紅葉の名所として書写山は有名だが、それをはっきりと確認したのは2016年の紅葉期だった。カエデの色付きの良さに少々感動したものだった。2021年11月も紅葉を楽しもうと20日の土曜日に向かった。この日の天気予報は晴れだったのだが、北部の曇り空の影響か晴れとは言えるものの雲の多い空だった。骨折後の足はまだまだ快復途上のため、登山コースとしては一番易しいと思える刀出コースを登ることにした。その刀出コースの登山口に着くと、いつもは多くとも数台しか見ないのに、この日は20台ほどの車が止まっておりほぼ満車状態だった。やはり紅葉を楽しみに大勢のハイカーが来ているようだった。リハビリ登山とあって両ストックを使ってゆっくりスタートした。前回と同様に近道コースに入ってコースの一部をショートカットした。だらだら登りの続くコースは回復途上の足には易しく、休まず登って行けた。そしておおよそ50分で圓教寺境内に入って開山堂の前に立った。前回はそこまで40分で歩けていたので、正常に歩けるまではまだ時間がかかりそうだった。後はそぞろ歩きで圓教寺境内の散策を楽しんだ。いつものごとく三之堂からは十地坊跡地に出ると最高点に立った。そして山道に入って摩尼殿へと下った。三之堂でも多くの人を見たが、摩尼伝では一段と多くの人で賑わっていた。ただ紅葉に関しては見頃とは言えたものの、赤いカエデにくすんだ色のものが多くあり、5年前のどの木も艶やかな赤さになっていたときとは少し違っていた。その紅葉で一際目を惹いたのは摩尼殿の大イチョウで、見事な黄色で包まれた様に誰もが瞠目していた。摩尼殿から三之堂に戻ると、金剛堂が建つエリアを散策した。その頃にはほぼ曇り空になっていたが、いっとき陽射しの現れるときがあり、紅葉期を散策する楽しさを十分に楽しめた。下山は刀出坂をすんなり戻ったが、緩やかな下り坂と言えども下る一方の道は痛んだ足には厳しく、前回に30分で歩いた道を1時間かかることになった。
(2021/11記) |