矢筈山は西脇市の中心部に近いとあって西脇市街から良く目立つ山で、矢筈の森公園として整備されたのは2008年のことだった。その矢筈山を初めて登ったのは2003年のことで手探りの形で登ったものだった。そのためその後に公園となった変化は知らなかった。そこで矢筈の森公園も知ろうと久々に向かったのは2019年1月のことだった。
この日は快晴の上、視界も澄んで絶好の登山日和だった。東麓の高田井町に入ると矢筈山の標識が現れて、すんなりと登山口駐車場に着くことが出来た。既に数台の車が止まっていた。駐車場のそばに溜め池があり、その溜め池の角に矢筈の森公園の案内板が立っていた。それを見ると山頂へのコースは二つあるようで、その案内板の位置から西へと歩いた先で分かれるようだった。そこでまずはふれあいロードを西へと歩いた。コースはすっかり遊歩道になっており植林地の中を歩いた。すぐに左手に竜神さんが現れて、その小さな祠に寄り道した。また宮滝や山の神さんを遊歩道の近くに見た。遊歩道が上り坂になった先でコースは二手に分かれた。山頂まで長く歩きたいと往路は直登コースとなる登山ロードでなくどんぐりロードを登ることにした。そこでふれあいロードを直進するとまた緩やかな道を歩くようになった。辺りは明るい雑木林で、まだまだ散策路の雰囲気だった。実際に犬の散歩をしている人に出会った。ふれあい広場の前を通ると山頂に通じるどんぐりロードに入った。少し険しさが出てくると思っていたのだが、全くそのようなことは無くどんぐりロードはつづら折れの道となって緩やかなまま山頂に近づけることになった。そのつづら道が東の方向へと向かったとき、登山ロードと合流した。そこから山頂まで150mだった。その150mはやや急坂になっていたので、漸くしっかり登ることになった。そしてスタートしてから50分で山頂到着となった。山頂には祠があり休憩所が建っていたが、そのことよりも山頂展望の素晴らしさに圧倒された。展望は東に向かってで、足下には西脇市街が広がっており、それと共に背後の山並みが一望だった。遠くは六甲連山や白髪岳も望めた。おまけにこの日の視界は十分過ぎるほど澄んでおり、申し分なしだった。そこにはベンチも置かれていたので、そのベンチに座って朝の清々しい空気感の中で展望を楽しんだ。その矢筈山の山頂は名の通り二つのピークに分かれており、北のピークまでは4分の距離だった。そちらに立ち寄ると三等三角点(点名・矢筈山)を見た。展望もあったが祠のピークよりは劣っていた。その矢筈山の尾根には縦走路が出来ており、北へ向かえば市原峠へ、南は290mピーク経由で緑風台へと下りることになる。今少し歩きたい気持ちはあったが、麓に出て市街地を長々と歩くのは避けたく、そこで黒卵艫Rースに入るものの中間地点となる290mピークまで歩いて引き返すことにした。290mピークは見晴らし台と呼ばれている所だった。山頂に戻ると緑風台コースに入った。それまでの遊歩道の雰囲気は無くなり、純然たる山道だった。しかも290mピークとの鞍部までは100mほど下ることになり、そこはやや傾斜がきついとあってロープを掴んで下ることになった。尾根コースは樹林に囲まれているため展望は無かったが、いかにも山歩きをしている感があって悪くなかった。また道幅は狭かったがヤブになることは無かった。鞍部の先で送電塔(加美町線19番鉄塔)が現れ、そこを過ぎて緩やかに登ると290mピークに着いた。見晴らし台とされていたが、木々の生長のためか展望は良いとは言えず、鳴尾山とその手前の大池を見る程度だった。ただそこには雑木の幹を使ってベンチが作られており、休むには良い所だった。陽射しの暖かさを楽しみながらのんびりと休憩をとった。そして昼休憩を済ませると山頂へと引き返した。今度はロープを掴んでの登りとなったので、少々汗ばみながら登った。山頂に戻ってくると気温は15℃まで上がっており、もう春の暖かさだった。ただ気温が上がったことで視界は午前ほどのクリアさは無くなっていた。下山はもう一つの登山ロードを下ることにした。150m下って分岐点に着くと左手の登山ロードに入った。往路のどんぐりロードはつづら折れの道だったが、登山ロードはそのようなことは無く、ほぼ真っ直ぐ下った。但し急坂ではなくあくもでも緩やかな道で、階段部分もあってやはり遊歩道と言って良さそうだった。途中には大山祇大神の祠があり、そこも好展望地だった。往路コースと合流するといっそう遊歩道状となり、再び植林地に入って駐車地点へと戻って行った。
(2019/3記) |