二度目の宝台山は05年2月26日。北部の天気は雪模様のため、昼どきに近場の山でもと訪れた。今回は正面コースと言える南側の車道コースを登ることにした。南麓の若狭野の集落に入るが、どうもどの路地も道幅が狭すぎた。山麓の南側を適当に走るうちに、須賀神社のそばに出た。その横の道が真っ直ぐに山中に向かっており、無線中継所の案内板も見えた。この道が山頂に通じる道と確信して、神社近くの空き地に駐車した。もう時間は11時半近くになっていた。上空は雲が多いながらも、青空が広がっていた。風があって寒さを厳しくしていたが、陽は暖かかった。舗装路を歩き出すと、すぐにゲートが現れた。一般車はその先に進めなくなっている。そのゲートの脇を抜けて歩を先に進める。少し登ると南の方向に荒山の姿が見え出した。道は緩やかで、登山と言うよりも単なる散歩の感じである。30分も歩くと高度は300mほどとなり、道は西方向を目指し出した。前方に山頂の無線塔も見えて来た。ただ登るうちに空の雲は増え、風もきつくなり一段と寒さが増して来た。山頂が近づき出すと、北の風景が木々の間から見え出したが、そちらの空はすっかり黒く、その黒雲が南下していた。歩き始めて50分ほどで山頂に着く。山頂を占めているのはNTTドコモの宝台無線中継所で、その南側は平らに開けていたが、展望はさほどでもなかった。南東方向に相生市街を取り巻く山とその先の瀬戸内海がまずまず見えていた。南西方向は良かったが、そちらはもう雪雲が押し寄せており、小雪を降らせているのか視界は閉ざされようとしていた。まずはその中継所の南のちょっとした広場の一角で休憩とした。比較的風の来ない所だったが、風が舞っているのか、ときおりきびしく冷たい風が襲って来た。一息ついたところで、三角点を見ることにする。無線中継所の東側が一番高い位置と思えてそこに向かうと、一帯は灌木林になっており、ピークより数メートル離れた位置にあっさりと二等三角点(点名・若狭野)を見た。(後で地図を見ると、三角点の西が若干高く380mの等高線が付いている。)その後は再び休憩地点に戻った昼食としたが、もう上空はすっかり黒雲に覆われていた。ほどなく小雪もちらつき出して、それが強い風に舞っていた。その厳しい中で何とか昼食を済ませた。食後は一眠りしたいところだが、風の冷たさに退散することにした。そう決めて、登ってきた車道を戻り出すと、北の空には青空が見えていた。上空の黒雲はいっときのようであった。この帰り道では、宝台山からの展望を得ようと、山頂の東側に立ち寄ったり、北向きのマイクロウェーブ反射板に立ち寄ったりと、少々時間をつぶしながら戻って行った。麓に着いたときは、上空はすっかり青空に戻っていた。
(2005/5記)(2013/1改訂)(2020/6写真改訂) |