鶴居の城山は尾根の繋がりとしては大中山の前衛峰となるが、播但道からはその端正な姿が独立峰の趣で眺められて目立つ山である。その城山へは南東麓側から登山道があり、40分も歩けば山頂に立つことが出来るので、午後の散歩でもと言った感じで向かったのは2018年9月の最初の日曜日だった。この日は播州南部は朝のうちこそ雲が多かったが、昼頃には晴れと言える空になっていた。そこで鶴居城山へと向かったのだが、福崎町まで来ると上空はまだ薄曇りだった。それでも西の空には青空が見えていたので、いずれ上空も青空になってくると思われた。今回で3回目の登山となるので勝手が分かっており、車は南東麓にある墓地の駐車スペースに止めた。そこから数十メートル先に登山口ゲートがあり、緩やかに登山道が始まっていた。その登山コースには100mおきに標識が立っており、登山口から山頂まで1000mだった。初めて歩いた2009年は登山道が作られて日が経っていなかったためか、地肌がむき出した所が多くあってちょっと荒々しさを感じたが、9年が経って登山道は落ち着きが出てきており、良い雰囲気で登って行けた。ただシダが増えてきており、手入れがされなければシダヤブになってしまう可能性はあった。登るうちに登山道の傾斜が増してくると、そこはクサリやロープが張られていた。このコースは登るほどに七種山の尾根が見えてくるのだが、登山道を囲む木々が生長しており、以前と比べて視界は狭くなってきていた。あと200m地点を過ぎると尾根は緩やかとなって城跡のエリアに入った。歩くうちに石垣を見た。コースは南東尾根をずっと辿るのでは無く、最後は西側に回り込む形となって山頂に出た。そこは広く平らになっており、いかにも城跡の山頂らしさがあったが、佇まいとしては以前とあまり変わっていないように思えた。少し違うと言えば、掲揚台が作られていることぐらいに思えた。またライトアップのためかLED電球が木々に架けられていた。山頂に着いたときは上空は薄曇りとあってどこででも休めたが、暫くすると西の青空が上空にまで広がって陽が射してきた。そこで中央に立つ木立の下で休憩とした。そして一息つけたところで展望を楽しんだ。ほぼ360度の展望があるものの、やはり前回と比べると樹木の生長で視界は少し狭まっていた。その展望では周囲の山並みよりも足下の稲田の色付きに目を惹かれた。その田園風景の中をJR播但線が通っており、ときおり電車が通過した。山頂では少し昼寝を楽しんだりしたので、一時間ほど過ごしてしまった。鶴居城山の山頂を十分に楽しむと、下山は単純に往路を引き返した。ほぼ下る一方なので、滑らないようにさえ注意すればごく気楽な下りだった。25分ほどで麓に下り着いたが、駐車地点の墓地に戻ってきたとき、何気なく近くに立つ登山案内図を見たところ、この日ピストンした南東尾根コース(南コース)以外にも北東尾根(北コース)のコースが描かれていた。このコースがあることを忘れていたので、次回は北東尾根コースも歩いて周回にしようと思いながら帰路についた。
(2018/9記) |