「二木」の新しい地形図を見ると、宝台山の南尾根に新たに破線路が付いていた。それに興味を持って向かったのは、2016年10月の第四土曜日のことだった。国道2号線を荒山の北の位置で離れて若狭野集落に入ると、浅野陣屋跡が現れた。その前に駐車スペースを見たので、そこに駐車とした。浅野陣屋跡は老朽化が進んだためか、ロープが張られて立入禁止になっていた。始めに陣屋跡の前の道路を西へと歩き、それも途中で離れて南尾根に近づける細い道に入った。山裾に近づくと墓地が現れて、車道としてはそこまでだった。その先は山道となり、竹林の中へと入った。その竹林に害獣避けゲートがあり、それを抜けて先へと進んだ。竹林は程なく終わり、周囲は雑木林に代わってきた。里山道と言った感じの小径で、少し登ると尾根の方向に向かい出した。尾根に着くとそこには送電塔(赤穂火力線34番)が建っており、そこからは南向かいの荒山が眺められた。後は尾根道をひたすら北へと登って行くだけだった。尾根は送電経路になっており、次に35番鉄塔、その次に36番鉄塔と、次々に現れた。また展望もときおり現れて、黒鉄山も眺められるようになった。尾根道としては傾斜はきつくなかったので、易しい登りと言えたが、ぱらぱらと雨粒が落ちてきて、それを気にしながら登ることになった。登るほどにシダが見られるようになったが、登山道上にはびこることは無かった。特に傾斜はきつくならないまま登っていると、前方に電波塔が見えてきた。そこが山頂だった。その山頂が間近になったとき、急にと言った感じで樹林帯を抜け出して、前方が広く眺められた。そこには二つの電波塔が建っており、右手の電波塔の右側が一段高くなっていたので、そこが最高点のようだった。樹林帯を抜け出した位置は法面の上に立っている形だったので、数メートル下って電波塔の方向に向かった。そして大きな方の電波塔(NTTドコモ宝台無線中継所)の右手、最高点へと向かったのだが、後で考えるとそこへは管理道路がある北側から近づけば良かったのに南側からとしたため、少しヤブをこぐことになった。最高点に着いたもののそこに三角点は無かったが、少し東寄りの位置で二等三角点(点名・若狭野)を見た。その頃には小雨となっていたので、近くのよく茂っていた木の下で休憩とした。その休憩中に雨は小止みとなったので、改めて山頂一帯を歩いたが、展望が良いとは言えなかったので、下山に移ることにした。下山は山頂まで通じている管理道路を下って行くことにした。そのままずっと下れば駐車地点のそばに出るはずだった。管理道路は舗装路の上に緩やかとあって、気楽な下りだった。その管理道路を最後まで下ってもよかったのだが、途中でショートカットとなる登山道が分かれたので、そちらを歩くことにした。標高にして220mほどの位置にあるヘアピンカーブの手前から分かれており、255mピークを通るコースだった。雑木に囲まれた登山道に入ると気分は落ち着いたが、蜘蛛の巣の多いのが難点だった。255mピークには無線塔が建っており、下りに入ってもまだ幾つか無線設備を見た。少し傾斜がきつくなってきたので、足下に注意しながら下ると、そのうちに前方に荒山の姿が眺められるようになった。そして管理道路に再び合流すると、麓は近かった。小さな溜め池が現れ、その先でゲートが現れたのだが、そのゲートの固定部分が錆びており、少々開け難かった。そのため手が油だらけになってしまった。集落が近づくと、右手に須賀神社が現れた。その須賀神社を抜けて駐車地点に近づいた。
(2016/11記)(2020/6改訂) |