荒木山を二ヶ月前に一度は目指したのだが、その日は5月とは思えぬ暑い日で、東隣の室山には立ったものの荒木山への縦走は断念していた。その荒木山を7月に入って改めて目指すことにした。中旬の17日のことで、この日は二ヶ月前よりも更に暑い日だった。コースは縦走では無く、南麓の中竹田集落からピストン登山とすることにした。
中竹田集落に着いたのは10時前だった。気温は既に33℃になっていた。その暑い空の下で荒木山がくっきりと眺められた。熊野神社辺りから登ろうと考えていたので、熊野神社に向かった。神社に着くとそのそばがゲートボール場となっており、駐車出来そうなスペースもあったのでそこに駐車とした。また近くに登山道を見たので、すんなりとスタート出来ることになった。登山道に入るとすぐに害獣除けゲートを通った。登山道は荒木峠に通じると予測しており、その通りに進んでいたところ、真新しい堰堤が現れるとその辺りで道は不確かになってしまった。そこで辺りを探ったが登山道は見えなかった。そこで堰堤の上流部を少し歩いた後、左岸側に移った。そして急斜面を登って近くの尾根を目指した。あえぎながら登って尾根に着くと、そこに登山道を見た。どうやら登山道は続いていたようだった。合流点で小休憩をとった後、登山道歩きを開始した。登山道は地形図には描かれていなかったが、はっきりとした道だった。GPSで確認すると、確実に荒木峠に近づいていることが分かった。荒木峠に着くと峠の地蔵さんが迎えてくれた。荒木峠でも長休憩をとると、おもむろに県境尾根歩きに移った。尾根筋に出るとそこにもはっきりとした尾根道があり、西へと辿って行くだけだった。始めは傾斜がややきつかったが、すぐに緩んで易しい尾根歩きとなった。ただ荒木峠までと同様に展望の無い尾根歩きだった。標高が300mを越えてくると傾斜が増してきたので、一度長休憩をとってから斜面をしっかり登った。そして荒木峠から40分近くかかって山頂に到着した。途中の休憩を覗けば歩いていた時間は20分少々だったと思えた。山頂は平らに開けており、ケルンが作られていた。山頂らしさはあったが、道中と同じく展望は無かった。それでも木陰は多くあり、休むには良い所だった。その木陰で暫し休んだ後、少しは展望を得ようと辺りを探ってみると、木々の隙間からながら北に三岳山や鬼ヶ城を見ました。なお山頂には尾根続きの親不知を示す標識があり、親不知まで1時間とあった。山頂で1時間ほどの休憩を終えると、下山は往路を引き返した。下り坂とあって県境尾根歩きはけっこう気楽だった。荒木峠に戻ると、後は熊野神社に向かうのだが、登山道のままに下ればどこに出るのかに興味があった。その気持ちで下って行くと、合流点を過ぎても道ははっきりしていた。どのように麓に着くのかと思った矢先、突然登山道は終わることになった。その先は堰堤工事で作られた急斜面になっており、どうやら堰堤工事で登山道は無くなっていたようだった。そこで適当に下って堰堤に下りると、堰堤を横切った。その先で最初に歩いた登山道に合流することになり、無事熊野神社に戻ってきた。どうやら登山コースは堰堤工事で寸断されてはいたが、その部分を除けば熊野神社からのコースとして荒木峠経由で荒木山まで続いていたようだった。この荒木山登山を終えての感想は、山頂の展望を良くして登山道を今少し整備すれば、荒木山は端正な山だけに人気が出るのではと思われた。
(2023/8記) |