TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨 
 
棚原山    たなばらやま 402.5m 姫路市
 
1/2.5万地図 : 前之庄
 
【2012年3月】 No.3 2012-19(TAJI&HM)
 
    香寺町中寺より  2012 / 3

 暮坂峠から北に延びる尾根については香寺町史「村の記憶」に詳しく書かれているが、尾根の北端のピークは地形図では無名ながらも、地元の香寺町では棚原山と呼ばれており、恒屋地区から登山道が続いている。この棚原山には過去に二度登っていたが、山頂から北の坂地峠へと続く道は歩いていなかった。そこで恒屋コースの登山道と併せて周回で歩くことにしたのは、2012年3月の第一土曜日のことだった。この日の空は薄ぼんやりとしており、北部の天気も悪そうだった。そこで姫路市内で軽いハイキングを楽しむことにした。昼どきの2〜3時間程度でと考えたとき、棚原山を周回コースで歩くことを思い付いたものである。
 姫路市南部は陽射しが現れていたが、北に向かうにつれて雲が増えてきた。雲は薄ぼやけて形のはっきりしないもので、小粒な雨をぱらつかせたりしていた。塩田温泉に入り、塩田交差点で右に折れて、温泉街の細い車道に入った。小さな温泉なのですぐに通り抜けると、その先は林道塩田線で、上り坂が始まった。坂地峠に出るとそこに登山口標識を見たが、それを横目に香寺町側に少し下ったとき、路肩の広くなった所が現れた。峠付近で車を止めたいと考えていたので、そこに駐車とする。その頃には雨はぱらつかなくなっていたが、空はガスに覆われたようにすっかり灰色だった。まずは林道塩田線を香寺町側へと下って行くと、ツボサカ精工のそばを通って中村集落へと入って行った。その集落内を通って恒屋地区に入ると、「棚原登り口」の標識が現れた。それに従って再び山の方へと近づいて行く。上り坂が始まって、方向は南となった。程なく墓地が現れて、そのそばより右手の山中の方向に小径が分かれた。よく見ると小径に少し入った位置に標識があって、「棚原1.8km」と書かれていた。その辺りは雑草が茂っており、ちょっと見落としそうだった。小径が棚原山への登山道だった。登山道は始め倒木があったりしてヤブっぽい感じだったが、登るにつれて歩き易くなった。送電塔の建つ位置を過ぎると、ごくなだらかな道として続いた。「自然歩道」と名も付いていた。歩くうちには陽射しが現れることもあって、そのときは程良い暖かさとなった。登山道の傾斜が増して、そこを登りきると尾根に出た。そこで八葉からの道と合流した。そこから山頂まで400mだった。北西方向へと登って380mピークを越す。そして少し下って登り返した所が山頂だった。石造りの小さな祠がある山頂は、笹が広く刈られており、休むのに手頃な感じになっていた。ちょうど陽射しが現れて、暖かく過ごせることになった。ただ残念なのはこの日の視界で、春霞なのか薄ぼんやりとした視界で、風景を楽しむとはいかなかった。また以前よりも周囲の木立が生長しており、眺望は狭まったように思えた。まずは陽射しを受けながら、のんびりと昼どきを過ごした。山頂で30分ほど休んだ後、北へと下山を開始する。こちらは少し幅のある登山道で、始めは落ち葉の積もった道だった。その北コースでは北の展望を少しは期待していたのだが、むしろ展望は悪いと言えて、木立の隙間から大倉山が見える程度だった。下るうちにごく普通の山道となり坂地峠に下り着いた。30分とかかっていないので、この北コースが棚原山への最短コースと言えそうだった。その坂地峠から駐車地点までは1分の距離だった。昼休憩を除くと、ざっと2時間程度のミニハイキングだったが、自然歩道の雰囲気の良さと歩き易さ、また山頂の優しげな佇まいの中で過ごせたことで、良いハイキングだったと思いながら峠を後にした。
(2012/3記)(2020/10改訂)(2023/6写真改訂)
<登山日> 2012年3月3日 10:08峠の位置からスタート/10:33「棚原登り口」標識の立つ分岐点/10:40登山道に入る/11:23八徳コースと合流する/11:32〜12:01山頂/12:27峠の位置にてエンド。
(天気) 薄ぼやけた雲が広がる空だった。その雲も薄いようで、ときおり陽が射してきた。特に山頂では陽射しの現れているときが長かった。山頂はけっこう冷たい風が吹いていたが、陽射しを受けているときは、あまり気にならなかった。視界は薄ぼんやりしていた。
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峠を後にして香寺町側へと下って行く 上空はすっかり曇り空だった 中村集落へと入って行った
恒屋地区に入ると「棚原登り口」の標識が現れた 西の方向へと再び棚原山へと近づいて行く 車道を離れて整備中の登山道に入った
登山道に入って標識が現れた 山頂まで1.8kmだった 墓地のそばを通って行く  登山道には重機の跡があった
重機の到達点辺りは少し荒れていた 歩くうちに優しげな道に変わってきた 前方が開けて、送電塔(神野溝口線12番)のそばを通る
木々の間から北に大倉山を見る 前方に次の送電塔が見えていた 青空も現れた 南西が開けたとき、谷山の方向が望まれた

(←)
背後が開けてきて
東の山並みが望め
るようになった

  (→)
   登山コースは送電塔
   への道と分かれて
   左手に続いた
登山道は平坦な道となって続くようになった 登山道は「自然歩道」の名が付いていた 「御香之場」のそばを通る
優しい道は暫く続いた 尾根に近づいて傾斜が増してきた 八葉寺コースに合流すると山頂までは400mだった
Vの字の形で折れ曲がって、尾根を北西に向かった 雑木の尾根を自然な山道が続いた 山頂が近づくと丸太の階段道となった
山頂に着く ちょうど陽射しが現れており、明るい山頂だった 一帯の笹は刈り払われていた 山頂には小さな祠が置かれていた
上空はいっとき青空が広がった 山頂からは東に展望があったが、尾根の途中で見たときよりもモヤが強くなっていた
右上の写真に写る高倉山を大きく見る 上の写真に写る善防山を大きく見る 上の写真に写る畑山を大きく見る
山頂を南側から眺めた 下山は坂地峠へと尾根道を北へと下った 落ち葉の積もった尾根道の雰囲気は良かった
尾根道の標識を見る 下るうちに陽射しが消えてしまった 途中からは普通の山道となった
一度だけ大倉山がすっきりと眺められた 坂地峠を通る林道塩田線が見えてきた 坂地峠の登山口に下りてきた