暑い季節になると、涼味を感じられる山に登りたくなる。それも遠くまで行きたくない気持ちが起こって近場を考えたとき、書写山も悪くないのではと思えてきた。午前中だけで済ませられそうなのも良かった。2013年の7月下旬、暑い盛りにこの考えで書写山を登ろうと決めた。そしてかねてから一度は歩いておきたいと思っていた六角コースを歩くことにした。その六角コースの登山口がよく分からないので、六角コースは下山コースとして、往路は久々に東坂コースを登ることにした。そうなると駐車場としては必然的にロープウェイの駐車場を利用することにした。
この日の空はうっすらとした青空で、視界も薄ぼんやりとしていた。駐車場を出て東坂コースへと向かって行くと、以前には見なかった東坂コースへの案内標識が点々とあったため、地図を見ることもなく登山口まで歩くことが出来た。もう気温は30℃まで上がっていたので、無理をせずゆっくりと登った。またコースの途中にあった休憩ポイントでは十分に休みをとった。そのため登山口からロープウェイの山上駅まで50分近くかかっていた。志納金(一人500円)を払って円教寺の境内へと入った。朝の時間帯は静かなもので、前後に人影は見なかった。それが仁王門まで歩いて来ると、一気に賑やかになった。門前に100人以上の小学生がたむろしていた。どうやら林間学校として円教寺に来ているようだった。その小学生集団が先を歩きだしたが、すぐに円教寺会館へと入ったので、周囲は再び静かな世界になった。その後は円教寺境内の散策を楽しんだ。摩尼殿から大講堂の広場へと歩いて、白山権現のそばの山頂を踏んだ。400mに満たない山なのだが、山上には意外と涼しい風があり、気温も26℃まで下がっていた。気温が低くなったのは曇り空に変わってきたためでもあって、涼しい風に誘われて白山権現の前の休み堂で、暫し休憩とした。その後は摩尼殿まで戻り、その摩尼殿に立ち寄ったりもした。その後は昼が近いことでもあり、近くのはづき茶屋で昼食とした。もうハイキングと言うよりも、すっかり観光気分だった。そのはづき茶屋のそばから六角コースが始まっていた。始めは広い道だったが、すぐに山道に変わった。それも決して易しい道ではなく、純然たる登山道だった。登山道は沢沿いを続き、何度か沢を横切った。ときに沢を数メートル下に見下ろすこともあった。やがて道が緩やかになって沢を離れると、空き地が現れた。車道まで出ると、そこに標識が立っており登山口であることを示していた。大年神社が近くに見えていた。空は再び青空に変わっており、30℃を越える暑さになっていた。もうこの先を車道を歩いて駐車地点へと戻る気持ちは無く、バス停を求めて県道545号線を歩くと、「床坂菅生台」バス停に着いた。時刻表を見ると1時間に2本だけだったが、5分ほど待つだけでバスが現れて、「書写郵便局前」バス停まで利用した。そこから駐車場までは5分ほどの距離だった。
(2013/8記)(2020/10改訂) |