祇園嶽を亀池経由で登ろうと向かったのは、2017年5月のことだった。駐車地点は市野保集落を抜けた先にある墓地の空き地とした。この日は晴れの予想だったが、前日の雨の影響が残っているのか、朝の空は雲が多かった。まずは林道を西へと歩いた。始めは標識を見なかったので、枝分かれ道に入らないように広い道を歩くことを意識して進んだ。そのうちに標識が現れて、それに従って歩くことになった。新池方向と亀池方向との分岐点まで来ると、亀池への山道に入った。始めはやや急傾斜だったが、登るほどに少し緩んできた。登山道の途中では小さな沢に沿って歩いたが、登山道が水の流れになっている所もあった。亀池が近づくと沢筋から離れることになった。亀池に着いたときは分岐点から20分少々経っていた。亀池は標高350mにあり、祇園嶽よりも高い位置だった。陽射しをいっぱい受けて明るい湖面を右に見ながら土手道を歩いた。東の方向へと主尾根に向かうと奇岩が二つ現れた。亀岩と蛙岩だった。主尾根に着くと、そこは標高370mで亀山まで1kmだった。この日は亀山には向かわず、祇園嶽へと反対方向に歩いた。それは北に向かってで、基本的には下る方向だった。尾根筋も歩いたが、尾根筋から少し離れて歩くこともあった。祇園嶽手前の鞍部まで来ると、そこから右手方向となる東斜面に登山道が分かれた。前回も歩いた水布祢コースだった。。その鞍部から50mほど登り返して祇園嶽の山頂に立った。そこには三等三角点(点名・祇園山)があり、そばの標柱を見ると「布祢神社跡地」の文字が読めた。標柱の上部は無くなっていたので、正しくは「水布祢神社跡地」ではと思われた。三角点の少し先は岩場となっており、そこは行き止まりの絶壁だった。そのため展望はすこぶる良く、北西から南西まで遮るものは無かった。その頃には上空の雲は減っており、おかげで明るい風景になっていた。但し、この日の視界は少しうっすらとしており、瀬戸の海ははっきり見えなかった。その展望のことよりも、そこは涼しい風があって、休む上では絶好の場所だった。15分ばかりの休憩を楽しむと、下山は鞍部に戻って、そこから水布祢コースに入った。ちょっとマイナーな道で、道幅が非常に狭くなることがあって慎重に下ったが、ヤブになることも無く下って行けた。ところが中腹辺りよりシダが増えてきて、道に被るようになった。そのため軽いヤブコギとなってしまった。どうも歩く人は少ないようだった。それも麓が近づくとヤブは無くなり、最後は林道に下り着いた。その入口には「登山口」と標識が付いていた。その林道を始め南の方向へと歩いたのだが、そばの小川をなかなか越さなかったので引き返して北へと歩いた。そして途中より駐車地点に近づこうと樹林の中に入って適当に歩いたが、その辺りは灌木ヤブだったので、少しばかりヤブコギをすることになった。樹林帯を抜け出ると辺りは畑地で、程なく車道に合流した。もう駐車地点の墓地まで100mも無かった。
(2017/6記)(2020/4改訂) |