旧八鹿町にあって山頂に電波塔を持つ舞狂山は国道9号線からも見える山で以前から気になっていたが、山頂まで電波塔の管理道路が通じており、いつでも登れると思うと後回しになっていた。その舞狂山を登る気になったのは2021年6月、梅雨には入っていたが快晴となった9日のことだった。6月に入って気温は高くなっており、その中での登山を考えたとき、簡単に登れる山として舞狂山を思い付いたものである。
県道2号線を走って行くと、舞狂橋を過ぎた先で走る向きは北へとなり、坂本交差点を過ぎた先で上小田橋を渡って国道312号線に合流することになるが、坂本交差点の位置から東に分かれる車道が管理道路に繋がる道だった。この日は管理道路を往路コースとするものの、下山は南尾根を下る予定だった。そうなると麓に下りてきた後に県道2号線を坂本交差点まで歩くことになるので、駐車地点は管理道路のそばに求める必要は無かった。そこで坂本交差点まで走って来たとき、そのそばにあった空き地に駐車とした。そこからの舞狂山ハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。坂本交差点から東へと分かれた車道を進むと、すぐに全但ゴルフセンターの看板が現れた。その看板の位置から舞狂山の方向に枝道が分かれていた。その車道が舞狂山山頂まで通じる道だった。その車道に入るとすぐに坂道となったが、道そばに幾つかの会社を見た。その会社を過ぎて更に坂道を登っていると、数台の車が横を通り過ぎた。その先には全但ゴルフセンターしかなく、そこに向かう車と思えた。そのゴルフ練習場の前を過ぎると、車道は林道の様相となった。そこには進入禁止のクサリが張られていると思っていたのだが、クサリも車止めも無く車道は続いていた。ひたすら車道歩きだった。良かったのは車道が北面側に付いていたことだった。木陰になっている所が多くあって、さほど陽射しを受けることもなく登って行けた。展望に関しては始めは進美寺山と須留岐山の並ぶ姿が眺められたりしたが、途中からはほぼ展望が無くなって、ただ車道を辿るだけだった。ただ山としては400mほどの高さだったので、1時間ほどで山頂が近づいてきた。地図を見ると三角点記号があったが、それは山頂には無く、少し手前の381mピークにあった。そこで先に381mピークに立って、そこに四等三角点(点名・義父頭)を見た。その381mピークのそばで管理道路は二手に分かれており、左手となる山頂に通じる方に入った。歩く方向は南東となり、緩やかに登っていると、また管理道路は二手に分かれた。下る方向はNTTドコモの電波塔への道だった。緩やかな上り坂の方を進むと、車道の終点にはNHKの電波塔が建っていた。そこが舞狂山の山頂だった。うれしかったのはそこに快いばかりの涼しい風が吹いていたことで、木陰もあってその木陰で風に吹かれながら休憩とした。一休みを終えて周囲を眺めると、山頂からは西の方向に少し展望があって、妙見山や蘇武岳を見た。管理道路を少し戻ると南の方向にも展望があり、そちらには粟鹿山や大倉部山の山並みが眺められた。意外と展望の得られた舞狂山だと言えた。昼休憩を済ませると、下山は山頂から南に延びる尾根を下ることにした。地図ではその尾根に入って50mほど下った位置より破線が描かれていた。その尾根にはNTTドコモの電波塔そばより取り付いた。そこに目印は無く、GPSを頼りに尾根を下った。尾根に小径は見なかったが、ヤブでは無かったので適当に下って行けた。途中より小径が現れたが、ごくうっすらとしたものだった。268mピークとの鞍部まで下りて来ると、そこからは右手の斜面に入った。地図では谷筋に破線が描かれていたが、はっきりとした小径は無かった。その破線コースをなぞるように下ると、いきなり前方が開けた。そこでは堰堤工事の真っ最中だった。その工事現場を過ぎると、その先は工事で作られた車道があり、ごくスムーズに県道2号線に合流した。県道に沿って歩道がずっと続いており、車を気にせず歩いて行けた。最初は陽射しを受けていたが、北へと向かい出すと木陰が多くなって助かった。ただ車道歩きは長く、県道に出てから30分かかって、漸くの思いで坂本交差点に戻ってきた。
(2021/6記) |