜面と言うこともあって、重くなった足をゆっくり進めて行った。小径は中腹を過ぎても続いていたためそのまま尾根まで行けるかと思い出したとき、急にシダが増えてきた。そして道が隠されるようになった。登るほどにシダヤブ状態となってこれは厳しくなるかと思っていると、また様子が変わって岩場の前に出た。辺りは少しゆったりとしており、その先にははっきりと登山道が見えていた。まずはシダヤブを抜けたことで一休みとした。その岩場が好展望地だった。高ズッコが前方にすっきりと見えており、その北の一段高い高森までが一望だった。後は登山道をごく気楽に登って尾根に出た。そこには尾根道があったが、尾根を越すだけなので東斜面へと入った。そちらに小径は見えなかったが、樹間が空いていたのでやや急斜面をを木に掴まりながら適当に下って行った。下るうちに傾斜は緩くなり、ごく自然な感じで「ゆめさきの森公園」の遊歩道に下り着いた。そして予定通りに通宝寺池の湖畔に出ることが出来た。そこには湖畔の散策を楽しむ人や野鳥観察にいそしむ人など、公園でくつろぐ風景が広がっていた。それにしてもこの尾根越えの方が高ズッコ登山よりもずっと疲れたようで、もう十分に運動をした思いとなって駐車場へと戻って行った。
(2008/6記)(2021/12改訂)
<登山日> 2008年6月7日 10:36ゆめさきの森公園駐車場スタート/11:00〜05若王子神社/11:13支尾根に出る/11:22主稜に合流する/ 11:37〜12:00山頂/12:16〜36岩場の展望地/12:40鞍部/12:47作業道終点に出る/13:00若宮八幡宮/ 13:12〜17展望地/13:25〜32尾根に出る/13:46通宝寺池/13:56エンド。
(天気) 薄ぼんやりとした曇り空。雲の形ははっきりしなかった。麓の気温は21℃と適度だったが、湿度は高かった。尾根では涼しい風を受ける。山頂の気温は22℃、風がいっそう涼しかった。但し視界はモヤがかっており、少し離れた山はうっすらとしていた。
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若王子神社の鳥居に近づく 神社に近づくと杉の樹皮が剥がされていた 若王子神社には見事な杉の木が立っていた
始めに支尾根を登るが、無理なく登って行けた 主稜に出ると、そこに尾根道を見た 尾根にはシダの茂る所もあった
概ね尾根道は歩き易かった 山頂は伐採の木もあって雑然としていた 山頂の四等三角点(点名・小坪)を見る

 山頂は南東の木々
 が切られており、
 書写山が望まれた

    山頂から南西方向
    を見る 梢越しに
    伊勢山が望まれた

 山頂を離れて北へと
 尾根を辿る 南側よ
 りずっと歩き易い尾
 根道が続いていた

 北尾根の途中で岩場
 の展望地に出会う
岩場からは西から北へと広く展望が開けていた

(←)
上の写真の葛城
山を大きく見る

 (→)
  展望地より北東方
  向を見る
大坪集落へと下ってため池のそばに出た 大坪集落より高ズッコを見上げる 尾根越えをしようとまずは若宮八幡宮の前に出た
八幡宮のそばから登り始めるとシダヤブとなったが、抜け出ると展望地が待っていた 高ズッコを大きく見る

 展望地の先は登山道
 が尾根に続いていた

 尾根を越して反対斜面
 を下ると、通宝寺池の
 湖畔に出た