三草山は兵庫100山に選ばれており、登山口は国道372号線に近いとあって、アプローチはごく易しい山である。その三草山を2002年に登って以来とんとご無沙汰していたので、久々に登ろうと向かったのは2016年7月のことだった。国道372号線の道沿いに立つ案内標識を見て枝道に入ると、少し走るだけで登山口に着いた。その登山口がすっかり整備されており、広い駐車場だけでなく、立派なトイレに東屋も建っていた。また昭和池は水上バイクで遊べるようになったようで、そちらから水上バイクの音がけっこう大きく聞こえていた。そのように整備された登山口なのに、三草山への標識が分かり難かった。辺りを眺めて、漸くトイレのそばから小径が始まっていることに気付いた。その小径を歩き始めたものの、193mピークの手前に来たとき、また道が分かり難くなっていた。実際は193mピークを迂回する形で登山道は続いていたのだが、以前の記憶を頼りにしたことで、193mピークを登ってしまった。当然そちらに標識は無く、適当に露岩を登った後は、細々と続く小径を辿った。ただ展望は良く、昭和池を間近で眺められることになった。193mピークを越して鞍部に着いてみると、はっきりとした標識に出会った。コースを間違っていたことに気付くと共に、正規コースである193mピークを迂回してきた登山道に合流した。そこからは終始尾根歩きとなった。一気に道は易しくなり、露岩部にはクサリの手摺りも付いていた。もう気楽な尾根歩きと言いたかったが、陽射しを受けての登山はなかなか大変だった。気温は32℃になっており、大汗をかいて登ることになった。木陰が少ないだけに展望は良く、昭和池だけでなく北向かいの数曽寺山塊が眺められた。この尾根のポイントは277mピークで、そこがコースの中間点となり、登山口から1.2km、山頂までも1.2kmだった。この三草山だがけっこう人気があるようで、暑い季節にもかかわらず下山者とときおりすれ違った。また20人ほどの中学生グループが、さっとばかりに追い抜いて行った。木陰の少なさに次第にバテ気味になり、歩度はどんどん落ちてきた。それでもさほど休みを取らずに登ると、登山口から80分で山頂到着となった。中学生グループで賑やかな山頂だったが、入れ替わるようにして下山したため、後はこちらを含めて5、6人ほどの少人数となった。改めて山頂を眺めると、適度な広さがあって所々にベンチが置かれていた。また小さな祠も建っていた。目立っていたのは北の隅に建つ無線塔で、加東市のデジタル無線設備だった。ベンチで休憩したかったが、陽射しを受けることになったので、木陰を求めてその下で休憩とした。弱いながらも涼しい風があって、汗を鎮めてくれた。昼食を済ませると、少し展望を楽しんだ。木々がけっこう視界を妨げていたが、西に昭和池、北は西光寺山、そして東は遠くまで開けており、その先に六甲山が見えていた。山頂で休んでいたのは一時間ほど。その頃にはこちら以外は2名になっていた。下山は往路を引き返す。途中に277mピークへの登りがあるものの、概ね下る一方だったので、暑い中での下山としては楽だった。再び展望を楽しみながらゆっくりと下った。往路では誤って193mピークを通ってしまったので、この帰路では登山コースを正しく辿って193mピークを迂回した。駐車場に戻ってきたのは14時過ぎ。下山は70分だったので、夏の季節を除けば三草山はやはり易しく登れる山と言えそうだった。
(2016/8記)(2020/4改訂) |