久々に的場山を両見坂からのコースで登ろうと向かったのは2020年の4月24日のことだった。新型コロナウィルス禍で外出自粛要請が出ている最中だったが、人のいない所で運動するのであれば問題ないと考えて出かけた次第だった。龍野公園に入るとモミジ谷の入口に近い龍野神社の駐車場に車を止めた。そばには聚遠亭があったが、営業は自粛していた。まずは紅葉谷へと向かうが、平日と言うこともあり誰とも会わなかった。紅葉谷の遊歩道に入ると、いっそう静かだった。その紅葉谷は新緑の盛りになっており、曇り空の下ながらその美しさは十分に楽しめた。遊歩道を登りきって両見坂の登山口に着くと、そこは的場山の登山口であるだけでなく、鶏籠山の登山口でもあった。そこで先に鶏籠山を登ることにした。その鶏籠山の登山道は紅葉谷の遊歩道の続きを歩く感じで、優しく登って行けた。10分も登れば山頂到着となった。その頃には空は明るくなっており、うっすら陽射しが現れる中で少時山頂で休憩とした。鶏籠山から両見坂登山口に戻って来ると、いよいよ的場山へと登山開始した。このコースはきつい坂が続くとあって、気持ちの良い汗をかきながら登って行けた。途中シダが増えることもあったが、登山道を歩く妨げにはならなかった。300mピークに付くとそこは少し展望があって、的場山の山頂が眺められただけでなく、東の方向は足下に揖保川の流れを見た。また北の方向も見えたが、そちらの空は暗かった。その暗い空が南へと広がってきたのか、山頂へと近づいていると小雨がぱらついてきた。どうなることかと思っていると小雨はすぐに止み、逆に青空が現れてそれがどんどん広がってきた。そして山頂に着いたときは、上空はすっかり晴れていた。これでこの後は晴れになるのかと思っていると、山頂で休むうちにまた曇り空に戻ってしまった。何ともきまぐれな空だった。下山は野見宿禰神社経由で龍野公園へと下るコースに入った。始めは緩やかな下り坂で、周囲に点々と岩を見るようになると、そこに以前は見なかった「台山ロックガーデン」の標識を見た。その先で急坂下りが始まって、どんどん下って行くことになった。両見坂コースも急坂だったが、こちらのコースはそれ以上の急坂に思えた。その急坂をほぼ下りきった所に野見宿禰神社が建っているのだが、そこが様変わりしていた。以前はこんもりと木々が茂っていたのだが、その木々がきれいに伐られて、すっきりと展望地に変わっていた。おかげで龍野市街が一望だった。その先は石段となり、芝生公園の前まで来たとき道は二手に分かれた。そこは右手の道をとると砂防ダムのそばを通って龍野公園内を通る車道に下り着いた。そこから駐車地点までは5分の距離だった。
(2020/5記) |