TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬
盛上山    もりがみさん 426.6m 豊岡市
1/2.5万地図 : 城崎
 
【2007年7月】 2007-65(TAJI&HM)
 
   豊岡市瀬戸より  2007 / 7

 以前は有料道路だった但馬海岸道路は、10年ほど前から無料になって今は一般道の県道11号線になっているが、その名の通り日本海の間近を通って、観光道路の一面を持っている。その但馬海岸道路の津居山漁港に近い側にゴルフ場(城崎カンツリークラブ)があるが、そのゴルフ場に近づいたときに、道路そばに「盛上山ハイキングコース」の標識があって、以前から気になっていた。地図を見ても盛上山の名は無く、該当する山を考えるとゴルフ場の南にある点名・田久比ぐらいしか見当たらない。この点名・田久比なら一帯では最も高い山であり、ハイキングコースがそこに続いているのなら登るのも面白いのではと思えた。ただこの登山のために姫路から出かけるのは少しおっくうに思えて、気にはなったがなかなか足が向かなかった。そこで考えたのが夏の季節に海水浴と組み合わせるアイデアだった。但馬海岸の海水浴場で一番と言えそうな竹野浜が盛上山に近く、そこでこの竹野浜の海水浴と組み合わせて訪れることにした。
 向かったのは2007年7月の最終土曜日、薄晴れの日だった。兵庫南部から日本海側に向かうのは他府県に行くのと同じほどの時間を必要とするが、この日も姫路を7時前に出たのだが、竹野浜の駐車場に着いたときは9時半を回っていた。駐車場はもう8割方埋まっており、浜の様子はまさに盛夏だった。海水浴はやはりファミリーの世界で、海岸線はそのファミリーのピーチパラソルの列だった。その中に混じってだったが、海水浴は気楽なレジャーとあって年齢は関係無し。竹野浜は白砂の美しい海岸が続き、遠浅の海は水がきれいなだけで無く海岸から少し離れても足が着くほどで、泳ぐにしても砂浜で休むにしても絶好の海水浴場だった。少し泳いでは海岸で寝そべってを繰り返して海水浴を楽しんだ。この竹野浜で昼までは過ごす予定だったが、少し水が冷たかったことと、次第に風が強くなってその風には冷たさがあったため、昼を待たずに切り上げた。そして盛上山へと向かった。登山口の近くから始まる林道があり、その入口に数台の駐車スペースがあったため、そこに駐車とした。歩き始めたのは正午まであと10分の時間だった。ハイキングコースは丸太の階段道で始まっており、遊歩道を歩く気分で登って行けた。尾根に出ると簡易ケーブルの軌道に沿って登ることになった。そして5分も歩けば無線塔(NTTDoCoMo関西城崎海岸無線中継所)の前に出た。そのそばを通って尾根歩きの続きをしようとしたところ、道は消えていた。ちょっと腑に落ちないまま草ヤブにムリヤリに入って行くと、布きれや紙の短冊が枝にくくられて目印になっていた。足下にも踏み跡程度の小径の続いているのが分かった。ハイキング道としては既に廃れて、無線塔までは手入れが続いていたようだった。ヤブコギになったが山頂へと向かう気持ちになっていたので、尾根歩きを続けることにした。すると数分と歩かないうちに今度は車道に出た。そこはまさにゴルフ場の敷地内で、車道は道幅の狭さからカート道のようだった。ゴルフ場は山の斜面に作られており、カート道はけっこう急角度で続いていた。なぜゴルフ場に入ったのか疑問に思い地図を開くと、ゴルフ場の敷地は尾根にかかっており、尾根歩きでは必然的にゴルフ場に出るようだった。ハイキングコースがゴルフ場につながっていることに疑問を持ちながらも、尾根歩きを続けるためにカート道を登って行った。そのゴルフ場の敷地も数分歩けば終わって、再び雑木の尾根を歩くことになった。またヤブコギかと思っていると尾根には小径があり、草深さは無くなってごく自然に歩けるようになった。また布きれと紙の短冊の目印は相変わらず続いていた。ここに来てようやく普通に山を登っている雰囲気になった。周囲は自然林が囲んで展望は無かったが、登るうちには木立の切れ目もあり、東に円山川流域の山並みや津居山の集落が眺められた。ただこの日はモヤの強い視界とあって、薄ぼんやりとしか見えていなかった。この尾根を歩きで助かったのは登るほどに涼しい風が吹き抜けるようになったことで、蒸し暑さの中を登る身には快かった。中間点を過ぎた辺りで少し木立の切れた所が現れた。そこは展望もあり涼しい風も通っていたため、日本海の風景を眺めながら軽い昼食とした。海岸線に近いところに浮かぶ小島は後ヶ島のようだった。一息入ったところで尾根歩きを続ける。相変わらず目印は続いていた。やがて山頂が近づくと少し急坂となったが、それも短い距離で再び緩やかになると、程なく山頂に出た。そこに見たのは三等三角点と共に盛上山と書かれた大ぶりの山名標識だった。ここが考えていた通りの盛上山だったことに一安心だった。山頂は周囲を自然林に囲まれて展望は無かったが、緑濃い自然林の様は穏やかな雰囲気で、一休みの場所として好感が持てた。山頂も涼しげな風が通っており、その涼しさを味わいながら静かに山頂到着を喜んだ。ひと息入ったところで周囲を探ってみた。すると南に木立の空いた所があり、そこから見えたのはゴルフ場のクラブハウスで、その背後の日本海は強いモヤのために淡い色になっていた。涼しさのままに山頂では30分ほど過ごして下山とした。下山は登って来たルートのままに下って行く。この下山は日本海に向かって下ることになり、ときおりはその風景が開けて悪くは無かった。それにしも再びゴルフ場に入ることになり、ハイキングコースがなぜこのような設定になっているのか再び疑問を抱かされた。(私有地に入ることよりも、ゴルフボールに対する危険性の方への疑問だった。)ただこの日は上り下り共にコース内に人は見かけず、無難なままに終わったが。
 後になって考えるに、ひょっとしてゴルフ場を迂回するようにコース設定は出来ていたかもしれないと思えたが、最新の地図を見ると盛上山の山頂に近い位置まで林道が通じており(その林道の入口に駐車した訳だが)、山頂に立つにはハイキングコースを歩かなくともその林道を使えば、けっこう気楽に山頂に立てていたのではと思えた。
(2007/8記)(2019/4改訂)
<登山日> 2007年7月28日 11:49登山口スタート/11:54無線塔/12:05ゴルフ場の道に出る/12:12再び林の中へ/途中で軽く昼食/12:46 〜13:13山頂/13:46ゴルフ場/14:00無線塔/14:09エンド。
(天気) 薄晴れ。モヤの強い空だった。気温は26℃と高くはなかったが、湿度が高く蒸し暑さを感じた。但し尾根歩きとなって涼しい風が現れ、しのぎやすくなる。視界はモヤのために近くの風景もうっすらとしていた。
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午前は竹野浜で海水浴を楽しんだ 浜の西に見
えるのは猫崎半島で、最高点は賀島山だった
竹野浜より東を見る 中央奥の高い山が盛上山
かもしれない
但馬海岸道路を走っていると、ハイキングコー
スの標識を見た
   
遊歩道に入ったとき、後ろを振り返った 遊歩道を登り始めると、背後に日本海が望めた
尾根を歩き出すと、簡易ケーブルが平行して続
いた
   
目印のままに尾根を辿って行くと、ゴルフ場に
出てしまった ゴルフ場の道を歩く
ゴルフ場を離れて尾根の方向に向かうとき、ゴ
ルフ場を振り返った
再び尾根歩きに入る
   
次第に展望が開けて、再び日本海を見る 日本海に浮かぶ後ヶ島(竜宮城)を大きく見る 東に津居山を見る
    
津居山の右手、円山川を挟んで対岸の尾根を見る 尾根道は緩やかで、無理なく登って行けた 盛上山山頂には大きな山名標識が立っていた
   
山頂の三等三角点(点名・田久日)を見る 山頂は自然林に囲まれていた 緑の佇まいは落
ち着きがあった
山頂からは、北の木立の隙間から展望があり、
日本海とゴルフ場が望めた