角尾山に初めて登ったのは2001年の12月のことで、その山頂の佇まいと解放感が気に入ったものである。その角尾山の再訪は11年後となってしまったが、2012年のお盆休暇の初日、8月11日の土曜日のことだった。お盆休暇では遠くに出かけることを考えていたのだが、その連休を狙ったように天気の悪化が予想されたため、連休中は仕方なく近くの山で過ごすことにした。暑い季節は大いに汗をかいて、その後で温泉に入って汗を流すのも悪くないので、その考えで山を探して決めたのが角尾山だった。角尾山を南西麓の光明寺集落側から登り、下山後に滝野温泉「ぽかぽ」に入ろうとの考えだった。
この日はどんよりとした曇り空だった。光明寺集落に入ったものの、適当な駐車場所が見つからないため、少し離れていたが、集落の北にあった溜め池のそばに駐車とした。集落に戻ると「高倉・奥の谷コース」の標識があり、それに従うと自然と登山道を歩くようになった。但し入口には害獣避けの柵があり、その扉を開けて中に入った。後は東へと続く道を登って尾根に出ると、そこからも角尾山の方向にはっきりとした尾根道が続いていたので、歩くことに関しては問題無かった。その登山の様子は下の写真帳でご覧いただくとして、この日誤算だったのは天気だった。何とか曇り空のままで続いてもらいたかったのだが、尾根歩きに移ってから小雨が降り出した。そこで雨具を着ての登山となった。ただでさえ蒸し暑いのに雨具を着たものだから、大汗をかいての登山となってしまった。尾根は起伏を繰り返すものだから、山頂が近づく頃にはけっこうバテがきていた。そして山頂に着くと、周囲はガスが漂っており、すっかり雨の風景だった。蒸し暑さとバテで立っているだけなのもやっとだったので、堪らず草の上に寝ころんだ。雨が降っているのも気にせず横になっていると、疲れからそのまま寝込んでしまった。1時間ほど寝ていたであろうか、その間に雨は小止みとなっていた。少しは疲れは取れたようで、漸く周囲を眺める余裕が出てきた。着いたときよりも少しは視界は良くなっており、ガスに閉ざされていた南や西の方向も見えるようになっていた。寝ていたこともあって山頂では1時間20分ほど過ごしていた。そして下山は、登って来たコースをすんなりと引き返した。起伏の多い尾根と言っても基本的に下る方向なので、特に疲れることもなく麓に戻ってきた。駐車地点から滝野温泉までは、車だと数分の距離。温泉に入ってすっかり汗まみれの体をきれいさっぱりと出来たのは本当に気持ちの良いもので、夏の登山も悪くないと思ってしまった。
(2012/8記)(2021/2改訂) |