ガイドブックの「佐用ハイキング」に三原南山が紹介されているが、地図を見るとはっきりとした山の姿では無く、ピークには三角点記号も標高点も無いとあって、紹介されていなければ全く注目されることは無いのではと思えた。但し記事を読むと、山頂からは大型放射光施設のスプリング8が眼下に見えるようだったので、そのことに興味を持って一度登ってみることにした。
向かったのは2016年11月後半の快晴の日のこと。「佐用ハイキング」の記事通りに歩こうと、三原集落の西外れにある荒神社に着くと、車は神社の前にあった駐車場に止めた。そこからは三原集落が少し離れて見えていた。始めに林道を歩くのだが、林道の起点はごく近くにあり、害獣避けゲートを通ることになった。そんおゲートに「三原南山」のプレートが付いており、安心して進んで行けた。緩やかな林道はすっかり落ち葉に覆われており、地表の見えている所はほとんど無かった。紅葉も残っており、いかにも晩秋のハイキングを楽しんでいる雰囲気があった。但し林道は大きく抉れている所もあって、歩く分には問題ないものの車の通行は厳しいように思えた。暫く歩くとまた標識が現れて、左の斜面を登ることになった。落ち葉のために登山道ははっきりしなかったが、目印テープが点々とあったので、迷うことなく登って行けた。そのうちに自然と尾根を辿るようになった。そして「第一展望所」の標識が現れた。尾根筋を離れて展望所へと東に歩くと、すぐに展望所に到着となった。共同アンテナが建つ展望所は、少し失望された。なるほどスプリング8は近くに見えていたが、雑木がその間に多くあり、展望が良いとは言えなかった。すぐにコースに戻って南へと歩いた。前方が若干高くなっており、そこが三原南山の山頂で、第二展望所だった。落ち葉を踏みしめながら山頂に立つと、そこはすっきりと東が開けており、まさに眼下にスプリング8を眺められた。その素晴らしい眺めに、第一展望所は必要ではなく、ここだけを展望所と呼んで良いのではと思った。快晴とあってスプリング8に囲まれた三原栗山の紅葉が美しかった。その風景を眺めながら早めの昼食をとった。そして20分ばかりの休憩を終えると、尾根歩きを続けた。北西へとほぼ水平な尾根を歩くと道は二手に分かれて、そこを右手の道に入るとすぐに林道に合流した。始めに歩いた林道だった。相変わらず落ち葉に覆われており、樹林の佇まいも良かった。それが西へと歩くうちに車の轍を見るようになって、その辺りより不法投棄されたゴミを見るようになったのは残念だった。ひたすら緩やかな林道を歩いて行くと、落ち葉は減って周囲はごく普通の山林風景となり、一般車道に合流した。後はその舗装車道を歩いて荒神社に戻るだけだった。ひたすら緩やかな下り坂だったので、ごく気楽に歩いて行けた。途中で三ツ尾集落を通り、更に20分ほど歩くと荒神社が見えてきた。
(2016/11記)(2020/6改訂) |