福崎町と姫路市香寺町とに跨がる大倉山は、標高は低いながらも福崎町の中心部に近いとあってけっこう目立つ山である。その大倉山の北尾根を4年ぶりに歩いてみようと出かけたのは、2020年2月の第三土曜日だった。この日は朝から曇り空になっており、その空を見て短い時間で山頂に立てる山を登ることにした。そのとき思い付いたのが大倉山だった。北尾根で山頂を目指すと、山頂手前で展望地が現れて明神山から薬師峰まで広く眺められる楽しみがあった。そこでこの日も北側から山頂に向かって行くことにした。また地形図を見ると山頂から北東へと延びる尾根がなだらかなまま麓まで続いていた。そこで下山はその尾根を下って周回コースで大倉山を楽しむことにした。
県道23号線を西から走って来ると、西治交差点で北へと向かえる車道に入った。程なく中小企業大学校の標識が現れると、左折して大学校に近づいた。但し大学校の手前で右折して脇道に入り、北進すると山裾道に合流した。そのまま西に走れば大倉山の北尾根へと近づくのだが、周回コースを予定していたため少し手前から歩き出すことにした。山裾道は山陽自然歩道でもあり、所々に標識が立っていた。どこに車を止めるかに少し迷ったが、選んだ所は山陽自然歩道が直進道路と分かれて北へと向かい出した位置の近くだった。短い脇道があり、そちらに入って少し広くなった所に車を止めた。近くには山陽自然歩道の「金剛城寺まで1.8km・弁天池まで1.8km」の標識が立っていた。直進道路に戻って西進すると、道路を遮断するように害獣避けゲートが現れた。そのゲートを通過するも同じようなゲートがまた現れて、二度ゲートを開けて通ることになった。道なりに進むといつしか車道は林道となり二手に分かれた。右手の道は尾根に向かいそうだったが、直進の方を選んで進むと谷筋を歩くようになり、長くも歩かず林道は終点となった。地図でもその位置で破線は終わっていた。もう一つの道を進めばすんなりと尾根を辿れたと思えたが、引き返すことはせず右手の急斜面に取り付いて尾根を目指した。適当に斜面を登ると、尾根に出る少し手前よりヤブっぽくなった。シダ帯も現れたが、それを避けるように登って尾根に着いた。尾根歩きとなってもまだヤブっぽさがあり、スムーズには歩けなかった。その尾根歩きに入って5分ほど歩いたとき、送電塔(鶴居支線10番)に出会った。そこからははっきりとした尾根道があり、スムーズな尾根歩きとなった。尾根は緩やかで、いつしか主尾根に合流して南に向かうようになった。そして山頂が近づいて前々回に出会った展望地に着いたのだが、数年の間に灌木が育ったようで、かつての展望は消えていた。仕方なく足を止めずに山頂に向かった。山頂に着いたのは林道の終点位置から40分だったので、予想よりは少し時間がかかったようだった。山頂は以前と変わらず南に向かって開けており、近くに福崎工業団地が眺められた。その山頂に着いて少し経つと、上空の雲が薄れて柔らかな陽射しが現れた。おかげで少し明るい中で昼休憩が出来た。大倉山からの下山は北東尾根を予定していたが、そちらを見ると尾根道が付いていた。尾根道はあるとは思っていたが、往路の北尾根の道と同様にはっきりとした道で、緩やかなこともあって気軽な感じで下って行けることになった。ときおり展望が現れて薬師峰を眺めることが出来た。その尾根道だが、ずっと易しいままかと思っていたところ、麓が近づくとヤブっぽくなってきた。それでも小径は続いており、ヤブコギになることもなく麓に下り着いた。そこに目印は無かったので一度歩いていないとその登山口に入るのは迷いそうだった。そこからは中小企業大学校が近くに見えていた。後は農道を歩いて駐車地点へと戻って行った。北東尾根の登山口から15分の距離だった。
(2020/3記) |