小さい山で富士型の端正な姿をしていると飯盛山と名の付くことが多いようで、たつの市の飯盛山も福崎町の飯盛山もそれに当てはまっていた。そして千丈寺湖の北東に位置する飯盛山も当てはまるようだった。その三田市の飯盛山を登ろうと向かったのは2016年11月のことだった。天気予報ではこの日は曇り空で雨は午後からとなっていたのだが、近づくうちに小雨が降ってきた。どうも雨の降り出しが早まったようだった。小雨程度ならと予定通り千丈寺湖へと近づき、飯盛山にほど近い小野公園に到着した。小野公園からでは飯盛山を東から見ることになるので、全く富士の姿になっていなかった。そこで一度車を西へと走らせて南側から飯盛山を眺めたところ、そちらからはきれいな富士型で眺めることが出来た。そして改めて小野公園に移動して駐車とした。小雨はぱらつく程度で傘の必要性は無かったが、別の心配があった。それは登山コースを知らないことで、取付地点が分からなかった。それも麓との標高差が160mしかない山だったので、適当に登るつもりだった。そして尾根に出て登山道に出会えるようなら、下山時に尾根道を辿って下山コースを探ることにした。公園から西へと向かうと、まずは黒川に架かる小野橋を渡った。その先はもう山裾だった。そこは急斜面になっていたが、その右手は少し緩やかで木々も密生していなかった。登って行けそうに思えて、その位置より取り付くことにした。ちょっとした灌木ヤブだったが、イバラ混じりでも無かったので適当に登って行けた。但し傾斜の緩むことは無く、木に掴まりながらの登りが続いた。登るうちに樹林がばらけて一息つくことが出来た。また周囲に紅葉した木々も見られるようになり、それを見ながらでもあった。但し展望の開けることは無く、少しあっても東向かいの尾根を見る程度だった。特に危なげもなく登って行くと、山裾に取り付いてから35分で尾根に到着となった。尾根道があり、着いた位置から南へと歩くと、ごく僅かな距離で山頂到着となった。その山頂も展望は無く、ただ三角点を見るだけだった。その山頂に着いた頃より少し雨脚が強くなったので、木陰で雨宿りとした。天気のこともあって展望を探る気にはなれず、雨脚が弱まったのを見て下山を開始した。まずは尾根道のまま北へと歩いた。尾根は緩やかで気楽な下りだった。280mピークとの鞍部まで下ると、そこは麓との標高差は70mほどでしか無かった。そこで尾根を離れて右手の斜面に入った。特にヤブでもなく谷筋に近づくと、そこは伐採地になっており木々は見られなかった。但し足下は刈られた枝が残っており、また泥地になっている所もあって何とも歩き難かった。それでもヤブでも無かったので歩き易い所を選んで下って行くと、無事に車道に出てきた。近くに白い建物があり、それはHIテクノ社の建物だった。後は車道を歩いて戻るだけで、小野橋がさほど離れていない位置に見えていた。
(2016/11記)(2020/6改訂) |