TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨 
 
利神山    りかんざん 373.0m 佐用町
 
1/2.5万地図 : 佐用・土万
 
【2021年3月】 No.5 2021-51(TAJI&HM)
 
    佐用町延吉より  2021 / 3

 利神山への登山自粛を求める標識を見たのは2007年のことだったが、それは山頂に広がる利神城跡の石垣が崩壊の危険性があるためだった。佐用町の名所としてそのうちに修理されるものと思っていたのだが、どうもその便りは聞かなかった。14年経って2021年春を迎えたとき、山頂の本丸跡に立つ桜を見たくなった。登山道がまだ通行禁止なら、封鎖をされてない限りは自己責任で登ることにした。向かったのは3月の最終日のこと。春爛漫の暖かい日だった。但し空は快晴ながらも少し黄色っぽくなっていた。どうやら黄砂の影響が少しあるようだった。宿場町平福に着くと、平日であることでもあり、道の駅「宿場町ひらふく」の駐車場に車を止めた。道の駅にも桜の木があり満開だった。その道の駅には展望台があり、その上に上がってみると利神山がすっきりと眺められることになった。山頂の桜も見えており、そちらも期待通りに満開のようだった。石垣はと見ると、どうやら補修されているように見えた。始めに平福の景観地区へと入った。以前よりも更に町並みは整えられてきているように見えた。佐用川に架かる天神橋を渡ると、川沿いの土蔵風景を眺めた。そこも以前よりも垢抜けしているように見えた。智頭鉄道の方向へと農道を進むと、その線路の下を潜ることになるが、そこは以前のままにゲートがあり、まだ通行止めのようだった。但しゲートには鍵はかかっていなかったので、スムーズに通過出来た。ゲートの先には一軒の民家があるのだが、民家は廃屋になっていた。その廃屋の前を通って線路沿いの小径を進むと、自然と登山道に入った。登山道は以前のままで、荒れた感じは全く無かった。おかげでごく気楽に歩いて行けた。最初に佐用川の風景を楽しめた。尾根筋に入ると真っ直ぐ山頂へと向かうようになり、途中パイプで作られた階段を登ると、見覚えるある石室が現れた。周囲は植林地になることもあった。その尾根の中で見覚えのある石室になった祠が現れたが、中を覗くと何も無かった。その先は尾根の傾斜が少し増してきたが、ゆっくり登れば問題無かった。周囲はいつしか自然林になっており、その落ち着いた雰囲気の中で山頂へと近づくと、城跡に入ったようでパイプの階段が現れた。それを登った先で一気に山頂風景が現れた。誰もいないと思っていたのだが、石垣には足場が組まれて大勢の人が修復作業にかかっていた。これでは山頂に立つのは無理かと思えたが、作業者に石垣には近づかないように山頂に立って桜を見たいと伝えると、あっさりOKとなった。但し本来は入山許可証が必要のようだった。幸いに登山道は石垣のそばを通っていなかったので、作業のじゃまにならないように歩いて、無事山頂到着となった。山頂となる本丸跡には作業者はおらず、以前のままの長閑な風景で、桜はまさに満開だった。その桜の木の下で早めの昼休憩とした。その休憩後は360度の展望を楽しんだ。そして20分ほど休んで12時になったタイミングで下山開始とした。修復作業も昼休憩に入ったことで行われておらず、誰もいなくなった城跡を通り抜けて尾根道へと入った。そして登山口へと戻って行った。
 ところで石垣の修復作業をしている人に工事期間のことを聞いたのだが、はっきりとした返事は無かった。その石垣のことだが、麓から見たときは新たに石垣を積んでいるように見えたのだが、近くで見ると違っていた。新しい石垣に見えたのはバラスが入った袋で、それが積み上げられていた。どうやらその上に更に表土を載せるようなので、工事はまだまだかかるのではと思えた。
(2021/5記)
<登山日> 2021年3月31日 10:43道の駅「宿場町ひらふく」スタート/10:52線路下ゲート/11:02尾根の祠/11:26〜49山頂/12:15線路下ゲート/12:22道の駅エンド。
(天気) 快晴。少し黄砂の影響があってか薄い青空だった。山頂の気温は22℃。風はほとんど無く、爽やかな空気感だった。視界はややうっすらとしていた。
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道の駅「宿場町ひらふく」の一隅に駐車した 道の駅の桜が満開だった 道の駅には展望台があった

展望台に上がると
利神山が一望出来


山頂の利神城跡の
桜も満開のように
見えた
道の駅を離れて町並みの方向へと歩いた 歩く先に見えていたのは智頭線の平福駅だった 平福の町並みを歩く きれいな通りだった
家並みを離れて天神橋の方向に歩いた 前方に利神山を見る 天神橋を渡ると、振り返って土蔵風景を眺めた
智頭線の高架を潜るのだが、ゲートがあり登山自粛の
看板があった 但しゲートに鍵はかかっていなかった
潜った先には民家があるのだが、廃屋になっていた 廃屋の前からは歩道が智頭線に沿って続いていた
登山道に入ると、佐用川の風景が眺められた 次第に佐用川流域を広く眺めるようになった 利神城跡の看板を間近で見た
尾根歩きに移った 平らな所にベンチがあり、少時腰をかけた 以前は無かったパイプの階段が現れた
石室が現れた 天王神社の名は無くなっており、中に
は何も無かった
尾根の傾斜が増してきて、しっかり登ることになった 赤い花はツバキだった
周囲に植林が広がることがあった 樹林帯を抜けることがあり山頂が望めた 山桜が満開だった
また樹林帯に入った 急坂となると、ロープが張られていた 再度樹林帯を抜け出すと、山頂は間近だった
利神城跡の石垣を見るようになった 利神城跡の全貌を見る位置まで来た 意外だったのは
石垣は修復工事の真っ最中だった
大勢の人が働いており、立入禁止だった 石垣に近づ
かず山頂に立ちたい旨を伝えると、OKとなった

登山道のままに歩
くと、回り込むよ
うに東側から山頂
に近づくことにな
った

山頂の桜を見ると
やはり満開だった
工事用ケーブルに沿って登った 山頂は本丸跡だった そこは以前と変わらず、素晴らしい展望地だった
山頂の四等三角点(点名・利神山)を見る 山頂の桜を間近で眺めた 足下ではスミレが咲いていた

山頂の西端に立つ
と、宿場町平福の
全貌が眺められた

上の写真の背後に
広がる山並みを見


遠方は少しうっす
らとしていた
大撫山を大きく見る 山頂に立つ天文台が望めた 平谷深山を大きく見る

北西から北東にか
けてを眺めた
後山の方向を大きく見る 上の写真に写る行者山の辺りを大きく見る
那岐山の尾根はうっすらとしていた 上の写真の右手に黒尾山と水剣山の並ぶ姿を見る
山頂で昼休憩とした 作業員は上がって来ず静かだった 山頂から天神橋の辺りを眺めた 山頂から登ってきた二の丸辺りを眺めた
下山は往路を戻った 昼休みに入ったのか、作業者はいなかった 新しい石垣に見えたのは、バラスの土嚢だった

(←)
二の丸が近づいて
後ろを振り返った

 (→)
  二の丸まで来て改
  めて利神城跡を眺
  めた

(←)
下山は下る一方な
ので、気楽だった

 (→)
  尾根を離れると平
  福の町並みが見え
  てきた
家並みの瓦は黒で統一されていた 智頭線の線路が見えてきた 高架の下を潜った

佐用川のそばに来
ると、改めて土蔵
風景を眺めた

天神橋を渡った
美観地区を抜けて行く 道の駅に向かうと、前方に見えたのは平福陣屋門だった 道の駅が間近になった