但馬南部で2時間程度楽しむのに相応しい山はないかと「矢名瀬」の地図で粟鹿山周辺を眺めたとき、粟鹿山の西に位置する431mピークに関心を持った。改めてネットで調べてみると、山上には衣笠城址があり衣笠山と呼ばれているようだった。そこで2018年10月8日の体育の日に衣笠山へと向かった。2時間程度としたのには理由があり、前日に同じ朝来市内の婆々山を登ったのだが、晴れの予想は大きく裏切られて、雨の山頂に立つことになった。ただ翌8日ははっきりと晴れの予想になっていたので、改めて婆々山を登ることにした。但しコースは短縮して短時間で山頂に立つ予定としたので、婆々山は午後の山として午前は別の山を楽しむことにした。そして選んだのが衣笠山だった。
朝来市与布土に入って衣笠山の西麓に着くと、そこに衣笠城址の登山口標識を見た。特に駐車場は無かったので、登山口そばの道路上に迷惑にならないように車を止めた。そして山裾へと近づいた。害獣避けゲートがあり、その先から登山道が始まった。マイナーな雰囲気の登山道で、少し荒れた感じがあった。始めは小さな沢沿いを進んで行く。道はまずまず分かる程度で沢沿いを歩いていたところ、どうも道がはっきりしなくなってきて気が付くと登山道を外れていた。そこで後は適当に近くの斜面を登ると、程なく登山道に合流した。そして尾根に出るとそこに衣笠城址の標識を見た。後は標識に従って尾根を東へと歩いて行くだけだった。緩やかな登りもあればきつめの登りもあり、ごく普通の里山登りだった。その尾根歩きの途中で足下を見ると、山ヒルが靴に貼り付いていた。パートナーの靴も同様だった。どうやら衣笠山には山ヒルがいるようで、沢筋で貼り付かれたようだった。以後は足下に注意を払いながら登った。尾根に出てから10分ほど登ると城跡に入ったのか、尾根に段差を見るようになった。また石垣の跡らしきものも見た。また展望が現れて西に建屋山が望めた。山頂が間近になると郭跡なのか広く平らになった所が現れて、そこはいっそうの展望地だった。そこを通り過ぎて山頂に出た。山頂も狭い範囲で平らになっていたが、展望は良いとは言えなかった。北に深山の尾根を見る程度で、無理やり探れば木々の隙間から粟鹿山の山頂が望めた。その山頂は10分ほどで離れて、山頂手前の展望地で休憩を改めてすることにした。この日の視界は澄んでおり、西の建屋山だけでなく、北には床尾山も望めて、衣笠山は展望を楽しめる山だと分かった。これで満足して、後は下山に移った。下山は登山道を忠実に辿って下った。主尾根を離れると支尾根を下るようになり、沢筋に下りてきた。どうやら往路では支尾根に出る分岐点を見落としたようだった。登山口に戻ってきたのは11時過ぎのこと。山頂での休憩時間を入れても1時間半のミニハイキングとなっており、予定通り午前で衣笠山登山を終えることが出来た。
(2018/11記) |