阪神高速7号線は京都府以東を目指すときに良く利用しているが、箕谷辺りを通過しているときは丹生山系の眺めを楽しんでいる。その辺りにパーキングでもあれば、ぜひその山並みをパノラマで眺めてみたいと思ったりもした。そこで丹生山系をじっくり眺められる山として注目したのがシブレ山だった。シブレ山の山頂には電波塔が建っており、そこまで管理道路が通じていた。その管理道路のどこかで展望が開けているのではと期待して向かったのは2004年の五月連休の最終日のこと。午前は用事があって、午後の登山として向かうことになった。
箕谷ICで降りると、県道85号線をを西へとつくはら湖を目指して走った。やはり近すぎると住宅地が視界を遮ることになり、阪神高速から眺めるほどの展望は得られなかった。山田小学校の近くでまずまずの眺めを得ただけだった。衝原トンネルを抜けると、すぐに山頂への道が分岐したが、その入口にはクサリが張られていた。その道を進む気は始めから無かったので、その前の空き地に駐車とした。車道を登って行くだけなので気楽だった。この日の午前は雨の混じる天気だったが、昼からは急速に回復しており、登り始めた頃には洗われたような青空が広がっていた。山の緑が明るい光に輝いていた。ごく簡単に山頂に立てそうだったので、のんびりと進んでいると、道ばたにちらほらワラビが目に付いた。ここにもワラビがあるのかと思った程度だったが、登るほどに良く見るようになった。地元で知られている所なのか多くは摘まれていたが、まだまだ残っていたので少少しばかりワラビ採りを楽しんだ。30分ほど歩くと、山頂そばに建つシブレ無線中継所の前に出た。そこまでに少しは展望が現れることを期待していたのだが、中継所の手前で一度だけ北西方向が眺められただけだった。その展望はと言うと、北の空はまだ雨雲が残っているようで、ごくうっすらとしていた。何とか笠形山から千ヶ峰へと続く尾根が分かった。無線中継所も木々に囲まれて展望は無かった。その無線中継所の東側が少し高くなっており、その頂がシブレ山の山頂だった。そこへと向かえる小径は見当たらなかったので、適当にイバラが混じる斜面を登って行くと、はっきりとした登山道に出会った。山頂に繋がる道と確信して辿ると、ごく僅かな距離で山頂に到着した。三等三角点(点名・衝原)が設置された山頂には、幾つか山名標識がぶら下がっていた。そこは周囲を樹林が濃く囲んでおり、展望は全く無かった。その山頂でもちらほらワラビが目に付いたが、多くは摘まれていた。どうやらシブレ山はワラビ山のようだった。期待していた丹生山系の眺めは諦めることにしたが、少しは展望を得たいと登れそうな木に登ってきた。見えたのは東の方向で、山頂そばまでゴルフ場が作られていた。鹿行国際GCのようだった。その背後は六甲山系の山々だった。その展望を得て、漸くシブレ山の位置を把握出来た。暫時の休憩を終えると、再び管理道路を歩いて駐車地点へと戻った。この日は管理道路歩きでシブレ山を登ったため簡単過ぎる登山となったが、山上には送電塔の巡視路もあるようなので、そちらの道を歩くルートにすれば、少しはハイキングをしている雰囲気が得られるのではと思えた。
(2004/5記)(2025/5写真改訂) |