波賀尾岳は国道176号線から近いとあって国道からよく目立つ山であり、その富士型をした端正な姿から大山富士とも地元では呼ばれているようだった。その波賀尾山は麓との標高差は200mしかないとあって登山として楽しむには少々小粒感は否めなかった。そこで別の山を登った序での形で登ろうと考えていた。
2019年3月の最初の日は雲は多いものの晴れとは呼べそうな日だった。この日に向かったのは篠山口駅に近い槙ヶ峰だったが、その槙ヶ峰は大きな山でないとあって登山を終えたときはまだ13時を少し過ぎた時間だった。まだ午後の時間はたっぷりあったので、もう一つ山を登ろうと考えて思い付いたのが波賀尾山だった。地形図は用意していなかったがガーミンを持っていたので、それを頼ることにした。ガーミンに地図を表示させると、破線の道が山頂から北東方向に延びる尾根に描かれており、それが麓まで続いていた。そこでその破線コースを登って行くことにした。波賀尾山のそばまで移動すると、後はガーミンをナビ代わりとして登山口に近づいた。破線路の起点は住宅地の奥にあり、害獣避けゲートの先にはっきりとした登山道を見た。ただ登山口辺りに駐車スペースは無かったので、そこより西の方向へと移動して大山郷づくり協議会のそばで見た駐車スペースに車を止めた。そこを起点に歩き始めて住宅地へと戻り、そしてゲートを抜けた。登山道に入ると波賀尾山の標識を見た。一帯は植林地で少し進むと右手の尾根に向かうようになった。どうやら登山口こそ地図の地図の破線コースと同じだったが、そこからの登山道は地図とは違っているようだった。はっきりとした登山道だったが、尾根を登るようになると急傾斜となってきた。おかげでどんどん高度を稼ぐことになった。植林地とあって展望は無く、ひたすら登ることに集中した。北尾根に合流するといっとき緩やかな尾根歩きとなるも、すぐに急斜面登りとなった。そこを一気に登るともう山頂だった。登山口から23分だったので、やはり小さな山だった。山頂は狭い範囲ながら平らに開けて山頂らしさがあり、案内板も立っていた。その山頂からの展望には期待していなかったのだが、北東方向が広く眺められてそこに多紀アルプスを見た。また北の方向も最近になって木が伐られたようで少し展望があり、黒頭峰と夏栗山の並ぶ姿が眺められた。登山を開始したときは雲が広がって寒々としていたが、山頂に立ったときは短い時間ながら陽射しを受けることが出来たのは良かった。下山は登ってきたコースを引き返した。但し途中の緩やかな所を過ぎると、往路コースに入らず北尾根をそのまま下った。尾根には小径がか細く続いていたが、麓が近づいてきたときに不確かになってしまった。ただ一帯は植林地のためどこでも歩けたので、適当に下って車道に下り着いた。そこは大山荘の里市民農園のそばで、近くに二宮神社を見た。後は車道を歩いて行くと、駐車地点までは10分とかからなかった。
(2019/4記) |