この揖保川に面する地味な山に登ったのは1999年1月初旬のこと。始めは播州北部の山を目指したのだが、予想以上に雲行きが悪く、北の空は雪雲に閉ざされていた。そこで晴れの地域の北限とでも言うか、山崎町の南端に近いこの山に目標を切り替えたものである。どうも冬になると、この434mピーク辺りまでが瀬戸内気候と日本海気候の境となっていることが多いようである。この四等三角点ピーク(点名・宇原)を登ろうと決めたのは、単に三角点記号を見て決めたもので、このピークが禅師山の名を持っていることは後に知ったことである。
山崎町の宇原集落の外れにある岩田神社の前に駐車する。神社の前から始まる林道(作業道:奥山線)を歩き始めると、林道はすぐに荒れ始めたが、ため池に出たところで林道は終わりとなった。後は沢沿いを登って行く。倒木が少し面倒な程度で、樹林が疎らなのは助かった。主尾根が近づくと、少し傾斜がきつくなって木立も密になったが、まずは無難に山崎町と安富町を分ける尾根に出た。尾根には分かり易い山道が付いており、ぐんと歩き易くなった。また展望も北側は雑木にじゃまをされて見えなかったが、南側はけっこう開けていた。小ピークを越えると、少し潅木が煩わしくなったが、やがてこの山の最高点となる450mピークに着いた。そこにはマイクロウェーブ反射板が設置されており、南から西にかけて遮るものの無い展望が広がっていた。揖保川流域の山並みが鮮やかに眺められた。ただ北は雑木越しにしか見えず、それも水剣山までで、それ以北は雪が降っているのか何も見えていなかった。その450mピークから200mほど西に進むと三角点があり、そこにも反射板が設置されていた。そこは最高点ほどの展望は無かったので、最高点に戻って休憩とする。下山は境界尾根を少し戻って、南西に延びる尾根を下った。その尾根には山道が付いており、これが正規の登山道なのか切れることは無く、尾根を真っ直ぐ下ったり斜面をジグザグに下ったりして谷筋まで下り着いた。後は谷筋の小径を進むと、最初に歩いた林道の中程に合流した。
(2002/10記)(2011/9改訂) |