二度目の伊勢山は2002年5月のこと。その日は朝よりどんよりと曇っており、雨もときおり降る生憎の天気だった。雨は一時は強く降っていたが、午後に入って回復の兆しが見えて来た。そして14時頃には陽射しも現れて来た。その空を見て近場の山へでもと考え、思いついたのが伊勢山だった。前回は下山路として伊勢山の北側にある谷筋を西へと下ったのだが、まずまずの山道だったとの印象が残っており、そのコースを往路の道とすることにした。伊勢山の西麓を通る県道を離れて、伊勢山の北西に向かう林道に入ると、近くに「警察犬訓練所」が出来ていた。車で進める所まで進むと、少し広めの場所に出たので、そこに駐車して歩き始めた。駐車地点よりまだ少し林道は続いていたが、あまり使われていないらしく草深くなっていた。林道が終わってもその先に小径が続いていたが、草が繁茂して道を隠すほどになっていた。前回はこんな荒れた感じは無かったはずで意外だった。進むほどに更に荒れて来た。最後は背丈に近いシダが辺り一面に広がった所で道は消えてしまった。その辺りより登り坂となったが、もうシダヤブをがむしゃらにかき分けて登るしかなかった。なぎ倒すようにして登って行くと、程なく抜け出して辺りは低木帯に変わった。これで楽になったかと思いきや、次はイバラが邪魔をし出した。それにやたらと山椒の木が多く、イバラ以上にやっかいだった。もうヤブコギ登山である。登山道はどこに行ってしまったのであろう。それと雨上がりで木が濡れており、その雫が降り注いでずぶぬれになってしまった。それに適当に登っていたため、途中より傾斜が一段ときつくなり、木にしがみつきながら登ることになってしまった。そのヤブコギ状態での足掻きを20分ほど続けて、漸く尾根に出た。尾根は雑木が茂っていたが、そこにははっきりとした尾根道が付いていた。一息入れて後は一気に山頂を目指す。伊勢山の象徴である神坐の窟に出る手前で本峰へと続く吊り尾根への道が分かれたので、そちらに折れる。やや急坂を登って吊り尾根に出ると、北側が幼木の植林地となって視界が一気に開けた。その展望は後回しにして、まずは本峰を目指す。三角点を持つ本峰は西峰からは300mほどの距離だったが、そこは雑木に囲まれており展望は悪い。すぐに引き返して吊り尾根にある展望地に戻った。まずはそこで小休止。北の山並みは雪彦山辺りはまだ雲に閉ざされていたが、明神山から七種山、笠形山がはっきりと見えていた。それよりも姫路市と安富町、夢前町とを分ける町界尾根の山並みの風景が新鮮だった。暫く立っていると北の山並みにも陽射しが当たり出した。この吊り尾根からの展望では西の方向が見えないので、西峰に移ることにした。そこは前回の記憶通り、まことに素晴らしい展望台だった。瀬戸内方面から北の山並みまで一望である。ただ天気が良いのは北西から北にかけてだけで、的場山や揖保川方面は、雨でも降っているのか煙っていた。まず北の山並みをここでも改めて眺めた。葛城山はここから見るとどっしりと重みある姿を見せていた。その姿を写真に収めようとしたときに、上空に黒雲が広がって来た。とたんに風に冷たさが出て、肌寒くなる。ただ北の空には晴れ間が見えたので、今一度陽射しの中で風景を見たく、その晴れ間が広がるのを待つことにした。30分以上は佇んでいただろうか。それでも晴れ間が広がりそうになかったので、とうとう17時を回ったところで下山とした。下山は目印の付いていた南への尾根で下ることも考えたが、駐車地点のこともあって、往路の方向を辿ることにした。その前に西峰直下にある神坐の窟に立ち寄った。数人なら泊まれそうな広さの窟で、石仏も祀られて神聖な雰囲気だった。暫しその雰囲気に浸った後、北へと尾根を下って行く。往路での到達地点に着く手前で西に向かう小径を見たので、それを下ることにした。はっきりとした道で順調に下って行けたので、前回はこの道を下ったのかもしれなかった。その道も中腹辺りで不確かになったが、気にせず林道方向に向かってヤブコギして下ると、程なく林道に続く小径に下り着いた。どうやらこのコースは、利用者が無いためか荒れてしまったようだった。
(2002/6記)(2011/12改訂)(2020/10写真改訂) |