暑い季節に北の山に向かうのではなく、瀬戸の見える山を登ろうと考えて黒鉄山に向かったのは、2017年8月の盆休み明けの週末だった。連日暑い日が続いており、この日も朝から良く晴れていた。山陽道を赤穂ICで降りると北へと向かい、県道557号線に入った。県道557号線は林道のような細い道で、緩やかな上り坂だった。黒鉄山から見ると東の位置まで来たとき、そこに小径が分かれているのを見た。そこが笹谷コースの登山口だった。そのそばの路肩が広くなっていたので、そこに駐車とした。笹谷コースに入ると、ずっと緩やかな道で沢に沿って歩くことになった。道の両側はシダが茂っていたが、道を隠すほどでもなかった。進むうちに沢を何度か横切り、右岸側を歩いたり左岸側を歩いたりを繰り返した。ときに沢の中を歩いた。沢の水量は少なかったが、何度か靴を濡らした。また岩の表面は滑り易く慎重さを要した。コースには点々と目印テープが着いていたが、30分近く歩いたとき目印は沢筋から離れ出して、ようやく斜面に取り付くことになった。北面側を登るので陽射しをあまり受けずに登れることを期待していたのだが、沢筋を歩いているときは木陰が多かったのだが、斜面は低木が多いとあって陽射しを良く受けるようになった。しかも急斜面とあって徐々にバテてきた。それも登るほどに木陰が多くなり、傾斜も多少は緩んできた。登山道は細々とながら続いており、シダに隠されるようなことも無かった。また目印テープを点々と目にした。何度か休みを取りながら登って行くと、右手前方に小ピークが見えてきたが、そこは山頂手前の390mピークだった。主尾根に着くとまずは390mピークに至り、そこから山頂との鞍部へと下った。そして登り返しに入ったとき南からの大津コースに合流した。そこまで来れば山頂は近かった。反射板のそばを通り過ぎると前方が開けてきて、そこが山頂だった。高い木はほとんど無いとあって展望は良かった。但し陽射しをまともに受けることになり、暫く佇んだ後は大きな木の下に逃げ込んだ。そしてその木陰で昼休憩とした。登っているときにときおり涼しい風を受けることがあったが、山頂も涼しい風があり木陰はけっこう涼しかった。バテ気味になっていたこともあり、手早く昼食を澄ませると風の涼しさに誘われて少時昼寝とした。そして少し元気が戻ったところで改めて展望を楽しんだ。この日の視界は悪くなく、北は後山の尾根だけでなく那岐山や泉山も眺められて、久々に兵庫側から岡山の山並みを楽しんだ。山頂では2時間ばかり過ごして、下山はすんなりと往路を戻った。往路では何度か途中休憩をしたのだが、下山はほぼ下る一方とあってほとんど休まず下って、沢に下り着いた。そして沢の中を歩いたりしてワイルドさのある沢筋コースを戻って行った。再び大汗になったのは言うまでもない。
(2017/8記)(2019/11写真改訂) |