置塩山の背後で一段高いのは谷山で、置塩山とはさほど離れていないので、置塩山の山頂に立った後は久々に谷山まで歩こうと向かったのは2018年の7月に入ったばかりの日だった。梅雨の最中とあって湿度は高く雲は多かったが、この日は雨の心配は無さそうだった。コースはいつもの通り夢前川そばの登山口から登ろうと、登山口前の駐車スペースに車を止めた。この置塩山も害獣被害が増えたのか、登山口の先に害獣避けフェンスが作られており、そのゲートを抜けることになった。このコースには丁目の標石があり、山上の置塩城跡跡入口が十八丁となるが、一丁の間隔として200mは無く、その半分ではと思えた。そのためすぐに二丁、三丁の標石が現れた。そして四丁標石の位置を過ぎたとき、今歩く登山道とは別に直進方向に山道があることを示す標識が現れた。いつも城山登山道ばかり歩いていたので、変化を持たそうと山道を登ることにした。それは小さな谷筋に沿うコースで、けっこう斜面の傾斜はきつく、しっかり踏ん張って登ることになった。そのためたちまち大汗となった。ほぼ真っ直ぐ登ると再び城山登山道に合流することになり、そこに炭焼窯跡を見た。近くの標石は十二丁だった。後はすんなりと登山道を登って置塩城跡の広がる山上に出た。往路では伝二の丸跡、伝三の丸跡に寄り道することは無く、山頂となる伝本丸跡を真っ直ぐ目指した。そして山頂に着いたときは、登山口に入ってから40分が経っていた。いつもより多少時間がかかったのは、途中の山道が歩き難かったことによるものと思われた。山頂は城跡らしく広く平らになっている。そこからは北に向かって展望があるのだが。今は雑草としてタケニグサが繁茂しており、かなり視界を塞いでいた。それでも明神山、七種山の姿は眺められた。南の方向も狭い展望ながらうっすらと瀬戸の海を見た。東の方向は樹木の生長により視界がかなり遮られていたため、谷山の姿はほぼ見えなくなっていた。その谷山へと向かう予定をしていたのだが、蒸し暑さと途中の山道歩きでけっこう足を使っており、その気持ちは消えていた。そうなると置塩山の山頂に立ったことで良しとして、後は城跡散策を少々楽しむと、城山登山道ですんなりと下山した。
(2018/7記) |