神戸千刈水源池の東に佇む布見ヶ岳は地図で見ると北面側から破線路が付いており、その小径を辿れば短時間で山頂に立てそうだった。ピークハントならそれでも良さそうだったが、布見ヶ岳の南東側は広い範囲で里山公園になっており、小さなピークには東屋や展望台もあってハイキングエリアになっていることを知ると、そのハイキングの延長で布見ヶ岳を目指すのも悪くないように思えた。近くにはその一帯での最高点となる竜王山もあり、そちらも序での形で登れそうだった。里山公園の名は「宝塚西谷の森公園」で、その園内図を参考にして決めたルートは次の通りだった。あくまでも布見ヶ岳を登るのが目的だったので、公園内では東の谷エリアには入らず、西の谷エリアだけを楽しむことにした。そこでスタート地点は西の谷エリアにある駐車場とした。北へと歩いて農舎のそばより山道に入り、まずは峠の東屋に立つ。そこからは北へと向かい、馬ノ背を通って340mピークに建つ展望台に立つ。そこまで来れば竜王山は近く、その竜王山に向かう。竜王山からは南西へと下って六角東屋の前に出る。そこから漸く布見ヶ岳に向かうことになる。北へと園路の終点位置まで歩き、その先は布見ヶ岳の尾根を目指す。尾根に出ると布見ヶ岳北峰(波豆竜王山)に先に立ち、引き返す形で布見ヶ岳の山頂に立つ。後は南へと尾根を下って駐車場に戻って来るとの考えだった。
この日は始めに布見ヶ岳の姿を眺めようと、布見ヶ岳の北西側、神戸千刈水源池の一番北の位置にある普明寺橋に立ち寄った。そこからは布見ヶ岳とその北隣の330mピーク(布見ヶ岳北峰)の並ぶ姿が眺められた。そして大回りをして布見ヶ岳の南麓側に移動して、宝塚西谷の森公園の西の谷駐車場に車を止めた。まだ9時過ぎた時間とあって駐車場には一台の車も見なかった。そこからのハイキングは概ね予定通りのコースを歩いており、その様子は下の写真帳をご覧いただきたい。茅葺きの農舎のそばから山道が分かれており、丸太の階段道を登って最初の東屋(峠の東屋)に着いた。そこから北へと340mピークに向かって行った。その340mピークに建っている展望台が行く手に見えていた。その展望台との間に岩尾根があり、その岩尾根には馬ノ背の名が付いていた。その名の通りに背筋の形で真っ直ぐな岩尾根だった。展望もあって東の方向がすっきりと眺められた。展望台に着くと小休止とした。展望台は二階建てで、二階に上がると360度の展望が楽しめた。北の方向、間近に見えるピークが竜王山で、北西方向、少し離れて布見ヶ岳も望めた。次に竜王山に向かった。緩く下って行くと道は二手に分かれて、左の道は六角東屋への道で、右は管理棟への道だった。管理棟への道に入ると、すぐに竜王山への小径が分かれた。竜王山への道は公園のエリア外とされており、普通の山道だった。山道に入って7分ほどで竜王山に着いた。山頂には祠があり、北から別の登山道が来ていた。そちらの方は参道のようで、二基の灯籠が立っていた。山頂は木々に囲まれており展望は無かった。竜王山から遊歩道に戻るに当たっては、山道を引き返さず南西尾根に入った。小径は無いものの目印テープがあり、無難に遊歩道に合流した。その遊歩道で緩やかに下って行くと六角東屋の前に出た。そこまで来ると西の谷駐車場まで500mほどの距離だったが、次に向かうのは布見ヶ岳だったので、六角東屋からは反対方向の北へと向かった。その遊歩道の左手は湿原になっており、そこに小さな池を見ることもあった。東屋から6分ほど歩くと遊歩道は終点となり、そこまでが公園のエリアだった。布見ヶ岳の標識は無いものの、布見ヶ岳の尾根に通じる小径は遊歩道の先にあり、ロープを越えてそちらに入った。竜王山のときと同じく純然たる山道で、次第に急坂になった。ただヤブになった所は無く、遊歩道の終点位置から6分で尾根に着いた。すぐには布見ヶ岳には向かわず、布見ヶ岳とは反対方向となる北へと歩いた。緩やかな上り坂を4分ほど歩いて小ピークに着くと、そこに石造りの小さな祠を見た。そこは布見ヶ岳の北ピークと言える所で、波豆竜王山とも呼ばれるピークだった。展望は無いため、すぐに引き返した。公園からの合流点を過ぎるとはっきりと上り坂になり、波豆竜王山から10分で布見ヶ岳の山頂に着いた。狭い山頂の中心に四等三角点(点名・布見ヶ岳)を見た。そこは北の方向に少し展望があり、そちらに見えていたのは羽束山だった。布見ヶ岳の山頂で早めの昼休憩をとると、下山は当初に予定していた山頂から南へと尾根を辿るのは止めて、六角東屋へと引き返すことにした。単に六角東屋から駐車場までの遊歩道を歩きたくなったためだった。山頂を離れて引き返していると、左手方向の木々の隙間から千刈水源池がちらりと見えた。六角東屋まで戻って来ると、ハイカーをちらほら見るようになった。駐車場に戻ると車の数は5台ほどに増えていた。
(2021/8記) |