置塩城跡のある城山、別称として置塩山とも呼ばれるが、登山口から城跡のある山頂までけっこうしっかりと歩くことになり、近場で短時間で汗をかきたいときは、候補の一つとなる山である。2013年10月最初の日曜日も、その考えで訪れた。前日は雨、この日も午前は所用があって出かけられなかった。ようやく午後に入って体が空いたので、短時間で汗をかきたいと思った。そこで置塩山を登ろうとの考えが浮かんだものである。夢前川のそばにある登山口に着いたのは13時半のこと。空は快晴で絶好の登山日和と言いたいところだが、10月にしては気温の高い、しかも蒸し暑さのある日だった。登山道を登り始めると、最初は薄暗い樹林の中を登るのだが、そこでけっこうヤブ蚊に刺されてしまった。それを振り払うようにして歩いた。登山道はつづら道になっており、特に傾斜はきつくないのだが、緩くもないため、すぐに汗をかきながら登ることになった。土がもろくて滑り易い所があり、また石のゴロゴロとした所もあって、足下に注意しながら登った。登山道には丁石が置かれており、すぐに十丁となるもその先も丁石は続いて、十七丁まで来てようやく城跡のある山頂の一角に出た。その城跡はこの数年で特に整備された様子は無く、以前と変わらぬ佇まいだった。山頂の本丸跡も同様で、ブルーシートの残骸や土嚢が見られて、少し雑然とした様は以前と変わっていなかった。その山頂に着いたときは大汗になっていたのだが、山頂には涼しい風が吹いていた。その涼しさはやはり秋と言えるもので、快いばかりだった。展望は南こそ少しあったが、北の方向は灌木や雑草が相変わらず視界を妨げていた。以前から思っていることだが、少し手入れをするだけでぐんと安らげる雰囲気となり、展望も楽しめるのにと少し残念に思った。それでも展望については木に登ればまずまず得られたので、不満ということは無かった。山頂で過ごしたのは30分ほど。十分に汗も鎮まったので下山とした。この下山でも薄暗い谷筋で蚊に刺されてしまった。10月に入ってもヤブ蚊が襲ってくるとは、どうも確実に年々温暖化が進んでいるのは間違いないようだった。
(2013/11記)(2020/7改訂) |