◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <西播磨編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
愛宕山 あたごさん | 410.7m | 上郡町 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 上郡 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2010年11月】 No.2 | 2010-102(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
隈見橋の近くより 2010 / 11 |
播州南部で紅葉の見頃を迎えるのは11月下旬。2010年はその11月下旬に城跡ハイキングを楽しもうと、国道373号線を北上して上月城跡へと向かった。その道中は上郡町内を走るのだが、快晴の空の下、どの山も赤や黄に色付いて、ちょっとした紅葉ドライブだった。中でも目を惹いたのが生駒山と愛宕山だった。そこで上月城跡のハイキングは午前中だけとして、午後はさっそく生駒山へと向かった。そして期待通りに紅葉の生駒山を楽しんだ。その4日後の土曜日は27日。この日も快晴だった。そこで上郡町でもう一度紅葉を楽しもうと、向かったのが愛宕山だった。愛宕山を登るのは16年ぶり。前回は上郡町内で地図に山名の載っている山として、どのような山なのかと興味を持って手探りで登ったのだが、どうも展望に恵まれず、漠然とした印象になっていた。その愛宕山がガイド本の「はりま歴史の山ハイキング」に載っていたときは、この目立たぬ山がと、少々驚いたものだった。歴史と関わる山を紹介した本なので、苔縄城跡があっての掲載と思われたが、登山としては地味な山なのにと、やや疑問に感じたことだった。その愛宕山が紅葉に彩られているのを見て、再訪したいと考えたものである。登山コースはガイド本の紹介コースのままに登ることにした。前回に偶然下山で歩いたコースである。 快晴の空は4日前よりも澄んでいるように思われた。その4日前と同じく、国道373号線を北上して上郡町内へと入った。ただ紅葉はこの数日でいくぶんくすんだように思えた。ちょっとピークを過ぎたのかも知れない。スタート地点は智頭急行の苔縄駅とする。鄙な駅なので、駅前の駐車場は数台が止まるだけで、閑散としていた。特に朝の冷え込みも無く、暖かい陽射しを受けながら西へと歩く。赤松中学校が近づいて三叉路に出たので、それを左の方向、南へと歩くと、すぐに赤松小学校の標識が現れた。標識の案内のままに山裾に向かう坂道を登ると、小学校の前に出たが、敷地内へは立入禁止と標識が立っていた。今の学校はどうも原則として、関係者以外は立入禁止のようである。ガイド本では小学校の裏手から登山道が始まるとなっていたので、遠慮しながら小学校の敷地内に入ったが、どうも登山口が見当たらなかった。前回の登山時も学校に下りていたのだが、登山口の記憶はあいまいだった。そこで一度、小学校の外に出て思案することにした。小学校のそばに大日如来のお堂が建っており、その裏より小学校とは反対の方向へ小径が始まっていたので、それを少し歩いてみることにした。すると小径はすぐに墓場で終わってしまった。ただその手前よりケモノ道が急斜面に付いていたので、それを辿ると、山裾を巡る害獣除けの柵に行き当たった。その柵沿いに小径が付いていた。その小径を歩いて小学校の裏手に出ると、やはり小学校からのコースはあったようで、登山道に合流した。間近に小学校の校舎が木立を通して見えていた。もう登山道を登って行くだけだった。始めに害獣除け柵のゲートを通過する。登山道は細かったが、点々と目印の赤テープが続いていた。始めは薄暗かった登山道も、登るうちに陽射しを受けるようになって明るくなってきた。紅葉に彩られた山だけに登山道には落ち葉が積もっていたが、意外と周囲に紅葉の木は少なかった。中低木は常緑樹が多いようで、その上の高木からの落ち葉のようだった。少し登ると周囲にシダが見られるようになった。そして突然のように石の鳥居が現れた。この登山道は苔縄城跡に建つ愛宕神社への参道にもなっているようだった。その先で登山道から僅かに離れた所に展望地が現れたので、そこで一休みとした。東に開けており、足下には車を止めている苔縄駅が見えていた。その先から登山道の周囲のシダが増えてきた。また登山道に露岩が現れて、少し滑り易くなった所もあった。そのうちに歩き易くなると思っていると、その逆で、シダは更に増えて登山道を隠すようになってきた。もうシダヤブの中を歩いているようなもので、どう見ても紅葉ハイキングには遠い感じだった。中腹を過ぎてそのシダ帯を抜け出すと、急に歩き易い雰囲気となった。少し登るとまた展望地が現れて、今度は南の方向が広く眺められた。上郡町内やその周囲の山並みが一望だった。そこにいっとき足を止めた後、再び登り始めると、数分で369mピークに着いた。そこに愛宕神社が建っていた。ピークはごく狭く、苔縄城跡とのことだったが、城としては出城程度だったことがよく分かる。その城跡だが、今ではすっかり樹林に囲まれており、展望は無かった。かろうじて木立を通して北に位置する船岩が眺められた。その展望を得るために神社の裏手に回ったのだが、そこに酒の空瓶が散乱していたのはいただけない光景だった。もうそこは山上に出たと言って良かったので、山頂までの標高差は少ない。その山頂は苔縄城跡から見ると西の方向となり、緩く下って緩く登ることになる。ここまでも登山道には赤テープを見るだけで標識は見なかったのだが、その先は赤テープも見えず、地形図で山頂方向を確認して歩いて行くことになった。はっきりしない尾根を下って行く。漸く周囲は紅葉の木が多くなって、紅葉ハイキングらしくなってきた。足下には落ち葉が積もっている。適当に下って登り返すうちに尾根がはっきりしてきた。赤テープを再び見るようになったが、どうも赤テープの付く所を歩いていなかったのかも知れない。その先でまた尾根がはっきりしなくなったとき、左手に少し逸れてしまった。そのとき南の方向が明るいのでそちらに寄ってみると、露岩があって展望地になっていた。まずは山頂に立つことが先だと考え、尾根の方向に戻って登りを続けると、小さなピークに着いた。そのピークから僅かに先にあった次のピークが三等三角点のある山頂だった。そこはすっかり樹林に囲まれており展望は無かった。ただ木漏れ日は当たっており、休みには良さそうな雰囲気だった。そこで休んでも良かったが、展望のある場所で腰を下ろしたく、先ほど見た展望地に戻ることにした。その展望地に着くと、そこは南の方向が開けているだけに陽当たりが良く、十分な暖かさだった。20℃はありそうで、陽射しの中に腰を下ろした。前方の上郡の町並みと千種川の風景、そしてそれを取り囲み山並みを眺めながらの昼食だった。愛宕山の紅葉も当然眺めてだった。昼食をとるだけでなく、少しばかりの昼寝も楽しんだ。一時間ばかりの休憩を終えて、下山は往路を辿るのみ。苔縄城跡のピークへ戻るときは、紅葉の木立を楽しみながらだった。また北の方向に注意していると、樹間から見えたのは後山だった。千種川流域の山は、やはり後山が眺められるようだった。苔縄城跡からの下山は気楽なもので、シダ帯もずんずん下って行く。そしてこの下山では、登山道を最後まで下ることにした。朝に小学校からのコースが見つからなかったので、どこに出るのかに興味を持ってだった。最後に害獣除け柵を越えて下り着いた所は、やはり校舎裏の一角で、何となく見過ごした場所だった。これで小学校からのコースが分かったが、赤松小学校としてはあくまでも部外者の進入は歓迎していないようなので、登山口の標識は付けていないものと思われた。登山としては、この朝に歩いた大日如来のお堂そばから歩き出して、害獣除け柵沿いを歩いて登山道に合流するのが良さそうだった。苔縄駅に戻ってくると、駐車する車は相変わらず数台だけで、ひっそりとしていた。地味な愛宕山だったが、静かな里山で紅葉を楽しめたと、満足の思いで車に乗り込んだ。 (2010/12記)(2020/10改訂) |
<登山日> | 2010年11月27日 | 9:37苔縄駅スタート/9:52赤松小学校のそばを登り始める/10:16石の鳥居/10:43〜50尾根の展望地で休憩/10:55苔縄城址/11:19〜26山頂/11:30〜12:25山頂近くの展望地で休憩/12:41〜46苔縄城址/13:11石の鳥居/13:24赤松小学校に下り着く/13:29苔縄駅エンド。 | |
(天気) | 快晴。澄んだ空が広がるだけで、雲は見えなかった。登山道は少しひんやりしており、気温は13℃ほど。登るほどに陽射しを受けて、山頂では16℃ほどになっていた。北風が少しあり、その北風を避けて南面の日溜まりに居ると、20℃を越えていると思える暖かさだった。視界は澄んでいた。快晴は終日続いた。 | ||
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