2017年に入ったばかりの3日は、加西市の丘と呼べそうな小山を訪れることにした。山の名は向山で、標高は160mほででしかなかった。どうみても一時間程度の散歩になりそうだったので、その近くの山をもう一つ登ることにした。そこで「北条」の地図を見て選んだのが加西市の北部、下芥田町の西にある標高349mの四等三角点ピークだった。その349mピークを念のためにネットで調べてみると、「大字子山」の名を見たが、どうも大字(おおあざ)子山と読めてしまい、ピンと来なかった。そのためここでは点名・谷田として記すことにした。予定通り向山を登り終えたのは11時前のこと。途中コンビニに立ち寄ったりしていたので、下芥田(しもげた)町に入ったときは、11時半が近い時間になっていた。向山に登っていたときは晴れていた空だったが、北から薄黒い雲が広がろうとしていた。車は登山コースに近い県道369号線上に止めて、そこより地図の破線路が始まっている位置へと向かった。頭上を送電線が走っており、送電塔が幾つか東の斜面に建っているのが見えた。芥田川に架かる小橋を渡ると、作業道が山の方向へと続いていた。その作業道から巡視路となる小径が左手に分かれているのを見た。そこが登山口と言えそうで、入口には害獣避けゲートが設けられていた。巡視路へと入ったが、もうその頃にはすっかり曇り空になっていた。しかも薄黒い雲だった。巡視路とあってプタ階段の所もあったが、周囲は自然林とあってその落ち葉が巡視路を隠していた。そのためコースが分かり難くなっており、目印テープを追うようにして登った。そのうちに尾根を登るようになり、その尾根上で送電塔(播磨線125番)に出会った。そこは少し展望があり、東向かいに見えていたのは鎌倉山だった。その送電塔を後にして少し登った所が330mピークで、山頂の一角に出た感じとなった。そこより西へと歩いて小さなピークに着き、更に南西へと歩くと山頂となる三角点ピークに着いた。ずっと雑木林が良い感じで続いていたが、山頂も雑木に囲まれて落ち着ける所だった。但し、展望は良くなかった。一休みを終えると、少し展望を探ることにした。少し南に移ると、木々の小枝に遮られながらも東に鎌倉山、南には高御位山が眺められた。下山はすんなりと往路を戻ったところ、30分ほどでゲートの位置まで戻ってきた。その頃には上空の黒雲から雨粒が落ちてきた。濡れても気にならない程度だったが、急ぎ足で駐車地点へと戻った。そして車に着いて帰り支度をしていたところ、雨は止みすぐに青空が見えてきた。その後は一気にと言った感じで青空が広がってきて、もう呆気にとられる思いだった。駐車地点を離れて南に向かったとき西の尾根を眺めると、349mピークが快晴の空の下で明るく眺められた。
(2017/2記)(2020/4改訂) |